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【小児科医監修】アレルギー性鼻炎の原因とは、風邪との違いや発熱の有無、花粉症との関係
Profile
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
「うちの子、なんかいつも鼻が出ている」「風邪が治っても鼻の症状だけはいつまでも残っているな」と感じたことのあるママもいるのではないでしょうか。その原因、実はアレルギーの可能性があるようです。そこで、専門家にアレルギー性鼻炎の原因、風邪による鼻の症状と見分け方、花粉症の可能性、熱の有無などを聞いてみました。
鼻炎を伴う代表的な病気はアレルギー性鼻炎と風邪
くしゃみや鼻水など、子どもがかかりやすい鼻炎を伴う病気には、大きく分けてアレルギー性鼻炎と、風邪による鼻炎の2つがあるようです。
それぞれの原因や症状の違いについて調べてみました。
原因について
体が過剰反応するアレルゲン物質が鼻の粘膜につくと、それを体の外へ押し出そうするために大量の鼻水が出てくるのが、アレルギー性鼻炎の原因です。
一方でウイルスや細菌が体内に入り、悪さをすることで鼻水やくしゃみが起こります。
くしゃみの回数と鼻水の形状について
どちらもくしゃみは出ますが、アレルギー性鼻炎の場合は1回すると数珠つなぎにくしゃみが出て止まらなくなることもあります。
アレルギー性鼻炎で出る鼻水は、水のようなさらさらとした形状で、色は透明に近いのが特徴です。
一方で風邪による鼻水は、粘り気が少しあるどろっとしたものが多く、鼻水の色は最初は透明であっても、ウイルスや細菌と戦った白血球の死がいが鼻水に混ざるので、黄色~青緑っぽい色をしてくることが多いです。
熱の有無と症状が続く期間
アレルギー性鼻炎の場合は、熱はでません。
アレルギー性鼻炎の場合は、原因となるアレルゲンにもよりますが、症状が長引くこともあり、2~3カ月続く場合もあります。
風邪による鼻炎の場合は、37度以上の発熱を伴うケースが多く見受けられます。時には40度近くになる場合もあるので、注意が必要です。
処方された薬を適切に服用していれば、概ね1週間程度で治ることが多いようです。
アレルギー性鼻炎=花粉症!?
上のアレルギー性鼻炎と風邪による鼻炎の違いを照らし合わせて「うちの子、ひょっとしたらアレルギー性鼻炎かも」と思ったママもいるのではないでしょうか。
さらに「アレルギー性鼻炎ということは、花粉症ってこと!?」と思っている人も、なかにはいるかもしれません。
そこで、アレルギー性鼻炎=花粉症なのかを調べてみました。
アレルギー性鼻炎は原因によって2種類に
アレルギー性鼻炎は、鼻炎を起こす原因によって大きく2つに分けられます。
1つめはダニやホコリなどのハウスダストや、ペットが原因となるもので、季節を問わず鼻炎になるので「通年性アレルギー性鼻炎」と呼ばれています。
もう1つは「季節性アレルギー鼻炎」と言われるもので、スギやヒノキ、ブタクサなど特定の時期に飛ぶ花粉が原因で起こる鼻炎です。これを花粉症といいます。
何がアレルゲンなのか特定するにはどうしたらいいのでしょうか。
鼻炎の原因の見分け方
アレルギー性鼻炎と風邪による鼻炎かどうか、さらにはアレルギー性鼻炎だった場合、鼻炎の原因となっている物質(アレルゲン)を調べるにはどうしたらいいでしょうか。
専門家曰く
“
アレルギー性鼻炎かどうかは鼻の粘膜の状態である程度は判断できますが、最終的には血液検査などでアレルギーがあるかどうかを調べる必要があります。
出典: Askdoctors
その他、皮膚にごく浅い傷を作り、アレルギーの原因と考えられる物質(抗原)の液を垂らし、その反応をみてアレルギーかどうか、アレルゲンの特定をする皮膚テストなどで調べることができます。
検査を受けた方がいいかも含めてかかりつけ医に相談しましょう。
アレルギー性鼻炎のホームケア
アレルギー性鼻炎と診断された場合、どうしたらいいでしょうか。ホームケアを教えてもらいました。
薬はきちんと服用
アレルギー性鼻炎と診断された後に処方された薬は、用法、用量を守ってしっかり服用しましょう。
「鼻水でなくなったみたいだし…」と勝手に薬をやめてしまうと、落ち着いてた症状がまたぶり返してしまうことも。先生の指示にきちんと従いましょう。
掃除をこまめに
ハウスダスト、花粉ともに部屋に原因物質が散乱していると、自然と鼻炎がひどくなります。
掃除機やハンディモップなどを活用してこまめに掃除をし、アレルゲンを取り除きましょう。
外出先から持ち込まない
外から家の中にアレルゲンとなる物質を持ち込まないように心がけてください。
花粉の季節は、部屋に入る前に洋服をササッと手で払うだけで花粉を落とす効果も。
もしペットがアレルゲンの場合は、ペットを清潔に保ち、外で飼育する環境をととのえて。
アレルギー性鼻炎=花粉症ではない。原因や熱の有無などを見極めて
アレルギー性鼻炎と風邪による鼻炎は、原因や症状や治るペースなどが異なることがわかりました。鼻炎の原因がアレルギーなのか風邪なのかを調べることが、適切なケアをするためのポイントとなります。
さらに、アレルギー性鼻炎=花粉症とは限りません。
大きく分けるとハウスダストやペットなどの通年性アレルギーと、花粉症などの季節性アレルギーの2つがあるので、アレルゲンとなる物質をきちんと調べる必要があります。
調べる方法は、鼻の粘膜を医師が診察する方法のほか、血液検査などの方法があります。検査を受ける、受けないも含めてかかりつけ医に相談するといいでしょう。
また、アレルギー性鼻炎と診断された場合は、できるだけ日常生活圏内にアレルギーの原因となる物質を溜め込まない工夫を。鼻水や鼻づまりは、命にかかわる症状ではないものの、長期に渡ったり、度重なってしまうと、子どもにとっては辛いものです。
不快な症状をできるだけ抑えるような環境を整えてあげてくださいね。
監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)
信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。
症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。
お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
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