ヘルシーに見えてコレステロール値を上げる…「糖尿病専門医考案の6種サラダ」にフルーツが入っていない理由
味付けは塩コショウ、オリーブオイルたっぷりで
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気になるコレステロール値を下げる方法はあるのか。北里大学北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟さんは「残念ながら、食事や運動では効果がない。ただし低糖質で糖質控えめ、脂質がたっぷり摂れる6種の品目はお勧めだ」という――。 ※本稿は、山田悟『脂質起動』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
食事や運動でコレステロール値は下がらない
残念ながら、血中コレステロール値を下げるのに、食事や運動はほぼ無効です。
とくに運動は、コレステロールがエネルギー源にはなり得ないため、コレステロール値を下げる効果は全くありません。しかし、運動は血中コレステロール値を下げる目的であるところの心臓病や脳卒中の予防には重要です。ですから、(血中コレステロールは全く下がりませんが)運動はすべきです。
また、一部の学者が主張するように、肉や乳製品、卵といった動物性の脂質を減らすと、高すぎるLDLコレステロール値は少しだけ減らせます。でも、せいぜい5~10mg/dlという数値。動脈硬化などの病気のリスクを減らすためには、LDLコレステロールをもっと劇的に(70~100mg/dl)減らすことが求められます。
それは、動物性の脂質を減らすだけでは追いつきません。しかも、理由は不明ですが、動物性の脂質を減らしたら、かえって心臓病や死亡率が高まったという論文もあります。動物性の脂質を減らす正当性はないのです。
LDLコレステロールを下げる6食材はこれだ
一方、食事についての意識をせずとも、1日1粒のお薬(スタチンという種類のお薬です)を内服するだけで、ほぼ目標のLDLコレステロール値まで下げられます。目標に到達しないのであれば、スタチン剤の増量やエゼチミブというお薬の併用(スタチン剤との配合剤というものがあるので、錠剤数は増やさないでエゼチミブを追加することが可能です)で目標を達成できることが一般的です。
つまり、血中コレステロールは、いわゆる不摂生(食事について何も気を使わない生活)であっても、お薬で管理できるとお考えいただいてよいのです。
でも、そうはいっても、食事療法でコレステロール値を下げることにトライしたい(お薬は飲みたくない)という方もいらっしゃることでしょう。
そうした方にお勧めするLDLコレステロールをきちんと下げるエビデンスがある食べ物は、以下のとおりです。
・クルミ
・ナッツ(アーモンドなど)
・野菜
・キノコ(文献ではキノコプロテイン)
・大豆
・アボカド(※1~6)
です。いずれも低糖質であり、糖質控えめ&(野菜にはオリーブオイルやドレッシングがいるかもしれませんが)脂質たっぷりで、脂質起動のための食生活で活躍してくれる食べ物ばかりです。