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沐浴するときの注意点とケア方法
Profile
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
産院を退院後、自宅での沐浴が始まると、沐浴の時間について悩むママやパパも少なくありません。1回の沐浴の時間や手順、注意点、沐浴後のケアについて解説します。また沐浴におすすめの時間帯や、日によって朝や夜など時間帯を変更したり、バラバラの時間帯でもよいのかなどを小児科医監修のもとご紹介します。
沐浴の目的
新生児の沐浴の目的には以下のようなことがあります。
- 新生児の身体を清潔に保つ
- 血行促進を促す
- 赤ちゃんの全身を観察する
- スキンシップになる
赤ちゃんの身体の血行を促進し、清潔に保ちます。毎日沐浴することで、おむつかぶれや湿疹、あせもなど赤ちゃんの身体に変化があったときにすぐに気づくことができ、病気の予防もできます。
赤ちゃんの身体を清潔にしながらママやパパと赤ちゃんのスキンシップがとれる時間でもあります。
沐浴は時間や手順に気を配って行うのが大切となるので、注意点をみていきましょう。
沐浴に適した時間
1回の沐浴時間は5~10分程度を目安にし、赤ちゃんが湯冷めをしないようにしましょう。
沐浴はママやパパが思っている以上に赤ちゃんの体力を使うので、短時間で済ませるように心がけることが大切です。
短時間で済ませられるように以下の注意点をふまえて沐浴を進めておくとよいでしょう。
沐浴の注意点
食後1時間は控える
食後すぐに沐浴をすると、赤ちゃんが吐き戻しをしてしまうことがあります。食後1時間の沐浴は避け、時間をおいてお腹の調子を整えてから沐浴するようにしましょう。
バスタオルや着替えの準備
沐浴後に赤ちゃんを寝かせ、身体をすぐに拭けるようにバスタオルを広げて準備しておくとよいでしょう。肌着や洋服を開いた状態で置いておくと沐浴後の赤ちゃんの着替えがスムーズです。
赤ちゃんが湯冷めをしないためにもバスタオルや着替えなどを事前に準備しておくことをおすすめします。
丁寧に洗う部位
赤ちゃんの首や脇、ももの付け根はしわが多いため特に汚れがたまりやすいです。汚れがたまりやすい部分はしわを伸ばしながら丁寧に洗うと汚れがよく落ちます。
短時間で沐浴を終えられるように手順をしっかり頭に入れておきましょう。
沐浴の手順
まずは、ベビーバスなどにお湯をためます。お湯の温度は、体温より少し高めの38度前後を目安にします。
沐浴布に赤ちゃんをくるんだら足からそっとお湯に入れます。沐浴布で赤ちゃんをくるんだり、ガーゼをお腹に被せたりすると沐浴を怖がる赤ちゃんも安心して入れるようです。
次に、赤ちゃんの身体を洗う順序を紹介します。
- まずは顔を洗う
- 頭を洗う
- 首、腕、脇、お腹、足を洗う
- 股間を洗う
- 最後に上がり湯をかける
顔を洗うときには、ガーゼで優しく目やになども丁寧にとっていきます。次に頭を洗い、顔から遠ざかっていくイメージで、首、腕、脇、お腹、足を洗っていきます。
頭は、ゴシゴシし過ぎず耳のなかに水が入らないように注意しましょう。
沐浴後のケア
新生児の沐浴後は正しいケアが必要です。沐浴後のケアにはどのようなことがあるのでしょうか。
スキンケア
沐浴後は、赤ちゃんの身体が乾燥しないようにスキンケアが大事です。水分をふき取ったあとにベビーローションやなどで赤ちゃんの身体を保湿しましょう。
オーガニックなものなどベビーローションにもさまざまな種類があるので赤ちゃんが落ち着ける香りや肌に合ったベビーローションを見つけられるとよいですね。
へその緒の消毒
退院時はへその緒がついたままになっていて、へその緒がとれるまでは個人差がありますが、大体1週間程度かかります。へその緒がとれるまでは沐浴後に毎日へその緒の食毒が必要です。
綿棒に消毒液をつけて、おへそを消毒したら、乾燥させます。おへそがしっかり乾燥したら、ガーゼで覆います。
おへそ部分が出血している場合、少量であれば消毒をして様子をみてもよいですが、出血が止まらなかったり、出血しているときに赤ちゃんの機嫌が悪かったり、泣いているときには早めに病院に行きましょう。
水分補給
沐浴はママが思っているよりも赤ちゃんの体力を使います。汗をかくと身体の中の水分も不足しがちになるので脱水症状に注意が必要です。
沐浴後は、授乳などを行って水分補給を忘れずに行いましょう。
沐浴におすすめの時間帯
沐浴は午前と午後どちらにするべきか悩むママもいるでしょう。基本的には午前と午後どちらに沐浴させてもよいです。
赤ちゃんの生活リズムをつけるため、夜遅い時間は避け、時間帯がバラバラにならないようにできるだけ毎日同じ時間帯を沐浴時間としておくとよいかもしれませんが、赤ちゃんの昼寝のタイミングや機嫌のよいときに入れればよいでしょう。
沐浴で赤ちゃんの生活リズムをつけよう
沐浴は、赤ちゃんを清潔に保ち、全身の健康状態を確認できるだけでなく、ママやパパと赤ちゃんがスキンシップもとれる大切な時間です。ですが、思っている以上に赤ちゃんの体力を使ったり、肌が乾燥するので、沐浴後はスキンケアや水分補給などをしっかり行うことが大切です。
沐浴は朝でも午後でもどちらの時間帯に行ってもよいですが、バラバラな時間帯に行うのではなく、夏は涼しくなった夜、冬は身体を冷やさないように朝に行うなど決められた時間に短時間で行うのがポイントです。
沐浴の手順を確認し、沐浴後は赤ちゃんの身体をすばやく拭いて湯冷めをさせないように、身体を拭く場所や着替えを事前の用意をしておく工夫が重要です。
赤ちゃんにたくさん声かけをしながら、赤ちゃんにとってもママやパパにとっても気持ちのよい沐浴の時間が過ごせるようにしましょう。
監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)
Profile
眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。