コロナ禍の習い事。子どものモチベーションを維持する方法【中澤佑二】

コロナ禍の習い事。子どものモチベーションを維持する方法【中澤佑二】

読者からお悩みを募集し、子育て、教育、健康など各分野の専門家にご回答いただく人生相談コーナー。今回は元サッカー日本代表の中澤佑二さんが、コロナ禍での習い事に関するお悩みに答えます。お悩みはオンラインで随時受付中!

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【お悩み】コロナで習い事のモチベーション維持が難しい。今の時期にできることは?

11歳男児のママ
11歳男児のママ

幼稚園時代から空手を続けています。小5の今、コロナ禍で大会はなくなり、道場での練習とリモート稽古という不規則な練習になってしまいました。

これまでは大会という大きな目標があり、道場練習で先生や仲間とコミュニケーションが取れていましたが、今は「何のために昇級審査を受けるんだろう」と気持ちがボンヤリとしてしまっているようです。

今まで好きでがんばってきたはずの空手に対し、モチベーションを維持するためにどんなことができるでしょうか。また、家の中でもできる体づくり、トレーニング法などあれば教えていただきたいです。

【中澤さんの回答】親が子どもに教わることでコミュニケーションしながら空手を極めては

スポーツ命だった子にとって、これまで通りできなくなることは本当につらいですよね。

相談者さんのお子さんは、コロナ禍で大会がなくなって練習も不規則になってしまったとのことですが、こういう場合は、昇級や大会のことはいったん横においておいて、家の中で空手を極められる方法を考えてみるのはどうでしょうか?

たとえば、お父さんお母さんが息子さんから空手を教わってみる。息子さんに「お父さんお母さんも空手をやってみたいから型を教えて」と言えば、教えることがモチベーションにつながるかもしれません。

どのスポーツでも、そのスポーツを理解していなければ人に教えることはできないし、教えることで空手に対してより勉強することになり、立場が逆になることで先生の気持ちも分かると思います。

実はわが家も、コロナ禍で娘がラクロスをできなくなったときには、僕のほうが娘に教わる形で一緒に練習をしました。

娘からは「ぜんぜん違うよ」とか「できてない」とあーだこーだ言われましたが、プロだった父が自分より全然できないということが楽しかったみたいで(笑)。その後も娘からラクロスに誘われるようになりました。

子どもにとっては、「親に教える」という体験も嬉しいのでしょうね。

一方で、「新しいスポーツを始めたばかりでコロナ禍になってしまい、やる気をなくしている」というお子さんもいるかもしれません。

習い事でもなんでも、やり初めにおもしろいと思えるかどうかが一番肝心だから、リモートになると、とくに体を動かす習い事は難しいですよね。

この場合も親が一緒に取り組んで、「どっちが早く上達するかな」と競い合うのがいいのではないでしょうか。

お父さん、お母さんがうまくできないことで、「自分もうまくできなくても大丈夫なんだ」と安心できるかもしれないし、公園でサッカーが苦手そうなお母さんと子どもがボールを蹴る姿を見かけることもありますが、お母さんが本気になると子どもはさらに楽しそうです。

たとえコロナ禍じゃなかったとしても、自分のしていることに親が興味を持ってくれて、時間を使ってくれて、一緒に楽しめること自体が、子どもにとっては嬉しいことなのだと思います。

僕も子ども時代、すごく厳しい親父がキャッチボールをしてくれたり、一緒に走ってくれたりしたことはいまだに覚えています。

今のこの状況は、ケガや病気で自分だけが止まっているというわけではなく、世界中、どのスポーツもみんな同じだということを5年生なら理解できると思います。よくなることを祈って、今できることをしようと話の方向性を変えてみるのもよいでしょう。

子どもに教わることが家族の絆やコミュニケーションにつながると思うので、通えない今、お母さんも空手をいちから一緒に楽しめたらいいですね。

Profile

中澤佑二

中澤佑二

1978年2月25日生まれ。埼玉県出身。元サッカー日本代表。三輪野江小→吉川東中→三郷工業技術高→FCアメリカ(ブラジル)→ヴェルディ川崎→東京ヴェルディ1969→横浜F・マリノス。
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2021.09.28

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