#08 どうすれば相手が気持ちよく受け取れるか
〜パパとの会話〜
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作家/子育てアドバイザー
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作家/子育てアドバイザー。「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40000人以上、Facebook公式ページには20000人以上の読者を持つ、京都在住アメーバオフィシャルママブロガー。 「子育てを大変だと感じる本当の理由」「夜泣きするきみへ」「ママの毎日」などの記事が爆発的な人気となり、シェアがネット上で120万を超えるなど、その等身大の育児観は圧倒的な共感を呼ぶことに。 各種キュレーションサイトの2015年上半期アクセス数ランキングにおいて、ブログ記事が殿堂入りを果たす。ブログを通じてつながったママ達へのアドバイスが話題となり、各方面への講演会出演依頼が続出。2019年4月現在、8歳の娘、6歳、4歳の息子を育てながら、講演活動、育児雑誌や育児サイトなどへの記事連載など幅広く活動している。 著書に『おだやかママの幸せ子育て法』(シリーズ2冊)、『不安なあなたがゆっくりラクになるメッセージ』(すべて主婦の友社刊)。
「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40000人以上、Facebook公式ページには20000人以上の読者を持つ、作家/子育てアドバイザーLICOさんの連載コラム第8回です。
子育てはひとりでするものではありません。
さまざまな手助けに支えられて子どもと触れ合う。その中でパパに協力を求めることも少なくないと思います。
わたしは今となっては、やってほしいことも、ちょっとカチンときたことも、素直にパパに伝えることができるようになりました。
でも以前は、言いたいことを自分の中で溜め続けてしまっていた時期があります。そして、自分からパパに理解してもらえるようなアプローチを全然していないにもかかわらず
「察してよ」
「言わなくてもわかってよ」
という不満を心に渦巻かせ、こちらが思っているような理想的な行動を取ってくれないパパに、一方的にイライラしてしまうこともありました。
2人目の子どもが生まれて間もない頃、仕事が激務でほとんど家にいなかったパパ。
こちらは2人の育児にてんてこ舞いで余裕もなく、お互い生活リズムのズレと共に気持ちもだんだんすれ違ってしまいました。
あの頃、わたしは自分の記憶が曖昧なほど毎日を必死に、本音を言えば家の中でものすごく孤独を感じ、パパに子育てを期待せず諦めながら過ごしていましたが、期待されず勝手に諦められてしまったパパは、もしかしたらわたし以上に孤独を感じていたのかもしれません。
子育てと共に、家族としても大きく成長させてもらったと感じているのですが、特にパパとは大きなけんかをしたことをキッカケに、たくさんの話し合いを重ねてきました。
その大げんかのおかげで、パパがずっと寂しさを抱えていたことを知ることもでき、そしてわたしも、寂しかった気持ちを伝えることができました。
私たち夫婦が変わることができたのは、わたしもパパもお互いが相手に対して「あなたがそこにいてくれればいい」と思っていたことを認識し合えたことが、大きかったように思います。
以前はパパに対して
「もっとこうしてくれたらいいのに」
「ここが変わってくれたらいいのに」
なんてことを思うこともありました。そして、「普通は〜じゃない?」なんてことを口にして、自分の中の常識を押し付けようとしたこともありました。つっけんどんな言い方をしてしまったり、溜めに溜めて勝手に大噴火、ということも何度もありましたが、今は本当に力を抜いてパパと向き合うことができている印象です。
素直に何でも言えるし、相談できるし、愚痴も言える。相手への文句も言える。
呼吸で会話しているような感覚です。
言いたいこと、伝えたい気持ちが溜まると距離ができます。素直になれなくなります。
そうすると、ますます気持ちの歯車が合わなくなって、
「これ言いたいけど、どうせ伝わらないから言わないでいいや」
と勝手に諦めてしまったり、
「こう言ったら相手に嫌がられるかもな」
と、自分の立場を守ろうとしたり。そんなふうに頭で考えて会話するようになったこともありました。
言いたいことを言い合えるようになって気づいたことは
「伝え方を意識すること」
と、
「言いたいことを我慢すること」
は違うのだということ。
伝えたい内容を我慢して丸飲みすることにエネルギーを使うのではなくて、どうすれば相手が気持ちよく受け取れる言い方になるか、ほんの少し、考えてみる。
ありがとう、助かるよ、お疲れ様、など普段から小さなことでも感謝や嬉しい気持ちを口にすることを心がけていますが、他にもその時の勢いでガーッと言ってしまいそうな予感がする時は(自分のモヤモヤ加減で分かるので)その場では伝えず、ゆったりした気持ちの時や次の日など、気持ちのマグマが沈化してから伝えるように。
また、してほしいこと、手伝ってほしいことは「空気を読んでくれ〜」と念じるのではなくて
「これお願いしていい? その間に私あれ終わらせちゃうから!」
など、言葉で具体的に伝えるようにしています。
「今までは自分がどうしたいかが行動する時の基準だったけれど、今は家族のために自分にできることは何かを考えるようになった。そして、それが自分のやりたいことに変わっていった」
何度も話し合いを重ね、気持ちを伝え合い、改めて一緒に歩み出すことができるようになってからパパに言われた、忘れられない言葉です。
こんな会話からも、わたしたちは時間をかけて親として成長させてもらっていると感じます。
これからも「ありがとう」「ごめんね」を素直に伝えあえるように。パパとの未来を楽しみな気持ちで、歩んでいこうと思います。
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