#05 きょうだいそれぞれの実がなるように
〜1人を育てるから3人を育てるへ〜
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作家/子育てアドバイザー
作家/子育てアドバイザー
作家/子育てアドバイザー。「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40000人以上、Facebook公式ページには20000人以上の読者を持つ、京都在住アメーバオフィシャルママブロガー。 「子育てを大変だと感じる本当の理由」「夜泣きするきみへ」「ママの毎日」などの記事が爆発的な人気となり、シェアがネット上で120万を超えるなど、その等身大の育児観は圧倒的な共感を呼ぶことに。 各種キュレーションサイトの2015年上半期アクセス数ランキングにおいて、ブログ記事が殿堂入りを果たす。ブログを通じてつながったママ達へのアドバイスが話題となり、各方面への講演会出演依頼が続出。2019年4月現在、8歳の娘、6歳、4歳の息子を育てながら、講演活動、育児雑誌や育児サイトなどへの記事連載など幅広く活動している。 著書に『おだやかママの幸せ子育て法』(シリーズ2冊)、『不安なあなたがゆっくりラクになるメッセージ』(すべて主婦の友社刊)。
「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40000人以上、Facebook公式ページには20000人以上の読者を持つ、作家/子育てアドバイザーLICOさんの連載コラム第5回です。
前回までで、私の子育ての原風景についてお伝えしました。
今回は、実際の、3人の子育てについてを少しお伝えしたいと思います。
現在8歳、6歳、4歳の子どもたちは、全員2歳差のきょうだいです。
もちろんきょうだいなので似ているところもたくさんありますが、3人を育てながら肌で感じることは、個性が1人1人、本当に違うということです。さらに、その違いの面白さ、奥深さを目の当たりにすることで、自分の固定概念をいい意味で壊してもらえたり、価値観をもっと広げてもらえたように思います。
たいていのことはなんとかなると、考え方をゆるゆるにほぐしてもらえたし、違いがある・個性があるって素晴らしいと心から思えるようになったのは、子どもたちと過ごした日々の中で得た宝物です。
前回お伝えしたように、幼少期のわたしは人と比べられることが多くありました。
自分の存在を愛してもらえるように人の評価を気にする癖が子どもの頃から抜けなかったのですが、その自分の苦かった経験があったからこそ、子どもたちを比べたり、親の思い通りに子どもをコントロールすることをしたくないと思ってきました。そしてなにより、子どもたちには「このままの自分で自分はここにいていいんだ」と思える揺るぎない自信を、その心の中に根付かせてあげられたらと。そう願っています。
子どもの成長具合や性格、得意不得意などを比較するのではなく、この子はりんご、この子はバナナ、この子はメロン、のように、それぞれが自分の最高の実をつけられるように、その子のいいところをたくさん見つめ、プラスの言葉を全身に降り注いで、その子の好きなこと、得意なことを伸ばしてあげたいという思いは今も変わりません。
もちろん、初めからすべてがうまくできたわけではありません。
1人目の時は眠れないことがとにかく辛かったし、2人目が生まれた時は1人で2人の子どもを見るということに慣れるまでが大変でした。とくに、2人目が生まれたばかりの頃、夜になると眠くて泣き続ける下の子と、わたしと一緒に眠りたがり「弟を抱っこしないで」と懇願する上の子、2人の寝かしつけがどうにもうまく出来なくて、辛かったことを覚えています。
2人に寂しい思いをさせたくないのに、それが出来ずに泣き疲れて眠ってしまった子どもたちの姿を見て、わたしも涙が止まらずに声をあげて泣いた夜もありました。
この頃はまだパパも仕事が激務でほとんど家にいなかったので、何をするにも一苦労。
でも、子どもたちの成長とともに、わたしはきょうだい育児の幸せをたくさん噛みしめるようになりました。
時に喧嘩もするけれど、2人が一緒に寄り添い、笑い合い、抱き合っている姿は、子どもたちが「家族の中に自分たちの居場所がある」と、どこか安心しているように映り、涙が出ました。
「あなたが大切なんだ」とのメッセージをさまざまな形で意識して伝えてきたことが、間違ってはいなかったのかもしれないと感じることができ、とても嬉しかったのです。
3人目が生まれる前にはパパが転職をして、家族が共に過ごせる時間がぐっと増え、さらには末っ子の面倒を甲斐甲斐しく見てくれる上の2人のおかげもあって、この頃から、家族の絆はさらに深まります。
子どもは何人兄弟であっても、家族の中に自分の存在がちゃんとあるのかを気にしています。
子どもにとって父や母は、それぞれ世界でたったひとりの、大切で大好きな存在です。自分の命をこの世に生み出したその母親が自分の存在を肯定してくれることは、子どもにとって自分の存在証明のすべてと言っても過言ではないほど。
ですから、家事に仕事に慌しい毎日の中で、1日1分でも2分でもいいので、子どもたち1人1人を抱きしめる時間、話を聞く時間、あなたに気持ちを向けているよということが伝わる時間を、積み重ねていきたいものですね。
お読みいただきありがとうございます。
次回に続きます。
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