お礼・お詫びで始まるメールは読まれない…一流社員が新規客との距離を早く劇的に詰めるための賢い声かけ術
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医療業界特有の言い回し
読者のみなさんは「御侍史(おんじし)」「御机下(おんきか)」という敬称を使ったことがありますか。耳慣れない表現かと思いますが、これらは医師に対してメールや手紙を送る際に、「○○先生御侍史」「○○先生御机下」と、敬称の下に添えて更なる敬意を表す言葉(脇付け)です。
製薬会社の中にはあらかじめ封筒に「御侍史」と印字されているところもあるほど、使用厳守されている敬語です。
「御侍史」とは、高貴な人のお付き人のことで、“先生があまりにも偉いので私たちはお付き人を通してメッセージを送らせていただきます”という意味合いです。また「御机下」とは、“直接お渡しするのは恐れ多いので、机の下に置かせていただきます”というニュアンスです。どちらも高貴で多忙な医師への配慮を暗示することで、敬意の念を表しています。
とはいえ、上記2つの敬語は医療業界特有の言い回しで、医師がほかの医師へ紹介状を書いたり、MR(製薬会社の営業担当者)が医局に手紙を送るときくらいしか使用されません。医療業界関係者でない限り、医師には「様」「先生」を使うのが適切です。
むしろ昨今では、「御侍史」「御机下」といった表現を用いられることに違和感を覚える医師が増えています。QLifeという医療情報を提供する会社が「『御侍史』『御机下』を用いられてどう感じるか」を、医師300人にアンケートで調査しました。実に51%の医師が「違和感を覚える」と回答しています。特に30代の若手に限っては、60%を超えています。
しかもこの調査は15年前のものです。私自身、これまで5000人のMR向けの営業研修に携わるなかで、メールなどで頻繁に使われる「御侍史」などの敬語には違和感を覚えます。また、昨今ではLINEでやりとりをする若い医師も増えているなか、「御侍史」「御机下」を踏襲し続ける慣習には甚だ疑問を感じます。