子どもの足に魚の目?感染症ミルメシアとの見分け方、対処法【皮膚科医監修】

子どもの足に魚の目?感染症ミルメシアとの見分け方、対処法【皮膚科医監修】

子どもの足の裏に魚の目? もしかするとそれは魚の目ではなく、ミルメシアと呼ばれる感染症かもしれません。耳なじみの薄いミルメシアとは一体どんな病気なのでしょうか。魚の目とミルメシアの見分け方、対処法や治療法と一緒にご紹介します。

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

ミルメシアとは

ミルメシアとはヒトパピローマウイルスによる感染症です。ミルメシアにかかると、足の裏に魚の目そっくりなイボができます。

ミルメシアの大きさは通常5mmくらいで、大きくなると1cm程度にもなります。大きくなると皮膚の奥が押されて、痛みが生じることも。

普段の生活や人との接触によって感染することは少なく、抵抗力が弱まった時に足の裏にできた小さな傷口などからウイルスが侵入して感染します。また足裏だけでなく、手や腕にも感染する可能性もあります。

魚の目との見分け方

魚の目は足裏にできる皮膚の角質のかたまりです。

姿勢が悪かったり、スポーツによって靴の底がすり減ったりすると、足裏の一部分に体重が集中します。その結果、一部分の皮膚が固くなり魚の目となる場合があります。

一方ミルメシアには、摩擦や圧迫はあまり関係ありません。見た目の特徴としてはイボの中心部が凹んでいること、赤みを帯びていることが挙げられます。

子どもの皮膚は大人に比べるとやわらかいことから、魚の目ができることは少ないとされています。

靴のサイズが合っていてすり減りもなく、イボの中心が凹んでいる場合はミルメシアの可能性が高いでしょう。

子どもがミルメシアにかかった時の対処法

子どもの足の裏のイボがミルメシアであることが疑われれば、すぐ皮膚科を受診しましょう。進行すると治療が長引くので、気づいたらなるべく早いうちに連れていくことをおすすめします。

自宅でピンセットなどを使用してイボを取るのはやめましょう。また、市販の軟膏が効く場合もありますが、合わない時にはむしろ治るのが遅くなってしまいます。

基本的に自己判断での使用はおすすめしません。

ミルメシアの治療方法

ミルメシアの主な治療法は、冷凍凝固療法とヨクイニンの内服です。

冷凍凝固療法

冷凍凝固療法は幹部に液体窒素をスプレー噴射したり、綿棒に浸してあてたりすることで細胞を凍結させる方法です。

1~2週間に1回のペースでイボがなくなるまで治療を続ける必要があり、多少の痛みを伴うこともあります。その代わり確実に治せるのがこの方法の特徴です。

ヨクイニン

ヨクイニンという内服の漢方薬による治療方法です。

消炎作用や体の水分バランスを整える作用が期待されるヨクイニンが、免疫細胞を活性化させヒトパピローマウイルスに作用するといわれています。

粉末タイプのほかに、タブレット状のものもあります。顆粒の薬を飲むのが苦手なお子さんであれば、そちらを選ぶとよいでしょう。
 
※写真はイメージ(iStock.com/kokouu)

そのほかの治療法

電気焼灼法
電気メスを使ってイボを焼き取る治療法です。

局所麻酔を打つため、施術中に感じる痛みや出血がないのが特徴です。

レーザー治療法
局所麻酔を用い炭酸ガスレーザーでイボの芯のみを切り取る治療法です。

こちらは保険適用外のため、治療費が高額になる場合があり注意が必要です。

ミルメシアを放置するリスク

ミルメシアを放置すると、徐々に大きくなり痛みを感じることがあります。その結果下記のような支障が出る可能性があります。

歩きにくい(走りにくい)
痛みのために、走ることはおろか歩くだけで辛い状況になることも。

痛みをかばうように歩き、姿勢が歪む
患部が地面に付かないように歩く癖がつき、次第に姿勢が歪むことがあります。

スポーツに全力で取り組めない
ミルメシアを放っておくと、外遊びや習いごとにも支障が出かねません。

ミルメシアの予防法

できれば避けたいミルメシア。日ごろから防ぐ方法はあるのでしょうか。

身体に傷ができないように注意する
たとえ小さな傷でもミルメシアの原因となるウイルスが侵入する可能性があります。

傷ができたらすぐに適切な処置をする
足の裏などに傷ができたら、すぐに絆創膏などで処置をしてウイルスの侵入を防ぎましょう。

基礎的な免疫力を上げる
規則正しい生活を送ることが一番の予防法。子どもの基礎的な免疫力を上げることが、ミルメシアの予防につながります。
※写真はイメージ(iStock.com/RyanKing999)

体験談

息子が「足の裏に魚の目ができた」というのでイボ取り専用の絆創膏を貼ったのですが、一向に治らず悪化するばかり。最終的に医者へ連れていったところ、魚の目ではなくウイルス性のイボだと診断されました。当時は「ミルメシア」という名前こそ聞きませんでしたが、週に一度通院して窒素凍結の治療をしていました。完治まですごく時間がかかったのを覚えています。
私の体質が遺伝したのか、娘の足の裏にはたまに魚の目ができます。これまではシール状の角質剥離剤を貼って治していましたが、いつもより治るのに時間がかかったので皮膚科を受診したところミルメシアとのことでした。見た目では魚の目とほとんど変わらないので、次からはすぐ病院に連れて行こうと思います。

早めの受診を

子どもの足の裏にイボや魚の目のようなものが出来た場合、ミルメシアの可能性があります。自己診断せず早めに皮膚科を受診するようにしましょう。

日ごろから規則正しい生活を心がけ免疫力をあげて、ミルメシアを予防しましょう。
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小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

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「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。

巣鴨千石皮ふ科

2022年03月04日

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