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2017年08月10日

京都の夏の風物詩「地蔵盆」。時期や由来、お供えはどんなのものがよいのか

京都の夏の風物詩「地蔵盆」。時期や由来、お供えはどんなのものがよいのか

地蔵盆という行事は、お地蔵様の多い京都発祥といわれ、近畿地方を中心に古くから伝わり、中部以東になるとあまりなじみのない行事です。地域を見守るお地蔵様をお祀りし、子どもが主役のお盆とされる地蔵盆は、いったいどんなことをするのでしょうか?また、時期やお供えのことなども掘り下げたいと思います。

地蔵盆の由来や意味は?

お地蔵様をお祀りする信仰のことや、中部以東には広まらなかった理由、平安時代から伝わる地蔵盆のもととなったお話をします。

なぜお地蔵様?

お寺などに祀られているお地蔵様ではなく、辻地蔵という道端や街角の身近なお地蔵様を対象としています。もともとお地蔵様は民間の信仰の神様というとらえ方でしたが、じつは仏教に属する地蔵菩薩でした。

平安時代からは地蔵信仰が民間に広がり、村を守る道祖神(どうそしん)でもあり、地獄の鬼から子どもを救う子どもの守護神ともなっています。

関西で定着、関東では?

地域によって、信仰の歴史が違います。京都では室町時代に地蔵盆が大流行しました。一方で東京では、江戸時代に初めてお地蔵様が作られたことや、お稲荷さん信仰が盛んだったことなどが定着しなかった理由といわれています。

小野篁(おののたかむら)のエピソード

奈良県の金剛山寺(こんごうせんじ)通称「矢田寺」に伝わるエピソードがあります。小野篁という、平安時代前期の役人・学者・歌人の顔を持つ人物がいました。朝廷に仕える一方で、夜には井戸を伝って地獄に降り、閻魔(えんま)大王に仕えて裁判の手伝いをしていたといいます。

ある夜、小野篁が地獄に降りると、閻魔大王が地獄で苦しむ死者の代わりに自身の体を地獄の炎で焼いて苦しむ姿を見てしまいました。閻魔大王は、弱い人を守ってくれる存在だったのです。閻魔大王といえば、地獄の王様のようなイメージがある人が多いでしょうが、じつは地蔵菩薩の化身とされています。

そこで、師弟関係にあった満慶上人(まんけいしょうにん)と小野篁が、そんな閻魔大王のために供養をしました。その地蔵菩薩の縁日(命日)が旧暦で7月24日(新暦で8月24日)となっており、後に地蔵盆となったとのことです。

時期について

8月中旬の、一般的に知られているお盆とずれていることの意味や、地蔵盆が行われる時期についてお話します。

子どもが中心のお盆

現代で一般的にお盆といわれる8月13日~16日は、故人を迎え、送る大人のためのお盆です。地蔵盆は8月23日、24日の地蔵菩薩の縁日を中心とした2日間で、子どもが中心となって行われます。

地域によっては1日のところや、旧暦をそのまま新暦に当てはめた7月23日、24日に行うところも。町内会や子ども会のような団体で行われることが多いです。

夏の終わりにお盆とは?

地蔵菩薩の縁日が毎月24日を中心に行われていますが、「地蔵講」(じぞうこう)という地蔵信仰のグループが行う活動が、旧暦で7月24日を特に「大縁日」として重視していました。そして、たまたまお盆に一番近い月だったことから、地蔵盆と呼ばれるようになったといわれています。

どんなことをする?

お地蔵さま

古くから伝わる地蔵盆ですが、現代ではどんなことが行われているのか、また、どんなものをお供えしたらよいのでしょうか?

お地蔵様のお清めや化粧

地蔵盆が近くなってくると、祠(ほこら)からお地蔵様を出してきれいに洗い、新しい前掛けをかけ、子どもがお地蔵様に白粉を塗ったり、カラフルにお化粧を施したりします。お供えものや提灯なども準備します。

地域によってさまざまな内容

地域によってやり方はさまざまですが、町内会や子ども会などで町を挙げてお祀りをします。会場の周りは灯籠や提灯などが飾られ、屋台が出て賑やかな縁日の様子となるところが多いです。

内容は、代表的なものは「数珠まわし」というものがあります。子どもたちが2~3mの大きな数珠を囲って輪になって座り、僧侶の読経に合わせて回す儀式です。また「お接待」といい、お地蔵様にお供えされたおさがりを子どもたちに配ることもあります。

他には地車(木製の山車)を出す、子どもの名前の入った提灯を吊す、子どもがお経を読む、盆踊りや子どもたちが楽しめるゲームなど、さまざまな催しがあります。

お供え

一言でお供えといっても、地域や子どもとの関係性などにもよります。町内会や子ども会で催すことが多いです。花や落雁、紅白のお餅、お菓子、果物、精進物のお膳などから現金をお供えするところも。

現金を包む場合、硬貨は半紙で、お札は熨斗(のし)が付いた赤白の水引で蝶結びの祝儀袋に入れるのが一般的で、熨斗の表書きは「お供え」「御供」「御尊前」などがあります。

地域によっては黄白の仏事用の金封を使うところもあり、表書きは「志」と書きます。金額は千円~数千円というところが多いです。引っ越して間もなく、わからない場合などは近所の詳しい人に尋ねて、その地域のやり方に沿って参加したいですね。

日頃、子どもたちを見守ってくれるお地蔵様に感謝する

浴衣の女の子

夏の風物詩で子どもにとって楽しい地域の行事「地蔵盆」の体験は、楽しい思い出の一つとして刻まれていくことでしょう。

そして「いつも見守ってくれるお地蔵様に、日頃から手を合わせて感謝するんだよ」と子どもたちに伝えたいですね。そんな、古くから伝わる地域の風習を後生に受け継いでいきたいものです。

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