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パートでも保育園に入れる?労働時間の規定や、預ける場合の条件
認可保育園に子どもを入れたい場合、パートでも入れるのか知りたいママもいるでしょう。今回の記事では、雇用形態や労働時間などの入園条件、保育料や保育時間、妊娠した場合、保育園料で赤字になるなど保育園に預けるときに知っておきたいこと、幼稚園に預けることになったママたちのパートの労働時間など、体験談をもとにご紹介します。
認可保育園に入れる労働時間は?
認可保育園の利用が可能となる保護者の就労時間の下限は、月に48時間から64時間の範囲となっており、パート勤務の場合でも下限時間を超えて働いていれば、保育園を利用することができるとされています。下限の設定は市町村が定めることになっているので、気になる場合は住んでいる自治体の利用案内などを確認しておくとよいかもしれません。
「保育を必要とする事由」とは?
こども家庭庁や厚生労働省の資料によると、認可保育園を利用するためには、以下の「保育を必要とする事由」のいずれかに該当することが必要です。
- 就労
- 妊娠、出産
- 保護者の疾病、障害
- 親族の介護・看護
- 災害復旧
- 求職活動
- 就学
- 虐待やDVのおそれがあること
- 育児休業取得中(すでに保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること)
- その他、市町村が認める場合
就労について、パートでも子どもが認可保育園に入れるのかどうか不安に感じるママもいるかもしれません。
こども家庭庁や厚生労働省の資料によると、就労について、フルタイムのほか、パートタイム、夜間、在宅ワークも「保育を必要とする事由」として認められるようです。つまり、一定の労働時間働いていれば、雇用形態や在宅ワーク・出勤にかかわらず、認可保育園を利用することができます。
なお、就労を理由に認可保育園を利用する場合は、どのように働いているのかを証明するため就労証明書を提出する必要があります。就労証明書については、職場の人事関連部署に確認してみましょう。
預けられる時間は?
認可保育園を利用する場合、どれくらいの時間預けられるのでしょうか。
こども家庭庁や厚生労働省の資料によると、保育園を利用できる時間は「保育を必要とする事由」や保護者の状況に応じて、以下のいずれかに区分されるようです。
- 保育標準時間:認定されると最長で11時間利用可能
- 保育短時間:認定されると最長8時間利用可能
1.保育標準時間はフルタイム就労を想定した利用時間のようです。一方、2.保育短時間はパートタイム就労を想定した利用時間のようです。
なお、実際に利用できる時間は、休憩時間や通勤時間など保護者の就労状況などに応じて決められます。
認可保育園の申し込みや利用について気になることがある場合は、自治体の利用案内を確認したり、直接相談に行ってみてもいいかもしれません。
労働時間的にパートだと認可保育園に入りにくい?
パートだと認可保育園に入りにくいのではないかと感じているママもいるかもしれません。認可保育園入園の選考は、「点数」によって決められます。「点数」とは、就労など各家庭の状況をポイントで表したものです。
点数には「基本指数」と「調整指数」の2つがあります。ママとパパの就労状況などを「基本指数」、そのほかの家庭の状況を「調整指数」として点数化します。
点数が同じ人がいた場合、「優先度」によって入園できるかどうかが決められます。
なお、点数や優先度は自治体によって異なります。自治体が発行している保育園の利用案内などに掲載されていることもあるようです。
パートで労働時間が短くても、子どもは保育園に入れる?
パート勤務をしているママの中には、保育園に入れたママと入れなかったママがいるようです。それぞれのママたちに話を聞いてみました。
労働時間に懸念があったが、子どもが保育園に入れたママ
iStock.com/maroke
4歳児のママ
3歳児のママ
パート勤務ですが、子どもは希望の保育園に入れることができました。週4日で月80時間ほど勤務しているので、勤務時間の長さが考慮されたのかもしれません。ママ友は、半日だけのパート勤務なので、保育園入園が認められないと話していました。
待機児童が少ない市町村の場合や、1週あたりの勤務時間が長い場合には、パート勤務でも子どもが保育園に入れることもあるようです。保育園の定員や職場からの通いやすさなどを考えながら、希望の保育園を選んだというママの声もありました。
労働時間を理由に、子どもが保育園に入れなかったママ
3歳児のママ
待機児童が多くパート勤務では子どもは保育園利用が認められない状況でした。今は幼稚園に子どもを預けて、短時間でもよい仕事をしています。
2歳児のママ
1週あたりの就労時間が少なかったため、認可保育園に入れませんでした。どうしても仕事をしたかったので保育園のかわりに、実家の母に子どもを見てもらうことにしました。
1歳児のママ
保育園に入るには点数制ですが、待機児童が多いエリアなので、最高点数でも入れない保護者もいると聞いています。点数制はわかりやすいようで、同じ点数だった場合はどちらが優先されるかなど、審査基準が曖昧な面もあるのかなと思いました。
待機児童が多い市町村の場合や、パートの勤務時間が短い場合には審査基準を満たしていても、子どもが認可保育園に入れないという状況もあるようです。保育園に入れない場合、1歳、2歳では入れなかったけれども、3歳になりようやく入園できたというママの声や、認可外保育園を利用したというママの声もありました。
認可外保育園は空きがあれば入れるものの、保育料が高い傾向にあるようです。入園を検討する場合は、認可外保育園のホームページなどで確認しておきましょう。
保育園に入れる際に知っておきたいこと
パート勤務で子どもを認可保育園に預けたいと思ったとき、保育園料がどのくらいかかるか、赤字にならないのかなど、知りたいこともあるかもしれません。保育料や保育時間、妊娠した場合や入園申し込みの必要書類などについてご紹介します。
点数制
4歳児のママ
待機児童がとても多かったので、きょうだい加点がある人でないと、0歳~1歳で保育園に入園するのは難しかったです。ただ、仕事に復帰しないといけなかったので、認可外の保育園に一旦入れていました。相場より保育料がかなり高かったです。
就労などで保育の必要を認められると、入りたい保育園の希望を出すことができます。ただ、実際に保育園に入ることができるかどうかは、住んでいる自治体によって定められている点数制に基づきます。きょうだいがいたら加点となったり、同居の祖父母がいると減点になったりすることが多いようです。
保育料
4歳児のママ
年少から子どもの保育園を利用しています。保育料は月に33,000円ほどかかるので、赤字にならないように状況を見ながら仕事の勤務時間を調整して働いています。
2歳児のママ
2歳の子どもを保育園に入れていて、住んでいる地域の保育料は相場より高く月60,000円ほどかかり、赤字になってしまう月もあります。今は赤字ですが今後のことを考えて子どもを保育園に預けて仕事しています。
保育料は保護者の所得を基準に決まるため、申込時には所得証明が必要です。また、多子世帯やひとり親の場合、保育料の負担軽減などもあるようです。市町村によって保育園代が異なるようなので、事前に自治体に保育料金の相場を確認しておくとよいかもしれません。
保育時間
3歳児のママ
就労時間の関係で「保育短時間」に認定されました。現在は、9時から16時までの7時間、子どもを保育園に預けて仕事をしています。
3歳児のママ
パートですが、勤務時間が長くなったので11時間預けられる「保育標準時間」に変更してもらいました。
保育時間には1日最長8時間利用できる「保育短時間」と、1日最長11時間預けることができる「保育標準時間」があるようです。勤務時間や仕事の状況によってどちらに認定されるか決まるようなので、気になる場合は保育園や自治体に問い合わせてみるとよいかもしれません。
妊娠した場合
4歳児、1歳児のママ
保育園に上の子どもを入れているときに、下の子どもを妊娠しました。二人目出産後は大変な状況だったので、産休育休中も保育園を利用することができて助かりました。
妊娠や出産のために仕事を休んだり辞めた場合でも、保育が必要な状況であると認定されれば、保育園に通い続けることができるようです。出産後いつまで預けられるのかや、育休中いつまで預けられるのかは自治体によって違いがあるようです。
申し込みの際の必要書類
パート勤務で子どもを保育園に入園させたい場合には、一般的に入園申込書と就労証明書などの必要書類を記入し、自治体の担当窓口へ書類を提出する必要があるようです。就労証明書は勤務先に記入してもらう箇所もあるようなので、勤務先には忘れずに就労証明書に記入してもらうようにするとよいでしょう。
また、保育園に入れる時点でまだ就労が開始していない場合は、就労証明書ではなく内定証明書を提出する場合があります。その場合は、勤務が開始されてから、あらためて就労開始証明の書類を提出する必要があるようです。状況によって必要な書類が異なるので、よく確認するようにしましょう。
保育園ではなく幼稚園に入れる場合
パートで働くママの中には、保育園ではなく幼稚園に入れることを希望している保護者もいるかもしれません。幼稚園に子どもを入れてパートで働くママたちに、幼稚園を選んだ理由や状況などについて聞いてみました。
労働時間を理由に幼稚園を選ぶ理由
3歳児のママ
待機児童の多い市で、「パートでは保育園に子どもが入れないこともある」と聞いたので幼稚園を利用することを選びました。1日の勤務時間が短い仕事なので、幼稚園に子どもを預けて無理なく仕事することができています。
4歳児のママ
短時間のパートタイムで仕事をしているため保育園に入れず、幼稚園に入園させました。延長保育もあるので長い時間働きたい日は、幼稚園の延長保育を利用しています。
1日の仕事の勤務時間が短いという理由から、保育園ではなく幼稚園を選んだというママもいました。勤務時間が短ければ子どもが幼稚園で過ごしている間に働くことができるかもしれません。最近では幼稚園でも延長保育や預かり保育を充実させている園が多くなっているようなので、状況によってパートなどの時間勤務であれば幼稚園に預けても十分働くことができそうです。
幼稚園を選ぶ場合に考えたいこと
保育園と幼稚園では入園申し込みの時期が異なったり、保育園の場合は直接園に申し込みする以外にも、園によっては自治体に申し込みするなど、申し込み先が異なったりと違いがあるようです。保育園のかわりに幼稚園の利用を検討している場合には、園見学やプレ保育のときなどに、入園申込みのスケジュールや申込みに必要な書類などについて聞いておくとよいかもしれません。
延長保育や夏休み期間の預かり保育の有無、園バスの時間、ママが幼稚園の行事に参加する頻度や基準などについても確認しながら、パート勤務でも子どもを預けやすい幼稚園を見つけられるとよいですね。
入園の準備はしっかりと
iStock.com/maroke
今回の記事では、雇用形態や労働時間など保育園に入れる条件、保育料金や保育時間、妊娠した場合、保育園料代で赤字になるなど保育園に預けるときに知っておきたいこと、保育園ではなく幼稚園に預ける場合について、ママたちの体験談をもとにご紹介しました。
保護者の仕事がパート勤務でも認可保育園に預けることができるようですが、勤務時間や保育の状況などから保育園に入れる場合と入れない場合があるようです。保育園に預ける場合は保育料や保育時間、妊娠したときどうすればよいのかを事前に確認できるとよいかもしれません。
保育料でパート代が赤字になることや、希望する保育園に入れず幼稚園を選ぶママもいるようです。保育園に入れるために、事前に情報収集など準備をしっかりしておけるようにしたいですね。
※記事内で使用している参照内容は、2018年9月12日時点で作成し、2025年3月17日に更新した記事になります。
待機児童が少ない市だったこともあってか、パートでも仕事をしていれて保育園を利用することができました。入園申し込みのときは職場の人に相談して就労証明書を準備してもらいました。