【小児科医監修】子どもの熱が下がらない!4歳児の発熱について、元気でも熱が続く際の解熱剤のタイミングなど

【小児科医監修】子どもの熱が下がらない!4歳児の発熱について、元気でも熱が続く際の解熱剤のタイミングなど

今回は4歳の子どもの熱が出るときの兆候や、熱があるけれど元気なときには病院に連れていくべきか、などを解説します。また子どもの熱が下がらないときの対処法と解熱剤(熱冷まし)を使用するタイミング、高熱が続くときの病院への再受診の目安などもあわせてお伝えします。

発熱の理由

4歳子ども 体温チェック
iStock.com/maroke

子どもの発熱は、風邪や感染症のウイルスや細菌が原因のことがほとんどです。

病気以外だと、気温が高いときに水分をあまり摂らなかったり、帽子をかぶらずに長時間外で遊ぶなどして熱中症などで熱が上がる場合があります。

子どもの発熱の原因としてアレルギーやストレスもありますが、4歳の幼児がストレスが原因で熱を出すことは珍しいでしょう。

発熱前の兆候

4歳くらいになると、体調がよくないことを言葉で伝えることができる子もいますが、まだ難しいこともあるでしょう。子どもがいつもと違う様子のときは、ママやパパが気づいてあげることが必要な年齢です。

1日のなかでも朝より、夕方から夜にかけて熱が高くなる傾向があります。以下のような仕草や行動が見られたら、子どもが発熱する兆候かもしれません。


食欲が落ちる

いつも食べている食事の量が食べられず残したり、食べるペースがかなり遅い、など食事が進まないときには体調が優れず、これから熱が出るサインかもしれません。無理に食べさせないで子どもの熱をはかるなど様子をみましょう。


ぼーっとしている

通常時に比べて反応が鈍く、呼びかけに気づかないときも、これから熱が出るサインかもしれません。ぼーっとしている時間が長く、目がとろんとしているときには注意が必要です。


室内遊びが増える

熱が出る直前には、外遊びや体を動かして遊ぶよりも絵を描いたり、絵本を読んだり、ブロック遊びなど室内でゆっくり遊ぶことを好んだり、遊びの途中で、寝転がる姿が増えたりするようです。


泣いたりぐずることが増える

4歳 発熱兆候
iStock.com/GOLFX

普段より泣くことが多かったり、ちょっとしたことでぐずるようなときは、体調不良のサインかもしれません。その後、急に発熱する子どもも珍しくありません。

受診の必要性

子どもが熱があっても機嫌がよく、水分や食事がとれている、発熱以外の症状がひどくなくて元気なときにはすぐに病院を受診せず、様子をみてもよいでしょう。

反対に、それほど子どもの熱が高くなくても、水分がとれず、排尿回数が減ったり、ぐったりして元気がないときには、夜間や休日でも病院を受診するようにしましょう。4歳になると、可能性は下がるものの急激な発熱で熱性けいれんを起こすこともあるので注意が必要です。

判断に迷うときは小児救急相談#8000に電話をして指示を仰ぎましょう。

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発熱時の対処法

4歳の子どもが発熱したときの対処法をご紹介します。


こまめな水分補給

発熱時は、汗や尿、唾液などがいつも通りに出ているかをよく観察するようにしましょう。

脱水症状が起こらないように、水分をこまめにとることが大事です。飲み物は、幼児用イオン水や経口補水液でも子どもが飲めるものでよいでしょう。子どもが水分をとるのを嫌がるときは、シャーベットや果物などもよいですね。


温度調節をする

子どもが寒がっていたり、震えているときには厚着をさせて保温しましょう。反対に、熱で暑がっているときには、洋服を1枚少なくし、薄着にして熱をこもらせないようにすることが大切です。子どもの熱の高さや様子を見て空調で温度調節をするのもよいかもしれませんね。


消化のよい食べ物を選ぶ

発熱中 食事
iStock.comjreika

子どもの熱が高いときや、発熱の前後に食欲のないときは無理に食べさせなくても大丈夫です。

一方、食欲が少しでもあるようなら、おかゆやうどん、豆腐やバナナ、ゼリーなど消化とのどごしがよく、子どもが食べやすいものを与えるようにしましょう。

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入浴は子どもの様子で見極める

湯船につかることで熱を上げてしまうことがあります。入浴は、大人が思っている以上に子どもの体力を消費します。入浴後には脱水症状が起こる可能性もあります。38度以上なら、体力温存のために、ぬれタオルで拭いてあげる程度でよいでしょう。

ただ、熱があっても、元気があり、汗や吐物などで身体が汚れているときにはシャワーを浴びる程度ならよいでしょう。

解熱剤(熱冷まし)を使うポイント

子どもが高熱で苦しんでいると、早く熱を下げてあげたいと思いますよね。

しかし解熱剤(熱冷まし)は、一時的に熱を下げて身体を楽にすることはできますが、病気の根本を治すことはできません。子どもが発熱して心配でも、むやみに解熱剤(熱冷まし)を使用しないようにしましょう。熱が高いときには脇の下、後頚部、足の付け根などの太い血管が通っている周辺を冷やすと解熱効果があります。

解熱剤(熱冷まし)は、38.5℃以上の高熱があり、水分や食事がとれないときや、高熱で睡眠がとれないときに使うようにしましょう。熱が高くても、よく眠っているときは子どもを起こしてまで解熱剤(熱冷まし)を飲ませないでください。解熱剤(熱冷まし)は、1度使ったら次の使用まで、間隔を6時間以上あけるなど正しく使用することが大切です。

【小児科医監修】39℃以上の幼児の発熱。子どもの発熱時の登園や受診目安、ホームケア

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再受診の目安

病院で処方薬をもらって飲んでいるのに熱が下がらないと、薬の効果に疑問を持ってしまうかもしれません。処方薬でも即効性が低く、元気になるのに時間がかかる場合もあります。かかりつけ医の指示どおりに治療を続けましょう。

しかし、熱が3日以上続く場合は、再受診が必要です。元気であっても別の病気に感染している可能性があります。水分が取れない、おしっこが出ないなどのときも病院を受診しましょう。

発熱時には子どもの様子をよく見て、正しいホームケアを

熱 子どもケア
PR Image Factory/Shutterstock.com

4歳の子どもであれば、子どもの熱が出る直前に体調不良を自分の言葉で伝えられる子もいるでしょう。ほかにも食欲が落ちたり、反応が鈍くなったり、いつもと違う様子が見られることも多いので、ママやパパが子どもの様子をよく観察することが大切です。また発熱後もまず適切なホームケアが重要です。

子どもの熱が下がらないときや、発熱性の病気が続くと心配や不安になりますよね。しかし解熱剤(熱冷まし)は、子どもが高熱で水分や睡眠をとれないときに使いましょう。

赤ちゃんのときには、熱が下がらないとまめに受診をするママが多いようですが、4歳ぐらいになると、熱があっても元気ないときはすぐに病院に連れていくべきか迷うかもしれません。子どもが一見元気でも、高熱が3日以上続く、食べられない、おしっこが減る、などの症状があるときは再受診をしましょう。


監修:千葉智子先生(上高田ちば整形外科・小児科 副院長)

Profile

千葉智子(上高田ちば整形外科・小児科)

千葉智子(上高田ちば整形外科・小児科)

上高田ちば整形外科・小児科 副院長。 小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。

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