たった1日でどこに投資すべきかわかる…「30歳貯金ゼロ」のサラリーマンが1億円貯めるために"やめたこと"
だから日本企業株を買うのはおススメできない
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節約以外にお金を貯める方法はあるのか。桶井道、堀田孝之『時をかける貯金ゼロおじさん 35年前に戻った僕が投資でゆっくり「億り人」になる話』(KADOKAWA)より、主人公のシンジに投資を教える会社の先輩とのやりとりを紹介する――。
節約から次のステップへ
シンジは、投資について学ぶべく、桶狭間先輩に連絡をとった。
アンティークのテーブルとソファが並んだ「喫茶ぱにぱに」の店内は適度に薄暗く、お客もまばらなので、ここならゆっくり話ができそうだ。シンジは節約生活がうまくいっていることを伝え、いよいよ投資について教えてほしいとお願いした。
「投資信託がある!」
「なんですか、それ」とシンジは聞いた。
「複数の投資先、つまり多くの企業がひとつにパッケージ化されている商品が投資信託だ。たくさんの企業の株式が入った幕の内弁当のようなイメージだね。投資信託は、投資のプロが優良企業を選択して運用してくれるもの。だから安心。投資信託を購入すれば、そこに組み込まれている株式などに一括で投資することができるんだ。投資信託は個別株と違って、100円からでも投資できる。だから、まとまったお金は必要ない」
「そんないいものがあるんですか!」
「うん。だからシンジくんは、ネットで証券口座を開設して、NISA口座(詳しくは本書247ページ参照)のつみたて投資枠で、投資信託を毎月9万円の積立で購入する。それを35年間、続けていく。そうすれば資産はおのずと1億円になるだろう」
「マジですか⁉」
「マジです。たとえば、毎月9万円を35年間貯金したら、9万円×12カ月×35年=3780万円にしかならない(無利息と仮定)。一方、毎月9万円を積立投資して、年率5%で35年間複利運用したら、1億225万円にもなる」
「す、すみません! 複利って何ですか?」
複利の魔法が資産を増やす
桶狭間はiPadの画面をシンジに見せた。そこには右肩上がりのグラフがある。
「複利とは、利子にもまた利子がつくこと。たとえば、100万円を投資して年率5%で複利運用できた場合、1年間で5万円の利子を受け取ることができる。そのまま放置しておくと、今度は100万円ではなく105万円に利子がつくため、受け取れる利子は5万2500円に増加する。その翌年の利子は5万5125円になる。これを長期にわたって継続して、さらに毎月の積立で元本を増やしていくと、利子は雪だるま式に増えていくんだ」
「ただし、これはあくまでシミュレーションだから。実際には、毎年必ず得をするわけじゃないからね。投資は損する年もある」