#06 言葉にならない気持ち
〜言葉にならない子どもの気持ちについて〜
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作家/子育てアドバイザー
作家/子育てアドバイザー
作家/子育てアドバイザー。「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40000人以上、Facebook公式ページには20000人以上の読者を持つ、京都在住アメーバオフィシャルママブロガー。 「子育てを大変だと感じる本当の理由」「夜泣きするきみへ」「ママの毎日」などの記事が爆発的な人気となり、シェアがネット上で120万を超えるなど、その等身大の育児観は圧倒的な共感を呼ぶことに。 各種キュレーションサイトの2015年上半期アクセス数ランキングにおいて、ブログ記事が殿堂入りを果たす。ブログを通じてつながったママ達へのアドバイスが話題となり、各方面への講演会出演依頼が続出。2019年4月現在、8歳の娘、6歳、4歳の息子を育てながら、講演活動、育児雑誌や育児サイトなどへの記事連載など幅広く活動している。 著書に『おだやかママの幸せ子育て法』(シリーズ2冊)、『不安なあなたがゆっくりラクになるメッセージ』(すべて主婦の友社刊)。
「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40000人以上、Facebook公式ページには20000人以上の読者を持つ、作家/子育てアドバイザーLICOさんの連載コラム第6回です。
前回、私の3人の子どもの育児について少しお伝えさせていただきましたが、今回は、私が子どもとのコミュニケーションで大切にしていることについて、書いてみたいと思います。
以前このコーナーで触れた、自分の幼少期の経験、記憶などから、今目の前にいる子どもを眺めると、その子がなぜ泣いているのか、なぜ苦しいのか、なぜそんなことをしてしまうのか、どんな言葉を欲しがっているのか、本当は何を伝えたいのか……など、子どもが心の奥の奥で必死になって握りしめている「言葉にならない想い」が、私にはしばしば透けて見えることに気がつきました。
子どもの気持ちを想像し、言語化し、共有し、共感する。
そうやって子どもの言葉にならない想いに寄り添いたいという思いは、間違いなく自身が経験したことから生まれたもの。
どんなに悪いことをしたり、ひどい言葉を口にしていたとしても、その子が叫んでいるのは「誰か私に、ここにいていいよと言って」「私を助けて」という寂しさであることを知っているからです。
そして、生まれた気持ちは簡単に消えてなくなりはしない、ということも実感しています。
もちろん、時間と共に薄れてゆく想いもありますが「自分はここにいていいのだろうか」という不安は、誰かにその想いを抱きしめ、癒してもらうまでは、その気持ちを手放して前に進むことは、なかなかできません。それでも子どもは、「私を救って」と正確に伝えることができないのです。
そもそもの語彙力が大人に比べて格段に少ないし、自分の気持ちを言語化することがとても困難です。
そして、言語化より難しいのは、今自分の中に生まれた気持ちを「自分で認識すること」。
つまり、子どもは自分の気持ちを自覚できていないことのほうが多いのです。
大人であっても自分の気持ちを自分で正確に把握し、人に伝えることは難しい。
そう感じている方も多いのではないかと思いますが、子どもにとってはなおさら、渦巻く気持ちに名前を付けて説明することは難しいことです。また、自分の本当の願いに気付くことも。
ならば子どもはどうやって自分の気持ちを表現するのかというと、親の注意を引くようなことをするしかありません。
つまり、親を困らせることだったり、親が怒るようなこと。
そうすれば、必ず自分を見てくれると子どもはわかっています。
怒られても、叱られてもいい。それでも自分に目を向けてくれるのならば、そのほうがいい。ないものにしないでほしい。今ここにいる私の寂しさや、今ここにいる私の存在を、ないものにはしないでほしい。
さみしいから、私を見て。
私を信じてほしい。
――私に「ここにいていいよ」って言ってほしい。
と、子どもたちの言葉にならない行動には、そんな切羽詰まった想いが詰まっています。
こうした子どもの発するSOSに周りの大人が気づくのが早ければ早いほど、子どもも親も家族も、早く楽になれます。
「私のことなんて、ママ、嫌いなんでしょう」
そんな想いを子どもにぶつけられることがあるかもしれません。でも、子どもはそれを肯定して欲しくて言っているわけではないのですから、こちらは、
「そんなことないよ」
「そのまんまのあなたのことが大好きだよ」
子どもを思う、こちらの正直な言葉や温もりを、ただただ手渡せばいいだけです。ささくれ立った子どもの心をやわらかくするのは、私たち大人の愛の絆創膏ですよね。
時間をかけて、子どもを丸ごと抱きしめれば、心はちゃんと伝わります。
そして、子どもの声にならない声が、だんだんと耳に届くようになり、親子の気持ちがちゃんと通いあいます。
声にならないたくさんの声が、必要な親御さんたちのもとへと今日も届きますように。
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