【小児科医監修】口内炎は何科を受診?口内炎を伴う病気や対策など

【小児科医監修】口内炎は何科を受診?口内炎を伴う病気や対策など

子どもに口内炎ができて痛みを訴えたり、なかなか治らないと、原因や、いつよくなるのか気になるものです。手足口病、ヘルパンギーナ、水疱瘡といった口内炎を伴う、子どもがかかりやすい病気を解説します。また、口内炎は市販薬で治るのか、口内炎の症状は何科を受診したらよいのか、口内炎のケアについてもご紹介します。

口内炎は子どもの病気につきもの?

口内炎ができると、痛みを感じたり、食べ物が染みたりして大人でも嫌ですよね。気になって舌で触ってしまったり、治りかけていたと思ったら他の場所に増えていたりする口内炎。

子どもに口内炎ができるときは、なにか病気にかかっている可能性があります。

口内炎ができる子どもの病気にはどのようなものがあるでしょうか。

口内炎ができる病気

口内炎 女の子
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一般的な口内炎のほかに、口内炎を伴うさまざまな病気もあります。口内炎ができる子どものかかりやすい病気をご紹介します。


アフタ性口内炎

風邪やインフルエンザのあと、睡眠不足や栄養不足など免疫力が低下したときにできることがある一般的な口内炎です。食事のときに誤って唇や口内を嚙んでしまうことでできることもあります。アフタ性口内炎は一般的な口内炎で、多くの場合、自然治癒します。

口の中に白い円状のただれができたり、口内炎が黄色や白っぽい膜に覆われていたりして、見つけやすいです。


手足口病

コクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因で感染する病気です。生後6ヶ月から5歳くらいまでがかかりやすく、夏に保育園や幼稚園でも流行ることが多い病気です。

手のひらや指の側面、足などに発疹や小さな水ぶくれができるのが特徴です。口の中や唇の内側、舌、のどに口内炎ができます。発疹には痛みがあり、食事や水分をとりにくくなるので脱水症状に注意が必要です。

熱はないけれど、子どもが食べるのを嫌がったり、よだれが増えたときは手足口病かもしれません。


ヘルパンギーナ

コクサッキーウイルスなどが原因でうつる感染症です。7月頃が特に流行時期で、子どもの夏風邪の代表といわれています。急に39℃程度の高熱が出て、口の中や、のどの奥(のどちんこの付け根の周辺)に痛みのある小さな水疱がいくつかできるのが特徴です。水疱が破れると、のどの痛みが強くなり母乳やつばが飲み込みづらそうにしたり、子どもが不機嫌になることがあります。


1~5歳の子どもがかかりやすく、そのなかでも、1歳の感染報告が最も多い病気です。感染者の90%が5歳以下の子どもで占めています。熱は2~3日で下がり、水疱は1週間程度で落ち着くことがほとんどです。


水疱瘡

水痘・帯状疱疹ウイルスが原因の感染力の強い病気です。かゆみを伴う水疱が全身にでき、口内炎ができることもあります。かさぶたになって治るまでに1週間程度かかります。発熱するときもあります。

1~5歳の子どもが特にかかりやすく、9歳までにはほとんどの子どもがかかるといわれています。ただし、水疱瘡は、水痘ワクチンが定期接種になっています。予防接種で重症化を予防できたり、患者も減ったりしているので、子どもが1歳になったら接種が推奨されています。


ヘルペス性歯肉口内炎

ヘルペスウイルスが、皮膚や粘膜に感染して起こる病気です。

特に、単純ヘルペスI型ウイルスに初めて感染した乳幼児によくみられます。接触感染や、飛沫感染でうつり、乳幼児期は、ママや家族からの感染が多いようです。

39℃程度の高熱が2~5日続き、口の中や唇の周りに水疱や潰瘍ができて歯茎が腫れます。口やのどに痛みがあり、食事や水分が摂りにくくなります。痛みは7~10日程度でおさまることが多いですが、重症化すると入院になる場合もあります。

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口内炎は何科を受診する?

口内炎ができているだけであれば、市販薬でも治すことができますが、発熱や歯茎まで腫れる、痛みが激しいなどの症状がみられるときは受診しましょう。

口内炎は何科を受診したらよいか迷うかもしれませんが、小児科を受診するのがベストです。発熱を伴う場合は、感染症にかかっている可能性もあるので、早めに受診した方がよいでしょう。

口内炎のときのケア

口内炎ができないように気をつけることと、口内炎ができてしまったときのケアをあわせてご紹介します。


口内の清潔を保つ

赤ちゃん 歯磨き
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口の中に食べかすが残っていたり、清潔にしていないと口内炎ができやすくなります。普段から、丁寧に歯ブラシをし、口のなかを清潔に保つことが大切です。食事や寝る前など歯ブラシで口内を清潔に保つようにしましょう。

口内炎ができてしまい、歯ブラシが当たって痛いや、どうしても歯磨きを嫌がってできないときには、うがいだけでもよいでしょう。


バランスのよい食事

ビタミンが不足していたり、胃が弱っていると口内炎ができることもあります。乳製品や大豆、野菜、果物などビタミンが含まれる食材をバランスよくとり入れるようにしましょう。

また口内炎のときには、うどんや白身魚、茶わん蒸し、おかゆなど食べやすく、消化の良い食べ物を選びましょう。炭酸飲料や、辛いもの、酸っぱいものなどは口内炎を刺激し、痛みを感じることもあるため控えるようにしましょう。


こまめな水分補給

ウイルスは乾燥したところを好むので、口内炎ができる前もできた後も、口内を乾燥させないことが大切です。乳児用イオン水や、麦茶、白湯、スープなどでこまめな水分補給を心がけましょう。

口内炎ができたあとは飲み物が熱すぎたり、冷たすぎたりすると刺激になるので、常温くらいの飲み物を与えるよう心がけましょう。


十分な睡眠

睡眠不足や、疲れがたまると免疫力が落ちて口内炎ができることがあります。睡眠を十分とって規則正しい生活を心がけることが重要です。


おもちゃの消毒

赤ちゃんは何でも口に入れますよね。口に入れたものから雑菌が口の中に入って口内炎になる可能性もあります。

赤ちゃんが口の中に入れるおもちゃなどはこまめに洗ったり、消毒してきれいにしておきましょう。

規則正しい生活習慣で口内炎を予防しよう

家族笑顔
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子どものかかりやすい病気の「手足口病」や「ヘルパンギーナ」、「水疱瘡」などの病気は口内炎を伴います。それぞれの病気で、少しずつ症状は違いますが、口内炎が痛んだり、食事や水分をとりにくくなる場合があるので、脱水症状に注意が必要です。

口内炎のできる病気には「手足口病」や「ヘルパンギーナ」、「水疱瘡」など、ウイルスで感染する病気もありますが、普段の歯ブラシや、睡眠をたっぷりとるなどの生活習慣で予防ができるかもしれません。

口内炎ができたら、栄養バランスのとれた食事や、こまめな水分補給を心がけ、発熱したり、痛みがひどいときには、受診をして正しい処置を行うことが口内炎を早く治す近道になるでしょう。


監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)

Profile

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。 症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。 お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。

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