シュタイナー教育とは?理念や特徴、幼児期の家庭での取り入れ方

シュタイナー教育とは?理念や特徴、幼児期の家庭での取り入れ方

シュタイナー教育について興味がある保護者の方は多いかもしれません。子育てのなかで方針に迷ったり、さまざまなアプローチを試したりしたい方もいるでしょう。シュタイナー教育についての基本を見ていきながら、理念を理解して家庭で取り入れる方法について考えます。

シュタイナー教育とは?

「シュタイナー教育」とは約100年の歴史がある教育法です。ドイツを中心にヨーロッパやアメリカなど60カ国で取り入れられています。


主に学校教育や保育などの現場で実践されているメソッドで、シュタイナー教育のカリキュラムを取り入れている学校は、世界で1000校以上とも言われています。


理念としては、ひとりひとりの個性を尊重し、身体・心・頭をバランスよく育てることを大切にしており、0~7歳までは身体、8~14歳までは心、15~21歳までは頭を育てることを重要視しています。


その理念にならい、シュタイナー教育を取り入れている教育現場では、木や布などの自然素材を加工や装飾をしない教具やおもちゃを使用したり、「ライアー」や「グロッケン」といった本物の楽器に子どものうちから触れたりするカリキュラムなどが実施されているようです。


日本でのシュタイナー教育は、1980年代に不登校児童が通うフリースクールなどが取り入れる形で浸透しました。現在は普遍的な教育法として、幼児教育から高等教育まで幅広く展開されています。


このようなシュタイナー教育のエッセンスを、幼児期のうちに取り入れるためのヒントについて見ていきましょう。


おうちシュタイナー教育 おもちゃ選び・使い方

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子どもの手に触れるものは自然素材という原則は、シュタイナー教育で重視されている要素です。


木や木の実、土や落ち葉など自然にあるもの、また加工されていない1枚の布などをさまざまなものに見立てて自由な発想で遊びながら、創造力や思考力を養います。


シュタイナーの理念を理解したうえで、自然なものに近い素朴なアイテムを選んで日常の中に取り入れてみましょう。


家庭でも取り入れられる選び方・使い方のヒントになる、シュタイナー教育が提唱するおもちゃを紹介します。


みつろう

シュタイナー教育では、みつろう粘土やみつろうクレヨンが使用されます。

「みつろう」とは、ミツバチの巣のもとになるロウを精製したもので、粘土やクレヨンとしては固いため手であたためながら使う必要があります。


みつろう粘土の感触に集中しながら作品作りをすることで、感覚を研ぎ澄ませることができます。


手のぬくもりで時間をかけて、やわらかくして使う粘土です。自然の滅菌作用がある天然素材のみつろうに触れる機会をつくりましょう。

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ウォルドルフ人形

シュタイナー教育のシンボルとも言える、やわらかい手触りの手作り人形です。

ウォルドルフは、シュタイナー教育を教育を導入した学校として世界で最初に開校したドイツの「ウォルドルフ学校」からきています。


目や口といった顔のパーツは、あえて表情が分かりにくいように作られています。

フラットな表情から子どもたちがそれぞれ「喜んでいる」「悲しんでいる」とイメージをふくらませ、話しかけることで、想像力を働かせながら遊ぶことができます。

ウォルドルフ人形は手作りするのが基本です。この商品は、コットン生地や髪の毛になる毛糸などがセットされたハンドメイドキット。世界にひとつのウォルドルフ人形が作れます。

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楽器

音楽を使った独自のメソッドで他者との調和を大切にする心を育む手法も、シュタイナー教育の特徴のひとつです。


特に、天然素材を使用した木製楽器がおすすめです。5種類の音から構成される音階「ペンタトニック」の楽器を取り入れると、よりシュタイナー教育の理念に近づくことができるでしょう。

アカシア製の音板とカバ材による台座が調和したシロフォン。軽やかで優しい響きが特徴です。レ・ミ・ソ・ラ・シ・レ・ミの7音からなるペンタトニックスケールです。

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おうちシュタイナー教育 自然の中で遊ぶ

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シュタイナー教育では、天然の素材に触れたり、木や土、落ち葉や木の実などを使ったりする「想像の余地がある遊び」が推奨されています。


外遊びの際には遊具のある公園だけではなく、森や広場のある自然公園などもセレクトしてみましょう。


季節ごとの変化を楽しみながら、自然のままのものを何かに見立てて遊ぶことで、発想力、創造性、思考力などが刺激されます。

野外で拾った木材や木の実などでごっこ遊びをしたり、子どもと一緒に手作りおもちゃを作ってみたりするのもよいかもしれません。


また、シュタイナー教育では幼児期は身体を作る時期と考えられています。自然の中でできるだけ身体を使った遊びを取り入れることも大事です。

幼児期をどう過ごす?シュタイナー教育から学ぶこと

情報があふれる中、子どものイマジネーションを阻害しないおもちゃ選びや遊び方にこだわりたいという方もいるでしょう。


そんな思いを持つ保護者の方は、シュタイナー教育の要素をポイントで取り入れる「おうちシュタイナー」を試してみてはいかがでしょうか。


幼児期のうちに意識的に創造性・想像力を育てるには、世界の歴史ある教育法から学んでみるのがよいかもしれませんね。

出典:創造力・想像力を育てるシュタイナー教育のおもちゃとは

2024.01.07

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