「子どもいないの?」答えたくない質問をしてくる無神経な人をエレガントに追い返す"必殺フレーズ"
「結婚しないの?」にも使える"じんわりと確実に効く一言"
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「子どもいないの?」「結婚しないの?」といったデリケートな質問をしてくる人には、どう切り返せばいいのか。脳科学者の中野信子さんは「うっかり論破しそうになってしまうのを抑えて、じんわりと確実に効く一言をエレガントに伝えるといい」という――。 ※本稿は、中野信子『エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術』(日経BP)の一部を再編集したものです。
うっかり論破しそうになるのをぐっと抑えて…
本書を編む上でインターネット上で行ったアンケートにご協力くださった方々から、セクハラされて困っています、マウンティングされてつらいです、というお悩み・ご相談をたくさんいただきました。
ですが、今までなら、またか……と感じていたであろうこんなときこそ、京都式の毒の振りまき方を練習するチャンスです。
がくっと来てしまったり、逆に、うっかり論破しそうになってしまうお気持ちも分かりますが、ぜひそれはぐっと抑えて、じんわりと確実に効く一言を、エレガントに発動していきたいものです。
「子どもいないの?」というややデリケートな質問には、一拍おいて「……『子どもいないの?』っておっしゃいました?」などと聞き返す。
あたかも、尊敬するあなたがそんな質問をしてくるなんて! という体ていで、びっくりしたようにオウム返ししていきましょう。そして、返事はここで止めておいて、あとはじっくり、本人の中で毒が効いてくるのを待つのです。
「結婚しないの?」には…
現代は、たとえばテレビでそんなことを言おうものなら、場合によってはその発言者は炎上して出演自粛ということにもつながっていきかねません。政治家ならことによっては致命傷にもなり得ます。そうしたコンプライアンス重視の世の中であることも、多くの人が承知している時代です。それを「てこの支点」のように使うのです。
相手の中に、しまった、あんなことを言うのではなかった、とあとから次第に大きくなっていく後悔の念を刻むことができたら、大成功です。
「結婚しないの? いいものだよ」というのも、これまた定番の、現代ではハラスメントとされてしまうであろう発言の一つです。まずは基本の型、オウム返しで「結婚ですか? いいものなんですねえ?」と聞き返す。悪くないよ、とか、いいものだよ、という言葉にひとかけらの後ろめたさもないのであれば、ほのぼのとしたのろけが返ってくるかもしれませんが、結婚生活というのは、実はそううまく回っているとばかりはいえないものです。