書類で落とされる「91%の人」はこれが足りない…45歳超の転職で面接に進める「9%の人」の提出書類の中身
求人数は35歳→40歳で半減→45歳でさらに半減
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ミドル世代以上を対象にした採用に積極的な企業が増えているが、実際に入社するのはかなりの狭き門だ。人事ジャーナリストの溝上憲文さんは「10人中9人は、面接はおろか書類選考さえ通過できないケースも。転職活動に苦戦する人の多くは書類の書き方に問題がある」という――。
「書類選考率9%、9割は書類も読まれず不採用!」は本当か
都内の電車に乗っていると「45歳からの転職のリアル」と題し、「書類選考率9%、9割は書類も読まれず不採用!」と謳う転職エージェントの中吊り広告が目に入った。
書類選考率9%と聞くと、そんなに厳しいのかと驚く人もいるかもしれない。
この広告は、45歳以上の中高年の転職の厳しさの実態を強調しつつも、やり方しだいで転職も成功すると言いたいのであろう。
実際に中高年の求人ニーズは近年高まっているといわれる。その背景には、人手不足である上に、若年層を獲得するのが難しく、中高年層に採用枠を広げているという事情がある。そうであるにもかかわらず、中吊り広告が物語っているように中高年の転職は厳しいのが現実だ。
あるミドル世代専門の転職コンサルタントはこう語る。
「転職サイトに登録している人は35歳までの人が4割程度ですが、その年齢以上の人が6割を占めている。逆に、企業が求人する年齢層は、以前は35歳以下が8割、35歳超が2割程度でした。近年はミドル対象の求人が増えているといっても25~30%ぐらいではないか。7割の求人企業は35歳以下を求めており、ミドルが狭き門であることには変わりない」
つまり、転職市場は35歳以上の求職者が多いが、求人の需要は少ない現状にある。さらに「40歳以上になると求人はさらに半減し、45歳でさらに半減し、5歳ごとに半減期がくる」(転職コンサルタント)など、年齢を重ねるごとに求人は少なくなる。中吊り広告の「書類選考通過率9%」は決して“煽り”でないのだ。
実際に中高年の転職率は低い。
マイナビの「転職動向調査2025年版(2024年実績)」によると、正社員の転職率は以下の通りだ。
● 男性 20代 13.4% 30代 9.5% 40代 6.2% 50代 3.6% ● 女性 20代 11.3% 30代 6.4% 40代 6.0% 50代 3.3% |
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男女ともに数字は右肩下がりになっている。
これは政府の統計でも同じだ。総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)」の2024年7~9月期平均結果の「年齢階級別転職者比率」によると、男性は
15~24歳 10.7% 35~44歳 4%超 45~54歳 2%程度 |
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と、やはり年齢とともに急降下する。
とはいえ、書類選考率「9%」というのはあまりに低すぎないか。そう思う読者もいるだろう。だが、2ケタを切る理由はある。