子供のやる気スイッチを探してはいけない…小学校教員が勧めるズボラな子もやる気を起こす"最初の5分"儀式

子供のやる気スイッチを探してはいけない…小学校教員が勧めるズボラな子もやる気を起こす"最初の5分"儀式

なぜ新しいことを始めても三日坊主になってしまうのか。やる気を出し、継続するためにはどうしたらいいのか。現役小学校教員のぞう先生は「押せば誰でもやる気が出るスイッチはありません。でも、自らやる気は起こすことができます」という。その秘訣を公開しよう――。 ※本稿は、ぞう先生『うちの子、脱・三日坊主宣言!』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。

そもそも人間は継続できない生き物

まず、継続のコツを知る前にどうして人間は継続できないのかということについてお話しします。

Xでこんな質問をしました。

「あなたは継続が得意ですか? 苦手ですか?」

結果は、得意が27.5%、苦手が52%、どちらでもないが20.5%でした。

僕のアカウントは継続している人へ向けてなので、どちらかといえば熱心な方が多いのですが、どちらでもないを含めると70%以上の人が継続が苦手だと答えました。

では、なぜ人間は継続が苦手なのか? それは人間の本能に由来します。

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出典=『うちの子、脱・三日坊主宣言!』(総合法令出版)

すべての人間には、生まれたときから「生存本能」があります。文字通り生きようとする本能です。狩りの時代、食べ物が豊富にある場所にいるとき、人間は別の場所に行こうとはしませんでした。なぜなら、別の場所に行くと食べ物がないかもしれないからです。食べ物がないと飢え死にしてしまいます。さらに移動中、獣に襲われて死ぬ可能性もあります。狩りの時代に移動することは、かなりリスクが高いことだったのです。それならば、新しい場所へ行きたい欲求を抑え、食べ物がなくなるまでその場所から離れないのが得策です。

このような生存本能から人は新しいことや変化を嫌う習性がもともと兼ね備えられているのです。だから新しいこと、つまり新たに何かを始めようとするとき、脳がそれを嫌うのです。違和感として出てきます。これは誰もが当てはまります。

継続ができない理由は、新しいことや変化を嫌う習性によるものです。だから継続できないのは、あなた自身やあなたのお子さん自身が悪いわけでは決してありません。

実は人の行動のほとんどは習慣化されています。一日の流れを見てみましょう。

朝起きてから家を出るまで何をしますか? 多分ほとんどの人が毎日同じことをしているのではないでしょうか。僕の場合は、起きたらすぐトイレに行きます。その後、手と顔を洗い、白湯さゆを一杯飲みます。お湯を沸かしコーヒーを入れ、朝ご飯を食べます。

このように人は習慣で行動し、新しいことや変化をできるだけしないようにインプットされているのです。だから、自分で決めた目標ややりたいことであっても、三日坊主ですぐやめてしまうのです。

このことを知っているのと知らないのとでは雲泥の差があります。継続すること自体が人間の苦手なことであるとわかっていれば、対策を立てられます。それを知らないとついつい自分には向いていないという方向に行ってしまいます。

継続することは自然にできることではありません。もしも継続が自然にできるのであれば、誰も苦労せず夢や目標を叶えているでしょう。コツコツと毎日継続できないから挫折してしまうわけです。

夢や目標が叶わないのは、途中で継続することをあきらめてしまっているからなのです。

まとめ:継続できないのは、あなたのせいではない

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https://kidsna.com/magazine/article/education-upbringing-210811-00012548

2024.04.19

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