子どもの鼻水が止まらないとき、鼻水だけで受診をするべきか悩むママもいるでしょう。鼻水が止まらないときの原因や考えられる病気と、受診の目安についてご紹介します。また小児科と耳鼻咽喉科どちらを受診したらよいのかと家庭でできる対処法についても解説します。
子どもの鼻の中は大人より狭く、鼻と耳をつなぐ耳管が太くて水平なのでウイルスが入りやすいです。
子どもの鼻の粘膜はまだ未熟で大人と比べて繊細なため、細菌やダニ、ホコリなどが鼻のなかに入ると敏感に反応し、それが原因で炎症を起こして鼻水が出やすくなります。
子どもが風邪を引いたときに熱は下がっても、鼻水だけ長引くこともあります。鼻水は放っておくと、中耳炎や副鼻腔炎などの感染症につながる可能性があります。
上記のような症状が見られるときはただの鼻水でなく、風邪やインフルエンザ、中耳炎などの病気にかかっている可能性があります。
鼻水が透明なときは様子をみてもよいですが、青っ鼻のような鼻水に色がついているときにはバイ菌が入り込み、ほかの病気にかかっている場合があります。
鼻水が止まらないときや症状が鼻水だけでないときには何かほかの病気にかかっている可能性があります。
アレルギー性鼻炎は、ダニやホコリ、猫や犬のペットの毛、花粉などに反応して鼻水やくしゃみなどの症状がでます。
以下のような症状がみられるときにはアレルギー鼻炎の可能性が考えられます。
アレルギー性鼻炎の診断は、問診や鼻のなかを観察して判断します。
問診の結果、アレルギー性鼻炎の疑いがある場合に鼻のなかの細胞を調べたり、血液中の抗体の数値を測定や採血などのアレルギー検査を行って診断します。
風邪の症状が悪化すると、鼻の周りにある副鼻腔に炎症が起こり、膿がたまって副鼻腔炎を発症する場合があります。
上記のような症状が見られるときは副鼻腔炎の可能性が考えられます。
慢性副鼻腔炎は、粘り気のある鼻水が特徴で、問診と鼻、のどの観察、鼻水の量などで診断します。
子どもの鼻水が止まらないときは耳鼻咽喉科と小児科どちらを受診したらよいか迷うママもいるでしょう。
小児科は、呼吸状態や子どもの全身の状態を把握することができます。
耳鼻咽喉科は、耳、鼻、のどの状態を把握し、鼻水の吸引など専門の処置ができます。症状が鼻水やのどの症状がメインの場合には耳鼻咽喉科、全身に症状がある場合には小児科に受診しましょう。
小児科で処置をしても症状が長引くときや、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、中耳炎などの可能性がある場合に専門家である耳鼻咽喉科を紹介され、アレルギー検査などを行ってより詳しく検査する場合があります。
子どもの鼻水が止まらないときに家庭でできる対処法をご紹介します。
鼻水をそのままにしないで、こまめにとることが大切です。
年齢が低い子どもは、まだ自分で鼻を上手にかむのは難しいかもしれないので鼻吸い器を利用するのもよいでしょう。
鼻吸い器は、強く吸いすぎると鼻の中を傷つけたり、耳を傷める原因になるので優しく子どもの様子をみながら使うように注意が必要です。
粘り気のある鼻水だと、普通に鼻をかんでも鼻水がなかなか外にて来ないことがあります。
蒸しタオルで鼻を温めたり、お風呂で身体が温まっているときは鼻水が出やすい状態になります。
鼻をかんでも鼻水が上手く出ないときには、鼻を温めてみてください。
生理食塩水などを使って加湿すると、鼻をすっきりさせてくれて、青っ鼻のドロドロした鼻水の症状も落ち着くことがあります。
子どもは大人と比べて、鼻の粘膜が弱くウイルスが入りやすい鼻の作りのため、鼻水が止まらなくなったり、鼻づまりなど鼻のトラブルが起こりやすいです。
透明な鼻水はしばらく様子をみてもよいですが、風邪をひいて鼻水をそのまま放っておくと症状が悪化して、中耳炎や副鼻腔炎などの病気になる可能性があります。
鼻水が止まらないで1週間以上続く場合や、鼻水の色が青っ鼻で粘り気があるときや、子どもの機嫌が悪い、耳を触るなどの症状がみられるときには、ほかの病気にかかっている可能性があるため早めに受診しましょう。
子どもの鼻水が止まらないと心配になると思いますが、こまめに鼻水を拭きとったり、部屋を加湿するなどホームケアをしっかり行うことが重要です。
三塚沙希(エムズクリニック白金)
エムズクリニック白金 院長。
わかりやすく、丁寧な診察を心がけ、お子様からお年寄りまで安心してかかれるクリニックを目指している。
2019年04月11日
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