だから兵庫県民は「斎藤元彦知事」を選んだ…どのマスコミも報じない「60日間の戦い」で起きていた変化
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2カ月前には予想できなかった「斎藤氏の圧勝」
11月17日に投開票された兵庫県知事選挙は、斎藤元彦氏の圧勝に終わった。ちょうど2カ月前、パワハラ疑惑などが文書で告発された問題を発端に、県議会で不信任決議が全会一致で可決された。それから約60日後の、この結果を誰が予想しただろうか。
斎藤氏は、111万3911票を獲得し、前回から約25万票も上積みした。投票率は、前回41.1%から55.65%と大きく上昇しており、県民の関心の高さがうかがえよう。
私は、辞職直前、9月12日に配信した記事〈だから「辞職コール」でも絶対に辞めない…斎藤元彦氏のような「お殿様知事」を大量輩出する地方の根深い問題〉で、斎藤氏には「自分は県民に支持されているはずだとの確信があるのだろう」とした上で、「その確信こそが、勘違いなのではないか」と書いた。当時は、「辞職コール」が県議会やマスメディア、さらには、県民のあいだにも巻き起こっている、そう私には見えていた。
県民が斎藤氏に期待した分だけ、失望が深く、県民の堪忍袋の緒が切れた以上、その怒りは、辞職によっても「もう、収まりはしないだろう」と記事を結んでいる。
勘違いしていたのは、筆者のほうだった
しかし、今回の選挙で斎藤氏は県民からの大きな支持を受けた。県民の怒りは、斎藤氏ではなく、斎藤氏を批判する対立候補や、マスメディアに向けられたのではないか。この流れを見誤った点で、斎藤氏ではなく、私のほうが勘違いをしていた。そう懺悔しなければならない。
この2カ月のあいだに、いったい何が起きたのだろうか。
斎藤氏の主張は辞職前から一貫しており、自身の態度への反省を除いては、変わっていない。内部告発への対応をはじめとして、百条委員会や記者会見で述べた考えを、選挙期間中に変えることはなかった。
変わったのは、県民のほうなのだろうか。なぜ、どのように、県民は、斎藤氏への見方を変えたのか。この点を考える上で、まず見なければならないのは、「マスメディアの敗北」という議論である。