何かと「大谷翔平のような」とたとえるのは三流の行為…そのとき一流が例に挙げる"鉄板事例"の共通項
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説明が上手な人とそうでない人は何が違うか。広報アドバイザーの鶴野充茂さんは「説明が下手な人ほどわかりやすいと思って大谷翔平など有名人の名前をあげて、それがかえって相手を困らせる結果になっていることに気づいていない」という――。 ※本稿は、鶴野充茂『上手に「説明できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
大谷翔平を例にあげても伝わらないことを想像できるか
上手に説明できる人は「あるある」を例にする、
できない人は有名人を例にする。
自分の気持ちを伝えるとき、有名人を例にあげてその人が体験した時の様子を使って表現する人が少なくありません。
しかし、ここに伝達ミスの落とし穴が潜んでいるのです。
たとえば、大事なプレゼンが目前に迫ってきた様子をこう伝えたとします。
×「大谷翔平が初めてメジャーリーグの試合に出場する時のような緊張感ですよ……」
伝えた本人としては、大谷選手がメジャーリーグの舞台に立つために、小さい頃からプライベートの時間をすべて練習にあてるほどの努力をしてきた様子をありありとイメージしています。
おそらく、「こんなにも今回のプレゼンに対して、努力をしてきたんだ!」
という思いをわかってもらいたいから、大谷選手を例にあげたのでしょう。
しかし、話を聞いている相手が必ずしも大谷選手に関心を持っているわけではありません。
大谷選手のことを知ってはいるものの、大谷選手に対して特別な思い入れがなく、メジャーリーグに挑戦するまでの過程など、想像すらできないという人も多いでしょう。人によって思い入れには大きな差があります。
また、特定の芸能人やスポーツ選手に関しては、人によって好き嫌いが分かれやすいということも見逃してはなりません。
あまり関心のない人のことを例にとってあげられても、鮮明にイメージすることはまず不可能ですし、人によってはストレスに感じることもあるでしょう。
説明が下手な人はわかりやすいと思って有名人の名前を出したことが、かえって相手を困らせる結果になっていることに気づかないのです。