子どもが自分自身で「きもち」への理解を深められる絵本が刊行
世界15の国と地域で翻訳が決定している、「ブック・オブ・ザ・イヤー2020」、「最も美しい本2020」ノミネートの、「きもち」を描いた美しい作品
「河出書房新社」から、ポーランド発の絵本「〈きもち〉はなにをしているの?」が発売。
私たちの中には〈よろこび〉〈かなしみ〉〈にくしみ〉といったさまざまな〈きもち〉がある。では、その〈きもち〉が普段どんな顔をして、何をしているのか知っているだろうか。
コロナ禍のストレスや不安が、子どもたちの心身に大きな影響を及ぼす中、大人がケアしてあげるだけでなく、子ども自身が〈きもち〉に向き合う方法を身につけることも必要。
この作品は、子どもにとってはまだ名前もわからない、未知の存在であるさまざまな〈きもち〉に、美しくも風変わりな生き物の姿が与えられ、瑞々しく詩的な言葉が添えられた絵本となっている。
翻訳は、数々の文学賞を受賞している森絵都(もり・えと)氏によるもの。時間をかけてひとつひとつつふさわしい言葉を吟味し、磨き上げた短い文章の中には、〈きもち〉それぞれをみつめるやさしい視線、いつくしむ思いが込められている。
作者の住むポーランドでは発売後すぐに重版となり、現在15の国と地域での翻訳出版が決定。「ブック・オブ・ザ・イヤー2020」、「最も美しい本2020」にもノミネートされるなど、世界中で注目を集める作品だ。
「毎日息をしていると、いろいろなきもちを旅する。まるくなったりとんがったり、形をころころと変えてばかり。でもそのきもちのすべてを、抱きしめてあげてもいいかなと思えた。」と、女優・上白石萌歌氏も推薦。
書店員の方からは、「表に出てこない間の気持ち達が自分の中でこんな風にいてくれているんだと思ったら、何だか大事にしてあげたくて、いとおしい気持ちになる」「大人でも言葉にしようと思うとむずかしい気持ちの説明が、シンプルな表現でしっかりと伝わってくる」「ページをどんどんめくるうちに、〈きもち〉ってこんなにたくさんあったっけということに驚かされる」などの声が寄せられている。
子どもから大人まで、読後には自分自身にも少しやさしくなれる、大切な人への贈り物にも最適な1冊。
ぜひ子どもといっしょに読みながら、森絵都氏の名訳により生き生きと動き出す、いろんな〈きもち〉の存在を知り、うまくつき合う方法を見つけてみては。
〈きもち〉はなにをしているの?
文/ティナ・オジェヴィッツ
絵/アレクサンドラ・ザヨンツ
訳/森絵都
対象年齢/3才から大人まで
河出書房新社刊 2,002円(税込)
問い合わせ先/河出書房新社