専業主婦歴20年超の離婚と起業…「自分の人生と子どもの学費全て引き受ける」母に覚悟を決めさせた娘の言葉
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人生には突然、転機が起きることがある。それは一見マイナスな出来事かもしれない。片づけ習慣化コンサルタントの西崎彩智さんは「結婚20年目、夫のリストラをきっかけに夫婦関係は壊れた。それでも不安と世間体を気にして離婚できずにいた私が、自分の人生も子供の学費も全部引き受けて生きていくと決意を固めたのは、1本の電話がきっかけだった」という――。 ※本稿は、西崎彩智『人生が変わる 片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。
「女性の幸せは結婚にある」という時代に生きた父
少しだけ私、西崎彩智の人生のビフォーアフターを聞いてください。
私は大阪生まれの岡山育ち。1700グラムで生まれた体の小さな私は、なんでもできる姉と比べて成長がゆっくり。周りの子たちから、童謡「サッちゃん」の「だけど ちっちゃいから~♪」のところを歌ってからかわれたりして、両親は私の将来をとても心配していたそうです。
「女性の幸せは結婚にある」という時代に生きた父は、私の幸せは結婚しかないと思うあまり、家事に関しては厳しくしつけをしました。2歳のときに住んでいた家で、おもちゃの片づけをしないまま寝ていた私は、父に起こされて、おもちゃの片づけをさせられた記憶があります。片づけると父はいっぱいほめてくれました。片づけたら喜んでくれる。その嬉しさは、あのとき幼心に刷り込まれたのかもしれません。
「建築は男の世界」と反対されて…
温かかったけれどちょっと窮屈だった岡山の家を出て、大学は神戸へ。建築学部を志望していましたが、「建築は男の世界」と言う父の反対にあい断念。心理学や教育学、社会学が学べる人間関係学科へ進みました。
建築は諦めても住まいやインテリアの世界に身を置きたくて、大学卒業後はインテリアプランナーとして地元の住宅会社に就職しました。仕事はすごく楽しかったけど、家庭に憧れていた私は24歳のとき6歳年上の男性と結婚して専業主婦に。当時は家事と育児に夢中でした。目が届きすぎるくらい子どもと関われる毎日は幸せでした。とはいえ、誰もほめてくれないのが主婦業です。ふと「自分には何もない感」に引きずり込まれる瞬間がありました。でもその頃は自分の将来を見ないフリをしていました。
そのころ唯一、自信を持てたのが毎日普通にやっていた片づけ。ママ友が家に来たとき、「片づいて気持ちのいい部屋だね」とほめられたのがすごく響きました。ママ友や子どもの友だちが集まれる部屋を作ることが、趣味のようになっていきました。
ここまでがいわば私の人生の「ビフォー」です。そんな穏やかな生活は、結婚20年目に強制終了。夫がリストラにあってしまったのです。