やっても無駄なのにダラダラ続けてしまう…誰でも「惰性をきっぱり手放せる」自分への問いかけフレーズ
もしまだこのプロジェクトに入っていなかったとしたら…
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惰性で続けていることをやめるにはどうしたらいいか。企業コンサルタントのグレッグ・マキューンさんは「ただ惰性でつづけていることはすぐにやめるべきだ。それらを手放すために役立ついくつかのヒントを紹介する」という――。 ※本稿は、グレッグ・マキューン『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
利益が出ていないのに手放せない
「ここでやめたら今までの投資が無駄になる」と思うあまりに、望みのない投資を重ねてしまう。これが悪循環を生み、投資額が増えれば増えるほど、脱け出すことが難しくなる。この心理的傾向を、「サンクコスト(埋没費用)バイアス」という。
また、所有という概念は、人の心に大きく影響する。わざわざ買おうと思わないようなものでも、いったん所有してしまうと失うのが怖い。「授かり効果」という心理的バイアスのせいだ。
困ったことに、こういうバイアスは品物だけでなく、行動についても当てはまる。たとえば、自分がリーダーをつとめるプロジェクトは、たとえ利益が出ていなくても存続させたい。自分が主導している企画からは、なかなか手を引きたくない。
行動やプロジェクトが「自分のもの」だと感じるとき、そこから離れることはひどく難しくなるのだ。
そんなときに役立つヒントを紹介しよう。
持っていないふりをする
心理学者のトム・スタッフォードは、授かり効果に対する強力な対抗策を紹介している。「どれくらいの価値があるか?」と考えるかわりに、「まだこれを持っていないとしたら、手に入れるのにいくら払うか?」と考えるのだ。
仕事やその他の活動でも、同じテクニックが使える。たとえば思わぬチャンスが舞い込んできたとき、「このチャンスを逃したらどう感じるか?」と考えるかわりに、「もしもまだこのチャンスが手に入っていなかったら、手に入れるためにどれだけのコストを払うか?」と考えるのだ。あるいは長期化している仕事のプロジェクトに対して、「もしもまだこのプロジェクトに参加していなかったら、参加するためにどんな犠牲を払うか?」と考えるのだ。