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【耳鼻科医監修】中耳炎の症状や原因は?急性中耳炎の子どもの様子や治療について
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エムズクリニック白金 院長/耳鼻咽喉科専門医/補聴器相談医/産業医/健康スポーツ認定医
エムズクリニック白金 院長/耳鼻咽喉科専門医/補聴器相談医/産業医/健康スポーツ認定医
エムズクリニック白金 院長。日本大学医学部卒業。日本大学医学部付属板橋病院にて初期研修。慶應大学耳鼻咽喉科入局後、東京都済生会中央病院、国立成育医療研究センター、山王病院に出向。わかりやすく、丁寧な診察を心がけ、お子様からお年寄りまで安心してかかれるクリニックを目指している。
子どもや幼児に多い病気のひとつ、急性中耳炎はプールの水が耳に入ることが原因と聞いたことはありませんか。急性中耳炎の真の原因や中耳炎が悪化する理由、症状や子どもの様子などを解説します。また中耳炎にかかったときは、いつからプールやお風呂には入れるのか、注意点や対策についてもご紹介します。
中耳炎とは?
中耳炎とは音を感知する耳の内部、鼓膜の奥にある「中耳」に膿がたまると、起こる病気です。中耳炎は感染症ではありませんが、鼻水を伴う風邪や感染症などがきっかけでかかることが多いため、風邪の季節などには注意が必要です。
中耳炎の種類
中耳炎にもいくつか種類があります。中耳炎の種類によって、症状や治るまでの期間が異なります。
急性中耳炎
急性中耳炎は、中耳炎のなかで最も一般的なものです。早期に病院でしっかり治療をすると、数日~10日程度で治ることがほとんどです。
慢性中耳炎
中耳炎を治療せず放っておいたり、急性中耳炎を繰り返すことで炎症が慢性化し、慢性中耳炎になります。慢性中耳炎になると炎症は、中耳だけでなく、鼓膜にまで影響を与えているケースがほとんどです。
滲出性中耳炎
滲出性中耳炎は、膿ではなく滲出液が中耳にたまります。滲出液とは、細菌性の炎症を起こしたときに、出てくる液のことです。滲出性中耳炎は、ほとんどのケースで急性中耳炎が治ったあとに起こります。痛みはほとんどなく、自然に治る場合が多いですが、鼓膜の奥に滲出液がたまって症状が悪化すると、聞こえが悪くなり、鼓膜を切開したり、鼓膜にチューブを入れる手術での治療になる場合もあります。
中耳炎のなかでも、子どもがかかりやすく慢性中耳炎や滲出性中耳炎の前段階である、急性中耳炎の原因や症状、注意点について詳しく見ていきましょう。
急性中耳炎の原因
中耳炎は、細菌やウイルスが耳管を通り、中耳に感染して起こる病気です。乳幼児は大人と比べて、耳管が短く、まっすぐなため、鼻やのどから影響を受けやすい傾向があります。風邪をひいて、免疫が落ちているときなどは鼻やのどで起こった炎症の細菌が耳管を通って中耳に入りこみ、急性中耳炎を起こします。
なかには、子どもが夏に中耳炎になりやすいのはプールの水が耳に入るからという説を聞いたことのあるママやパパもいるかもしれません。しかし中耳炎は耳の中にプールの水が外耳道から入ることが原因でかかることはありません。
鼻を上手にかめない子どもが鼻水をすすったときなどに病原菌が耳管を通じて中耳に入ることでかかりやすくなります。
急性中耳炎の症状
中耳炎になると、以下のような症状がみられます。
・発熱
・痛み
・耳だれ
・耳鳴り
大人が急性中耳炎になると、違和感や痛みはあっても発熱することは少ないでしょう。一方、幼児の急性中耳炎の大多数のケースで発熱が見られます。
子どもの中耳炎に気づくには、子どもの様子をよく見ることが大切です。
急性中耳炎のときの子どもの様子
幼児は、言葉で症状を伝えることが難しいため、発熱や痛みで機嫌が悪くなったり、耳をやたらに触ったり、違和感を訴えるなどの様子を見せるでしょう。ほかにも耳垂れがある、耳が臭いなどの様子が見られたら急性中耳炎を疑ってみましょう。
一方、耳垢がたまっていると中耳炎でなくても、耳に違和感を訴えることもあります。中耳炎のなったときに様子の違いに気づいてあげられるように、普段から子どもの耳垢は適度にケアしてあることが望ましいでしょう。自宅で耳掃除を行うと、耳垢を奥に押し込んでしまうこともあるため耳鼻咽喉科に定期的に受診して掃除しましょう。
ほかにも子どもが中耳炎と診断されたときは、どのようなことことに注意をすればよいのでしょうか。
中耳炎になったときの注意点
安静にする
中耳炎で痛みや発熱があるときには、安静にすることが大切です。激しい運動は控え、刺激を与えないようにしましょう。
鼻のかみ方に注意する
幼児の中耳炎の多くは、鼻水をすすることで細菌が耳に感染して引き起こされるため、鼻水はすすらずに外に出すことが大切です。鼻のかみ方も、勢いに任せて強くかまずに、そっと左右交互にかむように伝えましょう。
子どもに鼻のかみ方を言葉で伝えても理解することが難しいかもしれないので、ママやパパが鼻をかむところを見せて教えるのがよいでしょう。
入浴は様子を見て入る
子どもが中耳炎と診断された場合でも、痛みや発熱などの症状が落ち着けば、入浴に問題はありません。
痛みがあるときには冷やす
子どもが耳を激しく痛がるときには、保冷シートや保冷剤をタオルに包んで耳の周りを冷やしてあげてください。冷やすことで痛みが少し落ち着きます。
それでも、痛がる場合には、一時的に鎮痛剤を飲んでもよいですが、きちんと病院で診てもらいましょう。
完治まで治療する
痛みがなくなっても、膿や滲出液が残っていることがあります。その状態で、治療をやめてしまうと、中耳炎を再発したり、慢性中耳炎や難聴を引き起こすかもしれません。
痛みがなくなったからと、自己判断で治療や服薬をやめずに医師の判断で完治まで治療を続けることが大切です。
プールは医師の許可が出てから
中耳炎のときにプールに入ると、プールの消毒液や雑菌がのどや鼻の粘膜を痛めて、中耳炎が悪化したり、治りが悪くなる場合があるため、医師の許可が出るまで控えましょう。
治癒直後は、医師の許可が出ても、長時間プールに入ることや、潜って思い切り泳ぐことは控えたほうがよいです。
中耳炎は、早めの治療でしっかり完治させよう
中耳炎は細菌やウイルスが耳のなかに入ることが原因でおこる病気です。中耳炎にも種類があり、治療で比較的早く治る急性中耳炎が知られていますが、放っておくと症状が悪化したり完治までに時間がかかることがあるため、早めの治療開始が重要です。
子どもに中耳炎の可能性があるのに、耳垢がたまっていると様子に気づいてあげるのが難しくなります。中耳を傷つけないように耳垢はなるべく耳鼻咽喉科電話除去しましょう。
子どもは、耳管の発達がまだ未熟であったり、鼻水を自分で上手にかむことが難しいため、中耳炎にかかりやすく注意が必要です。ママやパパが鼻のかみ方を教えてあげたり、のどや鼻の風邪をひいたときは、急性中耳炎を併発していないか子どもの様子をよく見てあげましょう。
監修:三塚沙希(エムズクリニック)
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三塚沙希
エムズクリニック白金 院長。日本大学医学部卒業。日本大学医学部付属板橋病院にて初期研修。慶應大学耳鼻咽喉科入局後、東京都済生会中央病院、国立成育医療研究センター、山王病院に出向。わかりやすく、丁寧な診察を心がけ、お子様からお年寄りまで安心してかかれるクリニックを目指している。