「1日に10回以上トイレに行く人」は無自覚に健康ダメージを受けている…「水はたくさん飲めばいい」は本当か
健康を守る「沈黙のフィルター」が悲鳴を上げている
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「水をたくさん飲むほど体にいい」という考え方が広まっている。西洋医学と東洋医学に詳しいイシハラクリニック副院長の石原新菜さんは「漢方医学的な考えでは、水を取りすぎると“毒”になるととらえている。実際、水の摂りすぎが腎臓にダメージを与えることがある」という――。(第3回/全3回) ※本稿は、石原新菜『体温を1度上げると不調はすべて解消する』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
水分の摂りすぎは漢方医学的に「毒」
いつの頃からか、「水はたくさん飲めば飲むほど体にいい」という認識が広まっているようです。
私のクリニックの患者さんの中にも、「健康のために、水分はしっかり摂っています」とおっしゃる方は少なくありません。ダイエット、熱中症対策、血液サラサラのためなど、始めたきっかけはさまざまのようです。
でも、漢方医学的な考えでは、水の摂りすぎはNGです。水は体を冷やして血管を収縮させ、さまざまな不調を引き起こす原因になると考えるからです。
過ぎたるは及ばざるが如し
「水をたくさん飲んでいます」という方に限って、水分の摂りすぎが明らかに不調の原因となっていることは少なくありません。
植物に水を多くやりすぎると根腐れしてダメになってしまうように、人間にも適度な水分バランスがあります。体の中に余分な水分が溜まっている状態を、漢方では「水毒すいどく」といいます。
水は人が生きるためになくてはならないものですが、摂りすぎてしまうと「毒」になってしまうということですね。