子どもが副鼻腔炎と診断されたとき、運動やプール、飛行機に乗ってもよいのか心配ですよね。ここでは、副鼻腔炎が完治するまでの期間や副鼻腔炎の治療中に気をつけることをエムズクリニック白金院長の耳鼻科医、三塚沙希先生の監修のもとご紹介します。
副鼻腔炎とは、風邪などが原因で副鼻腔に炎症が起きて、膿がたまる病気です。年齢の低い子どもや赤ちゃんが風邪をひくと、鼻水をまだ上手くかめずに鼻水をすすることで副鼻腔炎にかかりやすくなります。
主な症状は、「鼻水」「鼻づまり」「痰」「頭痛」「咳」です。
症状が4週間程度続く「急性副鼻腔炎」と、1~3ヶ月くらい症状が続く「慢性副鼻腔炎」があります。
「急性副鼻腔炎」は、処方薬を飲むと3~14日程度で完治するケースがほとんどです。
一方、「慢性副鼻腔炎」は、症状がよくなったり、悪くなったりを繰り返すことが多く、完治するまでに数カ月以上かかる場合もあります。
子どもが副鼻腔炎と診断され、治療中のときにはどのようなことに気をつけたらよいでしょうか。
鼻水をすすると、副鼻腔炎が悪化したり、長引いたりするため、鼻をこまめかんで鼻水をためないことが大切です。しかし、子どもが上手く鼻をかめず、鼻のかみ方をどのように伝えたらよいのか困っているママも多いのではないでしょうか。
子どもが鼻をかむときは、片方ずつゆっくりかむことがポイントです。片方の鼻の穴を指で押さえて息を吸ってからもう片方の鼻の穴から鼻水を出すようにします。言葉での説明では難しいかもしれないので、ママやパパが実際にやり方をみせるものよいでしょう。
副鼻腔炎は、治るまで薬を飲み続けることが大切です。
「急性副鼻腔炎」から「慢性副鼻腔炎」になるケースもあります。症状がおさまってきたからといって、自己判断で服薬をやめず、医師の判断にしたがって完治まで続けることが大事です。
「慢性副鼻腔炎」の症状はよくなったり、悪くなったりを繰り返すことも多く、完治するまでに時間がかかります。しかし症状が落ち着いているときは、通院間隔を少しあけながら受診し、症状が強く出ているときには、通院回数を増やすなどの調整をして放置しないことが大切でしょう。
副鼻腔炎のときにプールに入ったり、運動をするのはよいのでしょうか。また、旅行前に副鼻腔炎にかかってしまったときには飛行機に乗ってもよいのか心配に思うママもいるかもしれません。
副鼻腔炎のときの運動や、飛行機に乗ること、プールについて解説します。
鼻水がたくさん出ているときには激しい運動を控えましょう。
しかし、幼稚園や保育園でお友だちが運動をしている姿を見ると、自分もいっしょにやりたくなる子もいますよね。運動会や運動発表会といったイベントに向けて頑張っているときなどもあるでしょう。
子どもの症状によってどの程度の運動なら参加できそうか幼稚園や保育園の先生に相談してみるとよいかもしれませんね。
飛行機は副鼻腔炎の子どもにはつらいかもしれません。しかし、飛行機に乗るやむを得ない事情もあるでしょう。
飛行機が上昇するときの鼻や耳のつまりが苦手な赤ちゃんや子どもは少なくありません。副鼻腔炎のときには、さらに鼻がつまりやすく、副鼻腔炎の悪化や中耳炎につながることもあります。飛行機の気圧の変化で副鼻腔のなかの空気が膨張伸縮して、額や目と目の間など顔が痛いと感じることがあります。
副鼻腔炎にかかっている赤ちゃんや子どもといっしょに飛行機で移動するときには、離陸のときに、乳児であればジュースや母乳、ミルクを飲ませたり、幼児や子どもならばアメをなめるなど工夫し、副鼻腔炎の症状を悪化させないように予防策が必要です。他にもつばを飲んだり、あくびを促してみてください。
副鼻腔炎の子どもが飛行機に乗るときに「耳抜きをさせるとよい」という話を聞いたり実践したりしている人もいるでしょう。しかし、エムズクリニック白金院長、三井沙希先生によると子どもが力任せに耳抜きを繰り返すと、耳の内部を傷つけてしまう可能性があるため、保護者のやり方や自己判断で耳抜きをさせるのはおすすめできないそうです。子どもにあったほかの対策をあらかじめ耳鼻科医に相談しましょう。
頭痛や顔面の痛み、鼻汁が多いときにはプールは控えた方がよいです。プールに入ると鼻水が多くなることが多く、プールの消毒で使う塩素が粘膜を刺激して症状を悪化させたり、プールの水のなかのゴミがアレルゲンとなってアレルギー反応を起こし、症状が悪化することがあります。
鼻水が耳の方に流れて中耳炎になる可能性もあるので、副鼻腔炎のときは、プールは控え、スイミングスクールなども休んだ方がよいでしょう。
初めは症状があまり出ていなかったためプールに入ったけれど、プールに入ったあとに、鼻汁が緑色や黄色になったり、鼻づまりが強くなる、頭重感を感じるようになったなどの症状が現れたら、耳鼻科を受診してください。
副鼻腔炎には、「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」があり、完治するのにかかる時間も違います。「急性副鼻腔炎」は、「慢性副鼻腔炎」に移行することもあるため、副鼻腔炎にかかったら、ママやパパの判断で服薬を止めず、処方された薬を最後まで飲むことが大切です。
副鼻腔炎を治療中のときの運動や、プール、飛行機に乗ってもよいのか心配するママもいるでしょう。運動やプールに入れるかは、子どもの鼻水の量で判断するようですが、副鼻腔炎の特徴的な緑色っぽい鼻水が出ているときや、鼻水の量が多いときには激しい運動やプールは控えた方がよいでしょう。
副鼻腔炎の治療中に飛行機に乗るときは耳鼻科を受診して医師の指示に従いましょう。
三塚沙希(エムズクリニック白金)
エムズクリニック白金 院長。
わかりやすく、丁寧な診察を心がけ、お子様からお年寄りまで安心してかかれるクリニックを目指している。
2018年09月01日
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