怒って泣きわめいていた子がガラッと変わる…「キレにくい子」が育つ家庭がやっている"脳を鍛える習い事"
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キレやすい子とそうでない子は何が違うのか。脳科学者の澤口俊之さんは「感情をコントロールする能力は、脳の前頭前野が深く関係している。幼少期から前頭前野を適切に鍛えることが重要だ」という――。 ※本稿は、澤口俊之『脳科学で知る! 世界一わかりやすい「怒り」の教科書』(ハーパーコリンズ・ジャパン)の一部を再編集したものです。
生まれてすぐ大泣きするのは人間ならでは
他の多くの動物と同様に、私たち人間が怒り感情を持つことはごく当然のことで、人生のベースにありつづけます。
人は、生まれてすぐに泣きますよね。怒りのせいで泣くのか、怖れのせいで泣くのか、はたまた両方のせいなのか……、怒りと怖れは「表裏」ということもあって、赤ちゃんの泣き方が両者で似ているので大人にはわかりませんが(母親の脳はわかるようですけど)、生誕直後に大泣きするなんてことは、他の動物ではほぼあり得ないことです。
生誕後から1歳頃まで、つまり言葉が出るまでのコミュニケーションの主要な手段の一つは、この「泣くこと」です。泣くことによって、次の3つのことを主に訴えていると考えられます。
1番目は、お腹なかが空いているときで、これは生存のために重要であることは明らかでしょう。赤ちゃんは自分で食べるものをまだ手に入れられないわけですから、泣いてまわりの人間に「お腹が空いた!」と訴えるのです。
2番目は、痛みなど、体の不快感への訴え。これも生命の危険につながるものになります。痛みを訴えることで、助けを求めます。
3番目が、寂しさや怒りによるもの。特に母親などの保護者に対して「こうしてほしいのにそうならない」という感情をぶつけたいときに、「泣く」という行動として表れます。
前頭前野が怒りの感情をコントロール
実は、1歳ちょっと前からこのような泣き方が減っていき、1歳を過ぎる頃から、怒り感情をコントロールできるようになってきます。逆に言うと、この時期、つまり1~2歳の頃に怒り感情の扱い方を学んでおかないと、「かなり大変なことになる」と予言せざるを得ません。
怒り感情は扁桃体で生まれ、前頭前野がその怒りをコントロールしています。この「脳の調整役・監督役」である前頭前野が成熟するのは、20代中頃と言われており、幼児では当然未発達なのですが、実はこの時期こそ、著しい成長段階にあるのです。だからこそ幼少期から、アンガーマネジメントの肝である前頭前野を鍛えることが重要になってくるのです。





























