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【小児科医監修】子どもの鼻水、目やにがすごいときは何科に受診すべきか
受診の目安と考えられる病気について
Profile
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
子どもの鼻水や目やにが出るときには何かの病気か心配になるママもいるでしょう。鼻水と目やにがでるときには小児科を受診するべきか、耳鼻科や眼科それぞれの専門機関でみてもらうべきかを解説します。また、鼻水と目やに、熱などの症状を伴うときに考えられる子どもの病気についても併せてご紹介します。
子どもに鼻水、目やにが出始める
子どもの鼻水や目やにがすごいけれど食欲もあり、元気なときには病院に行くべきか迷う人もいるでしょう。
鼻水や目やにが出るときに考えられる病気と鼻水と目やにで受診するべき目安を詳しく見ていきます。
子どもの鼻水と目やには何科を受診する?
子どもに鼻水や目やに、熱などの症状がみられたときは何科を受診するべきか悩むママもいるかもしれません。
鼻水の症状は耳鼻科、目やにがでるときには眼科とそれぞれの専門家を受診した方がよいかと思うかもしれませんが、まずは小児科を受診しましょう。
小児科は子どもの身体全体の専門家です。症状を総合的にみて治療や処方薬を出してもらえるので、子どもの体調がいつもと違うと感じたらまずは小児科に行くことが適切です。
小児科を受診して、もっと専門的な診断や治療が必要だと医師が判断した場合に耳鼻科や眼科の専門医院を紹介されるケースがあります。
鼻水や目やにで受診する症状の目安
子どもは大人のようにまだ免疫力が十分に備わっていないため、体調を崩しやすいです。
鼻水や目やにが出始めるとどの程度で病院に行くべきか迷う人もいるでしょう。
鼻水や目やにで受診する目安をご紹介します。
鼻水
水のような透明でサラサラした鼻水、黄色や黄緑色で粘り気のある鼻水で苦しそうなときは早めに病院に行きましょう。(かぜの初期は透明な鼻水です。)
また、水のような透明でサラサラした鼻水でも熱や咳を伴ったり、症状が長引く場合には受診が必要です。
目やに
目やにと目の充血は子どもによく見られる症状です。
子どもに目やにが出たときには、ガーゼで優しくふき取ってあげるとよいでしょう。目やにの量がいつもより多く、痛みやかゆみを伴う場合や目やにだけでなく、白目の充血がひどいときには、ウイルスや細菌が感染している場合が考えられます。
また、花粉などが目に入ってアレルギー反応を起こすと、目やにが大量に出ることがあります。
目やに以外にも痛みやかゆみの症状が見られたり、同じ時期や環境で症状が強く出たり、長引く場合にはアレルギーの可能性もあります。
正しい治療が必要になるので、すぐに受診しましょう。
鼻水・目やに・熱を伴う子どもがかかりやすい病気
鼻水と目やにだけでなく、熱が伴う場合には以下のような病気かもしれません。
咽頭結膜熱(プール熱)
咽頭炎結膜熱は、発熱、目の充血、目やに、のどの痛みなどの症状が出ます。
1日の間に37℃から38℃程度の熱と39℃から40℃の高熱をいったりきたりして4日程度続きます。
夏はプールで感染が広がる場合が多く、プール熱とも呼ばれています。
はしか
鼻水や目やに、熱など風邪の症状に発疹が現れるのが特徴です。
熱は38℃から39℃の高熱が出て、鼻水や目やには3日から4日程度続きます。
発熱して3日から4日経つと熱は37℃代に下がるケースが多いですが、再び高熱になり、目の充血や声のかすれなどの症状が強くなります。
鼻水・目やには出るけれど熱なしの子どものかかりやすい病気
鼻水や目やには気になるけれど、熱なしの場合はどのような病気が考えられるでしょうか。
流行性角結膜炎(はやり目)
流行性角結膜炎は、鼻水や目やに、涙目、目の異物感があります。
リンパ節の腫れなどの症状が現れますが、熱は出ません。
中耳炎
鼻水が黄色や緑、茶色など色のついているときはバイ菌が入っている可能性があります。そのまま放置すると中耳炎になるかもしれないので注意が必要です。
子どもの体調不良のときはまずは小児科を受診しよう
子どもが体調を崩して、鼻水や目やにが大量に出ると心配になりますよね。
鼻水だけや目やにの症状が目立つと、耳鼻科や眼科とそれぞれの専門家で診てもらった方がよいと思うママは多いかもしれませんが、鼻水や目やにが気になるときでもまずは小児科を受診しましょう。
黄色や緑色の粘り気のある鼻水や鼻水に熱や咳の症状が伴う場合には、はしかや中耳炎に感染している可能性があります。
また目やにが大量に出たり、目やにだけでなく痛みやかゆみ、目の充血が伴う場合は、咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎(はやり目)にかかっている可能性が考えられます。
小児科を受診して、より専門的な診断や治療が必要だと判断されると、耳鼻科や眼科を紹介されるケースがあります。
小児科は子どもの身体全体の専門家なので、鼻水や目やになどの部分的な症状が気になるときもまずは小児科でしっかり見てもらうと安心です。
監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)
Profile
眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。