みんなどれぐらいやってる?幼児期に必要な3つの学習準備

みんなどれぐらいやってる?幼児期に必要な3つの学習準備

小学校に進学する前に、子どもに何か学ばせたいと考えているママも多いはず。特に近年、幼児教育の重要性が改めて見直されており、幼児教育への注目度が高まっています。そんななか、幼児の学びに関する興味深いアンケート結果が「ベネッセ総合研究所」から発表されました。その一部をご説明します。

キーワードは「幼保小接続」

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「幼保小接続」という言葉を知っていますか?近年、幼児から小学校までの時期は「学び」に向かう基礎的な力を身につける大事な時期だと再認識されています。幼児期の教育や保育と小学校の教育がスムーズにつながるように、幼稚園・保育園・認定子ども園などの園と小学校で「接続カリキュラム」などが進められるようになりました。そういった幼児期の教育と小学校教育の接続を「幼保小接続」と言います。

学習準備のために育てたい3つのこと

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2016年3月、ベネッセ教育総合研究所は「幼児期から小学1年生の家庭教育・横断調査」の結果を発表しました。母親544名へのアンケートを元に、子どもの学びが育つプロセスと家庭での子どもの学びについて探っています。

就学前のお子様を持つご家庭のかたが子どもの育ちについて小学校入学までの見通しを持って考えられること、大切となるポイントを知り子育てをするうえで工夫できることを目指しています。

出典: ベネッセ教育総合研究所 「幼児期から小学1年生の家庭教育・横断調査 速報版」

小学校以降の学習基盤として「自立した生活習慣と物事にとりくむための集中力」「人と協力しながら物事に取り組む力」が重要視されています。この力を身につけるために、幼児期に育てたい学習準備に必要な軸は「生活習慣」「文字・数・思考」「学びに向かう力」。今回のアンケートではこの3つの軸を置いて調査しています。

それでは、さっそくアンケート結果をみながら幼児期の学びについて考えてみましょう。

生活習慣

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アンケート結果

生活習慣についてのアンケート結果は以下のようになっています。

早寝早起きについては「夜、決まった時間に寝ることができる」は、年少児期ですでに86.0%が「とてもあてはまる」「まあまああてはまる」と回答しています。お片づけについては「家で遊んだ後、片づけができる」は年少児67.1%、年中児64.9%、年長児66.0%に対して小1生は63.8%といちばん低い結果となりました。あいさつについては「おはよう、ありがとうなどのあいさつやお礼が言える」では、年少児90.1%、小1生87.1%と、年を追うごとにできなくなっていく傾向が見られました。


親ができること

アンケートの結果で驚いたのは、「片づけ」や「あいさつ」という年長児期までできていたことが、小学生になってできなくなることです。環境の変化も原因のひとつに考えられますが、大人の視線が減ったことも原因のひとつではないかと考えられます。

「子どもにはのびのび育ってほしいし、あまり口うるさく言いたくない」という気持ちもわかりますが、子どもが生活習慣をきちんと身につけるまでは伝え続ける必要があるのかもしれませんね。

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文字・数・思考

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アンケート結果

「自分の名前をひらがなで書ける」と回答したのは、年少児では44.8%でしたが、年中児になると88.1%と飛躍的に増え、年長児になると98.6%と、ほとんどの子どもが書けるという結果になりました。「20までの数を正しく数えられる」という項目に対する回答は、年少児でも81.9%と高い数字に。「自分のことばで順序「たてて、相手にわかるように話せる」という項目に対しては、年中児以上になると8割以上の子どもが「あてはまる」「とてもあてはまる」という結果になりました。


親ができること

結果の通り、文字・数・思考については4年のあいだに飛躍的に成長することがわかります。この時期にどんどん文字や数を教えてあげたいですね。家庭での学習がむずかしいなら、習いごとで補ってみてもいいかもしれません。

でも、文字や数を教えるのに夢中になりすぎないように注意。のびのび遊ばせてあげることも大事です。メリハリある幼児教育ができたらいいですね。

学びが育つプロセス

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アンケート結果

「新しいことに好奇心をもてる」「工夫して遊べる」といった好奇心についての質問では、年少児期からの4年間で8~9割と高い割合を保っています。「自分がなにがしたいのか言える」や「困ったことがあったらまわりの人に助けを求められる」という自己主張は、4年間でやや減っていく傾向が見られました。「遊びなどで友だちと協力することができる」という協調性に関しては、年少児87.5%、年中児93.8%、年長児97.0%と少しずつ増え、小1生では95.8%とやや減るものの、高い割合を維持しています。


親ができること

この4年間は好奇心が高い時期ということがアンケート結果からもわかるので、この時期にどんどん伸ばしてあげたいですね。一緒にいろんな場所に出かけてたくさん刺激を与えてあげましょう。

ただ、成長するにつれて自己主張ができる子どもが減り、協調性は高い割合を維持しているという結果から、もしかしたらだんだんと子どもが周囲の目を気にし始めるのかもしれません。子どもの好奇心を大切にしたい時期ですから、周りを気にして「空気を読む」のではなく興味を持ったことにはとことん追求させてあげたいですね。

まとめ

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以上、年少児から小学1年生までの「学び」に関するアンケート結果をみてきました。年齢ごとに大きく成長することもあれば、そうじゃないこともあるということがわかりました。学習準備を完璧にする必要はなく、むしろ、生活習慣など基本的なことがおろそかにならないように気をつけるべきかもしれません。このアンケート結果を参考に、子どものどういう部分を伸ばしてあげたいか、ぜひ考えてみてください。

ベネッセ教育総合研究所 幼児期から小学1年生の家庭教育調査・縦断調査 速報版(2015年3月調査)

2016.09.26

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