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里帰り出産をしない理由。よかったことや大変だったこと、乗り越える方法
長距離移動への不安などさまざまな理由で、里帰り出産をしないという選択を考えている方もいるでしょう。里帰り出産しない場合は何が大変なのか、どう乗り越えればよいのか知りたい場合もあるかもしれません。今回は実際に里帰りせず出産した方たちに、メリット・デメリットやそれぞれのストレスについてなど、体験談を聞きました。
里帰り出産しない理由
里帰り出産をしないと決めた方は、どのような理由から選択したのでしょうか。その理由を聞いてみました。
実家の都合
30代ママ
20代ママ
実母が体調を崩しがちだったので、新生児のお世話をまかせるのは心配でした。夫も育児休暇をとれるので、自分たちで気兼ねなくやるほうがよいのではと判断しました。
実家の家族の状況によっては、里帰り出産が難しい場合もあるかもしれません。高齢の家族や健康上の理由で、新生児のお世話をまかせるのが難しいケースもあるでしょう。そのような場合は、自宅での出産を選択し、ほかのサポート方法を検討したという声もありました。
地元・実家が遠方
30代ママ
自宅から実家までは飛行機で1時間以上かかるため、産前産後の移動でかかる自分や子どもへの負担が心配で、里帰り出産しないことを決めました。移動だけで気疲れしてしまうのもいやだったので。
40代ママ
地元はかなり遠く、生活環境も今の生活と大きく異なるため、帰るとなると慣れない環境での出産になります。自分たちの生活リズムを崩したくなかったので、自宅に近い産院での出産を選びました。
地元や実家が遠い場合、長距離移動による負担や慣れない環境でのストレスを考慮し、里帰り出産を選択していないケースもあるようです。自宅での出産を選ぶことで、安心できる環境のなかで、自分たちのペースで新生児との生活をスタートさせることができると考える方もいたようです。
夫の意識を高めるため
30代ママ
夫に「育児は夫婦で協力するもの」という意識と実感を持ってもらいたかったので、里帰りはせずに夫婦で一緒にすごすことを選びました。
30代ママ
里帰りはせず、夫婦で協力して育児をすることにこだわりました。私も早く復職するつもりでしたので、夫と一緒に決めた家庭内ルールを守りながら、育児スキルを高めてもらいたかったのが理由です。
里帰り出産をしないことで、夫婦一緒に育児に向き合う機会が増えます。これによりお互いの支えになる関係性を築く、ママだけに育児スキルが偏らないというメリットがありそうです。特に夫が新生児期から夫が積極的に育児に参加することで、長期的な家族関係の基盤づくりにつながる可能性もあるでしょう。
上の子のお世話関係
40代ママ
上の子ふたりが小学校と幼稚園に通っていたので、生活環境を変えたくないと思い、3人目の出産では里帰りはしませんでした。
20代ママ
上の子の学校や友達関係を考えると、長期間実家に行くのは難しいと感じました。家族全員で支え合いながら新しい赤ちゃんを迎える準備をすることにしました。
上の子がいる場合、その子どもたちの生活リズムや学校、友人関係などを考慮して里帰り出産を選択しないケースもあるようです。家族で新しい赤ちゃんを迎える準備をすることで、上の子も含めた家族の絆を深める機会となります。
里帰り出産をするかしないか迷っている場合は、それぞれのメリットとデメリットを書き出し、比較して考えてみるというのもひとつの方法でしょう。
里帰り出産しないことのメリット
里帰り出産をしない選択には、さまざまなメリットがあるかもしれません。パパの育児参加や家族の生活リズムの維持、自分たちの育児スタイルの確立など、多くのママたちが里帰りしないことのメリットを実感しています。ここでは、里帰り出産をしないことのメリットについて、実際の体験談を交えて紹介します。
夫の出産立ち会い・育児参加
30代ママ
夫が出産に立ち会えたことで、家族としての絆が深まりました。新生児期から夫婦で協力して育児ができ、夫も赤ちゃんのお世話関係を通じて自分の役割を実感できたようです。夜間授乳も交代で担当し、お互いの支えになれました。
30代ママ
里帰りせずに自宅で過ごしたことで、夫が仕事から帰ってくるたびに新生児期の成長を一緒に喜べました。これまで家事は「できない」を理由に一切していないタイプの夫でしたが、育児の大変さを理解し、家族として自然とお世話に参加してくれるようになりました。
新生児期からパパが子育てに参加することができる点を、里帰りしないことのメリットとしてあげる方は多いようです。子どもの様子や育児の悩みをすぐに共有でき、夫婦一緒に育児をしていくことに、比較的早く慣れることができるかもしれません。
里帰り出産をすることを選択し、里帰り先が遠い場合は、パパが出産の立ち会いに間に合わないこともあるようです。出産時だけでなく長期的な夫からの育児サポートが必要と感じている方ほど、立ち会い出産や新生児期に赤ちゃんのケアやお世話関係を夫婦で一緒に行うことを大事にする傾向があるようです。
出産後、静かに過ごせる
30代ママ
実家に戻らず自宅で過ごしたことで、自分たちのペースで赤ちゃんと向き合えました。お世話の面でも気兼ねなく夜間授乳ができ、静かな環境で新生児と過ごせたのがよかったです。
20代ママ
上の子のお世話もあったので、里帰りせず家族みんなで新しい生活リズムや家庭内のルールを作れたのがよかったです。実母のアドバイスは電話で聞き、必要な時だけ来てもらうなど、柔軟に対応してもらえました。
里帰り先の実家に、両親の他にも兄弟など複数人が住んでいるときは、足音などの生活音が子どもの睡眠を妨げたり、逆に子どもの夜泣きの声で家族の睡眠を妨げてしまうこともあるかもしれません。
また実の親子であっても、実母や父親と価値観が異なったり一緒にいて落ち着かなかったりといったこともあるようです。気兼ねなく話せる関係だからこそ、子育て方針でぶつかってトラブルになりがちなので、地元に帰らず困ったときはママ友や家族のサポートやケアを頼る方がストレスが少なかったという声もありました。
上の子の生活が保てる
30代ママ
上の子の幼稚園や習い事のスケジュールを崩したくなかったので、里帰りせずに自宅で過ごしました。上の子も普段通りの環境でいつもの生活を送れたことで、新しい赤ちゃんを自然に受け入れられたようです。お世話もしっかりしてくれました。
40代ママ
地元のママ友とのつながりを大切にしたかったので、里帰りはしませんでした。上の子の友達関係や生活環境も変わらず、気晴らしに公園に出かけたいときも気軽に行けたのがよかったです。
里帰り出産をしていない方のなかには、第一子の生活環境に配慮したという理由も多く挙がりました。また、赤ちゃんも含めた家族全体で新しい生活リズムを作っていけたというメリットを感じた方もいたようです。
里帰り出産をするかしないかは、パパの育児参加について理想の形を考えたり、里帰り先の環境や距離も考慮して、家族で相談しながら一緒に決められるとよいですね。
里帰りしなかったデメリット・大変だったこと
里帰り出産しないことを選択する場合、どのようなことが大変なのか不安に思う方もいるかもしれません。デメリットとしてどのようなことが挙げられるか、または大変に感じたか、経験者に聞いてみました。
相談できる相手がいない
20代ママ
初産ではわからないことだらけで、実母が近くにいてくれて気軽に相談できたら、と思うことがありました。まだママ友ができていない時期だったため、インターネットの情報ばかり見て不安になることもありました。直接相談できる相手がほしかったです。
30代ママ
夫も私も子育てについて無知だったので、常に手探り状態でした。夫婦で協力してはいましたがふたりとも常に寝不足で、すぐに相談したり気兼ねなく頼れる相手が近くにいたらもう少し楽だったろうなと思います。
出産直後の大変な時期に、気兼ねなく子育てをサポートしてくれる第三者が必要と感じるママやパパは多いようです。準備が大変で里帰り出産をしなかったものの、産後になると新生児期のケアやお世話関係で疲れてしまい、結果的に里帰りしたほうがよかったのではと感じたという声もありました。
育児と家事の両立が難しい
30代ママ
出産前の準備段階では、家事は子どもが眠っている間に済ませられるはずでしたが、実際に産後になってみると常に寝不足で子どもの睡眠時間は私の睡眠時間にもなってしまい、なかなか家事ができないことが多かったです。自宅でもよいので、もうひとりサポートしてくれる人がほしいと思いました。
30代ママ
頻回授乳で子どもから離れられず、体力気力のすべてが子育てにとられていたので、家事はほとんどできない状況。夜間授乳も多くてストレスで家事ができない状態になったときは、実母と義母が交代で夕食を作りに来てくれましたが、仕事帰りに毎日サポートしてもらうのは申し訳なかったです。
産前はそれほど苦労せずにこなせた家事も、産後になると睡眠不足だったり子どもから手を離せなかったりして、なかなかこなせなかったというママの声がありました。近くに住む家族のサポートを借りられたとしても、自宅では里帰り出産をするのとまったく同じようにとはいかないと感じた方もいたようです。
孤独感を感じる
30代ママ
夫の仕事が忙しくいつも帰宅が遅いため、サポートを得るのは難しい状況でした。ワンオペで自分ががんばるしかないと無理をしていることも多かったです。気兼ねなく話せるママ友もいないので、新生児期のお世話はもちろん、気晴らしができない、出かけたいのにできないストレスで孤独感がさらに強まりました。
30代ママ
今振り返ってみると長女の産後は軽いうつ状態で、体力よりも精神面がつらかったです。夫がいるときは頼れましたが、どうしても平日の日中は子どもとふたりきりになってしまうので、自分の気持ちをコントロールできず赤ちゃんになにか起きてしまったら、と不安で落ち着かない時期をすごしました。
産後うつという言葉の認知度は高まっていますが、育児に集中している産後の女性は心の不調に自分で気づけていない状態が続いたり、ストレスや孤独感を抱えている場合もあるようです。1人目の産後を教訓に、2人目のときはあらかじめ不安について家族に伝えていたという声もありました。
産後の大変さはどう乗り越えた?
里帰り出産しないことのデメリットとして想定される「産後の体調で新生児期のお世話をする大変さ」を乗り越えるために、どのようなことをすればよいのでしょうか。経験者が実際に試してよかったと感じた方法を聞きました。
産前に準備をしておく
40代ママ
2人目の産後は食事を用意する役割は夫が担当することになったので、上の子が好きなメニューのレシピを作っておきました。
30代ママ
家事分担がスムーズにできるよう、生活用品のストックを置いている場所などを産前に共有しました。またゴミ出しやハウスキーピングなどのルールも家族で明確にして、自宅での生活のことについて「知らない」「できない」をなくすように準備してもらいました。
20代ママ
産前に乾燥機つきの洗濯機を購入しました。毎日の洗濯を時短することができ、干し忘れも防げました。
産後の生活に備えて、産前に夫婦で役割分担やルールを決めたり、便利家電を用意したという声がありました。産後の女性にとってはちょっとした時間も貴重に感じるでしょう。里帰りしない場合のデメリットをできるだけ軽減するために、時短に役立つアイテムを調べてみるとよいかもしれません。
夫婦で相談してサポートしあう
30代ママ
産後は赤ちゃんを連れてスーパーで買い物へ行くのが予想以上に大変でした。夫の仕事帰りにスーパーへ寄って買い物を済ませてもらうよう相談しました
30代ママ
私はなるべく外に出かけたいタイプ。産後はひとりの時間を持つことがなかなかできないことがストレスになると思ったので、夫が自宅にいる日は子どものお世話をまかせて、散歩や美容室へ行ったり気兼ねなくつきあえるママ友とお茶したりする時間を作るようにして気晴らししていました。
産後の生活では、産前には想像しなかった大変さや気疲れを感じることもあるでしょう。夫婦で柔軟に相談し、お互いに助け合う環境を作ることは、新米ママにとって大事なようです。
家事を完璧にこなそうとしない
30代ママ
家事をするときはできるだけ椅子にすわって、体力を温存していました。掃除機を使うのが大変なときはフローリング用のシートで軽く拭くだけで終わらせるなど、無理なくできる範囲で家事をしていました。
30代ママ
朝食と昼食は手軽に食べられるヨーグルトやシリアル、果物など、シンプルなメニューにしていました。夜は下準備が必要なものより手軽に作れるどんぶり系のメニューにすることが増え、お惣菜を買うこともありました。
育児と家事の両立が難しいときは、育児を優先し家事にかける時間をできるだけ少なくするという方が多いようです。すべてを完璧にこなそうとせず、産前のようにはできないことがあって当然と考えられると気持ちが楽になるかもしれません。
外部のサポート機関やサービスを利用する
30代ママ
自宅で受けられる産後ケアサービスを利用しました。新生児期の育児について専門家のアドバイスを受けられて心強かったです。また、育児関係のSNSでママ友ができて情報交換ができたのもよかったです。
20代ママ
夫が出張で自宅にいないことが多かったので家事代行サービスを週1回利用しました。大掃除や洗濯物の整理など、なかなかできない時間のかかる家事のサポートをお願いできて助かりました。
里帰り出産をしない場合でも、外部のサポートサービスを利用することで、産後の負担を軽減できる可能性があります。産後ケア施設や家事代行サービス、ベビーシッターなどを利用することで、専門家のアドバイスを受けたり、家事の負担を減らしたという声もありました。
また、ママ友との交流は精神的な支えになることもあるでしょう。里帰りしなくてもこれらのサービスを活用することで、自宅での産後生活を快適に過ごした方もいたようです。
里帰りと自宅、どちらがストレス?
里帰り出産と自宅出産、それぞれにストレスがあるでしょう。それぞれのストレス要因を理解しておくことで、より適切な選択ができるでしょう。ここでは、里帰り出産と自宅出産それぞれのストレス要因について、ママたちの体験談を交えて紹介します。
里帰り出産のストレス
30代ママ
実家に里帰りしたものの、母との育児方針の違いでよく衝突しました。自分の育児スタイルを貫きたいのに、気兼ねして言い出せないことも多くてストレスでした。
40代ママ
慣れない環境で赤ちゃんが落ち着かない様子で、かえってストレスになりました。また、夫が週末しか会えないので、家族全体で育児を共有する機会が減ってしまったのが残念でした。
30代ママ
実家の生活リズムに合わせなければならず、自分たち家族の時間が持てませんでした。また、出かけたいときも気兼ねして言い出せず、気晴らしができませんでした。
里帰り出産では、慣れ親しんだ実家でサポートを受けられる一方で、家族の生活リズムや自分たちの育児方針が実現できないストレスがあるようです。また、環境の変化によって赤ちゃんが不安定になったり、夫婦で育児を共有する機会が減ったりすることもストレス要因となることもあるようです。里帰りを選択する場合は、事前に実母や家族と育児方針や生活スタイルについて話し合い、ルールを決めておくことが大切かもしれません。
自宅出産のストレス
40代ママ
夜間授乳や家事で休む時間がなく、体力的にきつかったです。サポートしてくれる人がいないので、出かけたいストレスが溜まってしまいました。
30代ママ
初めての育児で不安なことが多く、すぐに相談できる人が近くにいないのがストレスでした。ママ友もいない新生児期は、赤ちゃんのお世話関係がつらくて自分が自分でないように感じることもありました。
30代ママ
夫の仕事が忙しく、育児と家事を一人で抱え込んでしまいました。気晴らしに出かけたいと思っても、赤ちゃんを連れての外出は大変で、なかなかできなかったのでストレスで5㎏太ってしまいました。
自宅出産の場合、慣れた環境で自分たちのルールに従って育児ができる一方で、サポートが限られることによる身体的・精神的な負担が大きいと感じる方は多いようです。特に新生児期は夜間授乳や頻繁なお世話で睡眠不足になりやすく、休息をとる時間を確保することが難しいことがストレスになりそうです。
里帰りしない出産は夫婦の協力と準備が大切
里帰り出産をしなかった方の体験談を聞くと、パパの早期の育児参加を大切に考えたり、実家への距離があることから決めたという声がありました。
里帰り出産をしない場合は、夫婦の協力が特に重要になります。新生児期の夜間授乳や頻繁なお世話、家事の分担など、あらかじめ話し合って役割分担を決めておくとよいでしょう。また、外部のサポートサービスやママ友ネットワークの活用も検討するとよいかもしれません。
育児と家事の両立が難しかったり、気軽に家族以外のサポートを求められなかったり、産後のストレスや孤独感は避けられない場合もあります。ママやパパは産前にさまざまなことを相談したり、夫婦で助け合って乗り越えているようです。
出産後は自宅で少しでも快適にすごせるよう、しっかり準備をして出産を迎えられるとよいですね。
地元の両親だけでなく高齢の祖母も一緒に住んでいるので、初めから実家に助けてもらう選択肢はありませんでした。もともと実家は人の出入りが多く実母も忙しいこともあり、落ち着かないことも多かったので。