近年、子どもの花粉症が増加しています。子どもが熱はないのに鼻水や咳などの症状が見られたら花粉症にかかっているかもしれません。子どもの花粉症は何歳からなるのか、3歳くらいの年齢でも花粉症にかかるのかなど解説します。また、子どもの花粉症の症状と対策法をご紹介します。
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今までは子どもの花粉症はほとんどありませんでしたが、最近は、5歳~9歳の子どもの5人に1人は花粉症といわれています。また最近は、3歳くらいから花粉症と診断されるケースが増えていて、何歳から花粉症になるとは言いきれませんが、花粉症の発症の低年齢化が進んでいます。
花粉量の増加や地球温暖化、大気汚染など環境の変化でアレルギーを持つ子どもが増えたといわれていますが、このような背景が花粉症の低年齢化と関係しているかもしれません。
花粉症の症状は、スギ花粉の多い春が最も増える傾向にあります。
ほかにも、春にはヒノキ、5月頃からはイネ科、秋になるとブタクサなどの花粉症があります。季節や住んでいる地域によって花粉症の症状が表れる強さは違ってくるようです。
子どもの花粉症は大人の花粉症と比べてどのような特徴や症状があるのかを詳しく見ていきましょう。
鼻水が多く、なかなか止まらないという症状がみられます。大人はサラサラな鼻水が多いですが、子どもの花粉症は粘り気のある鼻水も出ることが特徴です。さらに子どもの鼻腔は大人と比べて小さいので、くしゃみより鼻づまりだけが症状として出る場合もあります。そのため鼻をすする回数が増えるでしょう。
鼻水が増えたり、鼻がつまることで口呼吸が増え、のどで炎症が起こったり、気管に鼻が流れ込んで咳が出ることもあります。
咳や鼻水が多いのに、同時期に発熱がない場合は花粉症を疑ってもよいでしょう。花粉症で熱が出ることは、まずありませんが、鼻水や咳が続くことから免疫が低下したり、咽頭炎や扁桃炎に引き起こしたりして発熱することもあります。
目のかゆみは花粉症の特徴的な症状です。咳や鼻水などに目のかゆみが伴うことが多いです。子どもが花粉症にかかると、目やにが増え、大人より目のかゆみが激しく出ることがあるでしょう。なかには目のまわりがむくんだり、目が充血したりする場合もあります。
目がかゆいから手でこすったり、かいたりすると目の粘膜やまぶたが傷つき、炎症を起こす可能性があるので、点眼薬を使うとよいでしょう。
花粉症の薬の影響や鼻水、鼻づまりなどの症状で夜中に十分睡眠がとれないと昼間にぼーっとしたり、集中力が低下する場合があります。ぼーっとして、いつもより集中力が低下しているのは、花粉によるアレルギー症状が関係しているかもしれません。子どもの夜中の様子も気をつけてみるようにしましょう。
子どもが花粉症の症状で鼻づまりになり、睡眠不足になったり、集中力が低下することがあります。また、子どもの花粉症は気管支喘息やアトピー性皮膚炎などと関連していることもあります。
花粉症の季節に鼻水、咳があるというときは熱がなくても早めに受診しましょう。
花粉症は、アレルギー性鼻炎の一種で、スギやブタクサなどの花粉に反応して起こります。家族にアレルギー疾患の人がいたり、子どもがアレルギー要素を持っている場合は、花粉症に何歳からなるとは言いきれず発症率が高くなります。
花粉症の診断は「症状が発症しやすい時期」や「家族歴」などと照らし合わせて、鼻の中の状態をみたり、「鼻汁の検査」「血液検査」などを組み合わせて診断することが多いです。
花粉症にかかったときになるべく症状を抑えるためのホームケアをご紹介します。
外から帰ってくると、花粉が髪の毛や手などについています。花粉を体内になるべく入れないように外出先から帰ってきたら、手洗いうがいをしましょう。可能であれば、家に帰ってきたらすぐにお風呂に入ると花粉を落とすことができて効果的です。
外出するときは、花粉が体内に入ってくるのを防ぐためにマスクの着用が大切です。
「晴れていて気温が高い日」「空気が乾燥して風の強い日」「雨が降った翌日」などは特に花粉が多く飛ぶと言われています。1日のうちで気温が最も上がる13~15時の時間帯はなるべく外出を控えましょう。
花粉症は、アレルギーの原因となる花粉を取り除くことが大事です。外出から帰ってきたあとや部屋の窓を開けたあと部屋に入ってきた花粉は床や家具に付着します。掃除機で花粉を吸引したり、家具は、ぬれ雑巾で拭くなどこまめな掃除で部屋の花粉を取り除けます。
花粉症の治療薬には、「内服薬」「点眼薬」「点鼻薬」があり、症状に合わせて使用され、症状の強さによっては、さまざまな薬を組み合わせて服用します。花粉症に3歳くらいでかかっても年齢に合わせた薬が処方されます。
内服薬の場合は、飲み薬でアレルギー症状を抑えることが多いでしょう。目のかゆみが強く出ているときは、目のかゆみを抑えるためにステロイド点眼薬が処方されます。
くしゃみや鼻水や鼻づまりの症状が強く出ているときには、対症薬点鼻薬を使ってくしゃみ、鼻づまり、鼻水を抑えます。
子どもの花粉症は、大人よりも症状が軽症で、期間も短い場合が多い傾向にあります。ただし、毎年花粉症にかかったり、症状が重い子どもの場合は症状が出始める前に薬を処方し、花粉のシーズンが落ち着くまで2~3ヶ月使用することもあります。
子どもが花粉症で苦しまないためにも、自己判断で薬の使用をやめず、医師の方針に従うことが大事です。
「花粉症は何歳からなるのだろう」「3歳の子どもでも花粉症になるのかな」と思っているママもいるでしょう。
最近では、3歳くらいで花粉症にかかる子どもも多く、花粉症の子どもが増加傾向です。3歳くらいの幼児でも、花粉症の季節に鼻水、鼻づまり、咳の症状が見られたら熱がなくても早めに耳鼻科や小児科を受診し医師の診断をうけましょう。
子どもの花粉症は、鼻づまりや咳の症状が強く、薬や花粉症の症状が影響して子どもがぼーっとしたり、集中力が低下したりすることがあります。ほかにも目のかゆみを伴ったり、花粉症の症状が悪化すると発熱性の熱をだしたり、気管支喘息やアトピー性皮膚炎につながることがあります。
子どもが花粉症の場合、長期間、薬を飲むことになると心配になるかもしれませんが、花粉症の薬は年齢や体格や症状の強さによって分けられているので医師の判断に従って最後まで飲むことが重要です。ホームケアをしっかり行いながら子どもがなるべく快適に過ごせるように花粉症と上手に付き合っていきましょう。
三塚沙希(エムズクリニック白金)
エムズクリニック白金 院長。
わかりやすく、丁寧な診察を心がけ、お子様からお年寄りまで安心してかかれるクリニックを目指している。
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