小学生がボトックスに二重成形、しみとりまで…「なぜそんなに容姿を気にするのか」への衝撃の回答
容姿コンプレックスから子を守る親の最高の声かけ
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子供たちが肉体的・精神的に大きく変化を遂げる夏休みは、プールなどがきっかけで他者との身体的差が顕著になりやすい。SNSの影響で、児童期の子供も容姿へのこだわりを強く抱く可能性があるなか、子を持つ親はどんな姿勢であるべきか。容姿へのこだわりを研究している、公認心理師・臨床心理士の大村美菜子氏は「父から娘、母から息子への肯定的な言葉が大きな効果を持つ」という――。
若年化する美容医療の現実
小学生が整形。とても信じ難いことだが、ボトックスをはじめ、鼻を高くする、目を二重にする、しみ・ほくろをとるといった美容医療の利用者は近年ますます若年化し、小学生の数も増加傾向にある。
容姿へのこだわりは、今や女子に限らず男子にも共通の悩み。なぜ、そこまで容姿を気にするのか? と問いかけると、子供たちはこう答えるそうだ。「太ったと友人から言われた」「親や見ず知らずの大人から容姿を指摘された」「世の中が容姿の良さを求めているから」――。
「昨年頃から、メディアから子供の容姿に関する取材を受けることが増えました」
と話すのは、『きれいになりたい病』(風鳴舎)の著者であり、公認心理師・東京未来大学講師の大村美菜子氏。2024年6月に小学生を対象に行った容姿に関する調査では、子供たちが容姿を気にするようになったきっかけが浮彫りになった。
「小学生が学校で容姿を気にする場面として、体育やプールの授業、身体測定に関する記述が複数ありました。これらの場面には、容姿を意識しやすくなるいくつかの要因があります」
体育の授業で着用する体操着は、体型や肌の状態が周囲に見えやすくなる。身体測定では身長や体重が数値として表れ、他者と比較されやすくなる。プールでは水着を着用することで体の露出が増え、普段隠れている肌の状態や体型が周囲の目に触れやすくなってしまう。特に小学生の時期は成長段階の個人差が大きく表れるため、他者との違いに敏感になりやすい。
「小学生にとって学校は自分の社会であり、ほとんどの時間を過ごす場所。だからこそ、学校の友達や先生からの意見や反応が、とても意味を持ちます。何気ない指摘や“いじり”がコンプレックスを強める原因ともなりかねない。さらにはメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性もあります」