息子を「種馬」にして26男27女を作らせる…NHK大河で生田斗真が演じる一橋治済が起こした「徳川家乗っ取り計画」【2025年5月BEST】
10代将軍・徳川家治の跡取り問題の意外すぎる結末
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2025年5月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。歴史部門の第4位は――。 ▼第1位 なぜ台湾の人々は親日なのか…現地の歴史教科書に必ず載っている「台湾で最も尊敬される日本人」がやったこと ▼第2位 神絵師として美人画で天下をとったのに、なぜこんなことに…NHK大河で染谷将太が演じる歌麿の悲劇的な最期 ▼第3位 万博も、都庁もできるはずだった…JR・私鉄・地下鉄が一つもない「東京都心の一等地」が抱える"悲しい来歴" ▼第4位 息子を「種馬」にして26男27女を作らせる…NHK大河で生田斗真が演じる一橋治済が起こした「徳川家乗っ取り計画」 ▼第5位 これで「愛子天皇」は実現できる…専門家が提言「男系男子での皇位継承も同時に確保できる歴史に学ぶ妙案」 NHK大河ドラマで生田斗真さん演じる一橋治済はどんな人物だったのか。歴史評論家の香原斗志さんは「8代将軍吉宗の孫で、一橋家の第2代当主。10代将軍家治の跡継ぎ問題の中で主導権を握り、息子家斉が11代将軍になったことで幕政に隠然たる影響力を持った」という――。
自殺未遂者がでた10代将軍家治の後継者問題
田沼意次(渡辺謙)の前で、ついあくびが出てしまった10代将軍徳川家治(眞島秀和)は、「すまんな、お鶴と夜更かしをしてしもうた」と語り、意次は「お励みのこと、なによりにございます」と答えた。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢~」の第19回「鱗の置き土産」(5月18日放送)
お鶴とは、大奥総取締の高岳(冨永愛)が連れてきた、家治の亡き正室にそっくりな女性、鶴子(川添野愛)のこと。嫡男の家基(奥智哉)を失い、自分の血を引く後継がいなくなった家治だが、鶴子とのあいだに実子をもうけようと思い立ったのだった。
そこに急使が「上様、主殿頭様(意次のこと)、ご無礼仕ります」といって駆け込み、「先ほど西ノ丸にて、知保の方様が毒をあおられた由、上様に宛ててこちらが」と告げ、手紙を差し出した。家治の側室である知保の方(高梨臨)は、手紙におおむね次のようなことを書いていた。
このたび京都から、亡き御台所によく似た中臈ちゅうろうを迎えたと聞いたが、結果、実の子ができれば、自分は徳川には無用の人間となるので、上様と自分の子で、いまは亡き家基のもとに行きたい――。