歯磨きのあとに口をゆすいではいけない…毎日磨いているのにむし歯になる人がやっている「誤解だらけの習慣」
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むし歯にならないためにはどうすればいいのか。歯科医の前田一義さんは「歯磨き粉を使って歯みがきをしたあとに、口をゆすいではいけない。むし歯予防効果のあるフッ素が流れてしまう。どうしても気持ち悪い人は、ペットボトルのキャップ1杯程度の水でゆすぐだけでいい」という――。(第1回) ※本稿は、前田一義『歯を磨いてもむし歯は防げない』(青春新書インテリジェンス)の一部を再編集したものです。
歯磨きをするのはむし歯を防ぐためではない
【カン違い】
むし歯になるのは歯磨きをさぼったせい
↓
歯磨きの目的は食べカスを落とすためではない
むし歯予防というと、多くの人がまず思い浮かべるのが歯磨きでしょう。そこから、むし歯になると「歯磨きをさぼったから」と後悔する人も少なくありません。あるいは日頃から真面目に磨いていて、「あんなに歯磨きしていたのに、まだ足りなかったのか」とショックを受けるかもしれません。
でも、むし歯になるのは、口の中のpHが5.5以下の状態が長く続いたときです。歯磨きの目的は、むし歯予防よりも、歯周病を予防するためです。むし歯が歯が溶ける病気であるのに対し、歯周病は歯茎はぐきが炎症を起こしたり、歯の周りの顎あごの骨が溶ける病気です。歯は顎の骨によって支えられています。歯周病が進んで顎の骨が溶けると、最後は歯を支えられなくなり、歯が抜けることになります。
歯周病の原因は、歯の表面に付いたプラーク(歯垢)です。プラークはバイキンの塊かたまりで、白くネバネバしています。このプラークは、口をゆすいだり薬品を使うことでは取れません。お風呂や台所のヌルヌルした汚れをイメージすると、わかりやすいでしょう。これはバイオフィルム(菌膜)と呼ばれ、やはり薬品や洗剤などでは落ちません。
ブラシなどでゴシゴシこすって、物理的に落とすしかありません。こすることで塊になっていたバイオフィルムがバラバラになり、こうなれば薬品や洗剤で死滅させることができます。