“思春期のもやもや”を攻略する、小学生向けの性教育本が発売中
精神科思春期病棟での勤務経験があるシオリーヌ氏が、思春期のお悩み55個にQ&A方式の解説やコラムでしっかりアドバイス。子どもたちやその保護者の手に取りやすさを重視し、ゲームの攻略本をイメージしたカバーデザインで、そのカバーを外すとどんな内容の本かわからない表紙という仕様の性教育本
「小学館クリエイティブ」から、小学生向け性教育本「もやもやラボ キミのお悩み攻略BOOK!(以下、もやもやラボ)」が発売中。
著者は、YouTubeで性教育を発信するシオリーヌ氏で、思春期を迎えた小学校高学年の児童が抱える性の悩みなどに答える。
コロナ禍の10代妊娠相談件数増加や生理の貧困など、子どもの「性」や性教育に関するニュースを耳にする機会が増えた近年。その背景には、日本の性教育が遅れているという現状がある。
国際的な性教育の枠組みとして、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が公開している「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」。その内容は、生殖や性行動だけではなく、人間関係や人権、ジェンダー、価値観など多岐にわたり、ヨーロッパ各国や中国・韓国・台湾などでは、このガイダンスを踏まえた性教育を進めている。
このガイダンスでは9~12歳の段階で、どのように妊娠するのか、避けるための具体的な方法(避妊法)にはどのようなものがあるかを知ることが目標とされているが、日本の学習指導要領では、中学校でも性交・避妊は扱わないことになっている。
日本では「寝た子を起こすな」という風潮があるが、一方で早い段階から隠さずに適切な性教育を受けた場合、性交年齢は早まらず、むしろ慎重になるという研究結果も出ている。
「性教育」は自分のことを守り、相手を尊重することを学び、子どもたちが自分で正しい選択ができるようになるためのもの。
ただ、そう理解して性教育の必要性を感じていても、やはりハードルが高いと感じる、とくに思春期を迎えた子どもに面と向かって性の話はしづらいという家庭も多いだろう。
そこで、「もやもやラボ」はあえて「性教育」とはうたわずに、思春期の悩みに答えるというかたちをとり、子どもたちやその保護者の手に取りやすさを重視。「思春期を攻略する」というコンセプトでゲームの攻略本をイメージしたカバーデザイン、そのカバーを外すとどんな内容の本かわからない表紙という仕様になっている。
著者は、助産師や思春期保健相談士の資格をもち、精神科思春期病棟での勤務経験も。
そこで感じた子どもたちの不安やYouTubeに寄せられる相談をもとに、思春期に抱える55個の悩みに対してアドバイスする。
Q&A方式で友だちや親との関係、身体の成長に関する疑問、人には聞きづらい悩みなどを扱い、またジェンダーや生理のしくみなど「これは大事!」というポイントはコラムでしっかりと解説。
子ども自身が自分で読めるのはもちろん、子どもに相談されたときの参考にもなる、保護者にも読んでもらいたい1冊となっている。
「子どもへの性教育はハードルが高い」という人のための、「性教育=生殖や性行動のこと」だけではないことを伝える本を、この機会にぜひチェックしてみては。
もやもやラボ キミのお悩み攻略BOOK!
著/シオリーヌ(大貫詩織)
小学館クリエイティブ刊 1,100円(税込)
問い合わせ先/問い合わせ先/小学館クリエイティブ マーケティング部
tel.03-3288-3761