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【小児科医監修】離乳食時期の赤ちゃんの便秘。判断基準の目安や便秘によい離乳食とは
離乳食が開始するとなぜ便秘になりやすいのか
Profile
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
離乳食が始まり、赤ちゃんの便秘に悩むママもいるかもしれません。便が硬いなど赤ちゃんが便秘気味のときは、どのような離乳食を作るとよいのでしょう。今回は、離乳食時期の赤ちゃんの便秘の原因や判断の目安、便秘によい離乳食について解説します。
離乳食中の赤ちゃんの便秘
離乳食がはじまると、赤ちゃんの便の硬さが気になったり、便秘に悩まされることもあるかもしれません。便秘の原因以外にも、判断基準の目安や離乳食を続けてよいのか気になることもありますよね。また、便秘によい食材を使った離乳食にはどのようなメニューがあるのでしょうか。
今回は、離乳食中の赤ちゃんの便秘の原因、判断基準の目安や便秘によい離乳食について解説します。
便秘の原因
離乳食を食べるようになると、赤ちゃんの便にも変化が現れ、少しずつ大人と同じような便になっていきます。母乳やミルクだけを飲んでいた頃に比べると、水分の摂取量が減るため、便が硬くなったり、回数が減ったりして便秘になることがあります。
また、消化器官が未熟な赤ちゃんは、食べたものをうまく消化できずに便秘になってしまうことがあります。便秘にすぐ気づけるように、普段から赤ちゃんの便の様子や回数について気にかけておくとよいでしょう。
便秘の判断基準の目安
赤ちゃんの便秘を判断する目安が気になるママもいるかもしれません。便秘の判断基準の目安について解説します。
便が何日も出ない
何日も続けて便が出ない場合は、便秘になっていることがあります。赤ちゃんによっては、2日に1回、3日に1回排便するということもあり、排便リズムには個人差があるため、普段の便の回数を目安に考えることが大切です。
排便回数がつかめないうちは、育児日記やスマートフォンなどに記録しておくと把握しやすいかもしれません。その際、便の形状などもあわせて確認しておきましょう。
便が硬い
便が硬いときや、ころころした形状、いつもより量が少ない場合は、便秘気味になっている可能性があります。便が硬くなると、なかなか排便できずに苦しくなり、いきむときに激しく泣く赤ちゃんもいます。また、便が硬いと、排便時にお尻の穴が切れてしまうこともあるので注意が必要です。
離乳食を食べなくなる
赤ちゃんが便秘になると、離乳食の食べ進みが悪くなったり、母乳やミルクをあまり飲まなくなったりすることがあります。食欲がいつもより減り、便が何日も出ていない場合は、注意が必要です。早めに医師に相談をしましょう。
機嫌が悪い
赤ちゃんが機嫌が悪いときにはさまざまな理由が考えられますが、便秘が原因の場合もあります。便の回数が少なかったり、お腹をさわってみて硬い場合は、便秘気味になっているかもしれません。赤ちゃんの様子をみながら早めに対処することが大切です。
便秘によい離乳食
赤ちゃんが便秘気味になったときには、どのような離乳食を作るとよいのでしょう。食事の工夫で便秘にならないように対処できると嬉しいですよね。便秘によい離乳食を作るときのポイントを解説します。
水分が取れるもの
水分は便を柔らかくしてくれる働きがあります。赤ちゃんが便秘気味のときは、水分が取れるメニューを離乳食に取り入れることが大切です。おかゆの水分量を増やすなど調理方法を工夫したり、スープにするなどメニューを工夫しましょう。
オレンジジュース プルーンジュースなども便秘によいとされています。果汁100パーセントのものか、みかんなどの果物を直接絞って与えましょう。
食物繊維が含まれるもの
食物繊維は、便秘によいだけでなく、近年「第六の栄養素」として注目されています。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。主に果物や海藻などに含まれる水溶性食物繊維は、便を柔らかくし、さつまいもや大豆などに含まれる不溶性食物繊維は、腸の働きを促してくれる働きがあります。
食物繊維は多ければ多いほどよいということではありません。2種類の食物繊維を、バランスよく離乳食に取り入れることが大切です。
消化のよいもの
赤ちゃんが便秘気味のときは、消化のよい食材を離乳食に取り入れることが大切です。ヨーグルトやバナナ、すりおろしたりんごなどは消化しやすく便秘のときに食べるとよい食べ物です。
また調理の際、小さくしたり柔らかくしたりすると消化しやすくなります。消化に悪い油の使用は、できるだけ少なくしましょう。
便秘にならないように離乳食を工夫しよう
離乳食が始まると、母乳やミルクの摂取量が減るため、便が硬くなったり、回数が減って便秘になることがあります。また、消化機能が未熟なため、離乳食がうまく消化できず便秘になることもあるようです。
便が続けて何日も出ない場合や、便が硬い場合は便秘になっている可能性があります。排便リズムには個人差があるため、赤ちゃんの様子をみながら判断をすることが大切です。食欲がない、いきむときに泣くなど赤ちゃんの様子が心配なときは、早めに病院で受診しましょう。
便秘によい離乳食は、水分量、食物繊維、消化のよさがポイントになります。調理方法やメニューを工夫しながら取り入れましょう。普段から、栄養バランスのよい離乳食作りを心がけることが大切です。
監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)
Profile
眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。