ストレスに負けない人は「たった一つの指標」を持っている…公認心理師が「もう疲れた」という相手に伝えること

ストレスに負けない人は「たった一つの指標」を持っている…公認心理師が「もう疲れた」という相手に伝えること

"思考のクセ"が心の回復を妨げている

【第2回】くつろげるはずの在宅勤務でなぜ体調を崩すのか…心を病んだ公認心理師がカウンセリングを受けて知った事実 「悩み」を抱えたときにはどうすればいいか。公認心理師の伊藤絵美さんは「30年以上カウンセリングを行ってきて、気づいたことがある。人間関係、仕事、トラウマ……表に見える“困りごと”は様々でも、根本には同じ問題を抱えている」という――。 ※本稿は、伊藤絵美『自分にやさしくする生き方』(ちくまプリマー新書)の「まえがき」を抜粋・再編集したものです。

カウンセリングを受けに来る人たちの共通点

こんにちは。伊藤絵美と申します。

私は心理職(公認心理師、臨床心理士)として、長年(かれこれ30年以上)、カウンセリング(心理相談や心理療法)を行ってきました。

その対象は幅広く、うつ病や不安症といったメンタルヘルスの症状を抱えている人もいれば、勉強や仕事の進め方に問題を抱えている人、生活リズムが乱れて困っている人、対人関係がうまくいかず悩んでいる人、心理的なストレスが身体の症状として出てしまいがちな人、ストレス対処のためにセルフケアの方法を身につけたい人、人生の意味や目的を見失いどうしたらよいかわからないという人、トラウマの後遺症に苦しめられている人……など、実にさまざまな人がいます。

このようにクライアント(相談者のことをそう呼びます)が抱える表向きの困りごとは多種多様ですが、そこには共通する特徴があります。それは「自分に厳しい」ということです。

みなさんの話を聞いていると、口癖のように出てくるのが、「自分はダメだ」「自分を信じられない」「自分が嫌い」「自分は何をやっても上手くいかない」「自分には価値がない」など、自分を容赦なく責め立てるような厳しい言葉たちです。

とにかくみなさん、自分に厳しすぎるんです!

「自分に甘すぎる」という勘違い

なかには「(厳しいどころか)私は自分に甘すぎる。そんな自分が大嫌い」などと言う人もいます。

私から見れば、そのような人は全然自分に甘くなんかなく、「自分に甘すぎる」というレッテルを貼ることで、ますます自分に厳しくしているとしか言いようがありません。そしてその厳しさのせいで、ますます心身の状態が悪化するという悪循環にはまっています。なんということでしょう。

では、これらのクライアントがカウンセリングを通じて回復していくと、どう変化するでしょうか。もちろん個々のクライアントが抱えている具体的な問題が解決するのですが、それと同時に、みなさん、自分にやさしくできるようになります。自分に対して厳しい言葉を投げつけることが少なくなり、自分を大切にする行動が取れるようになります。逆は決してありません。自分に厳しい人がさらに自分を厳しく追い込むことによって回復したケースには、一度も遭遇したことがありません。ここから何がわかるでしょうか?

それは、自分に厳しくすることは人を幸せにしないということ、自分にやさしくすることで人は回復できるということの二点です。

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2025.07.12

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