「今思えば異常でした」…2児出産後に「あなたは危険」と判定された30代妻が「私出ていく」と感情爆発させた理由

「今思えば異常でした」…2児出産後に「あなたは危険」と判定された30代妻が「私出ていく」と感情爆発させた理由

出産後に心身の調子が崩す女性は珍しくない。家族はどのようにフォローすればいいのか。息子と娘の2児を産んだ女性はうつ症状になり、幼い子に対してきつい言い方で感情を爆発させることが増え、夫が子供側に立った発言をすると「もういい! 私いらない! 出ていく!」と言い放った――。(前編/全2回)

知的障害者施設での勤務を選択

関東地方在住の本木翔太さん(仮名・30代)は、両親と弟と妹の5人家族で育った。

「両親は職場の同期で、父は22歳、母は18歳で結婚し、母は24歳で私を出産しています。父は社交的な人で仕事ができ、いつも遅くまで飲んでから帰宅していました。逆に母は狭く深く付き合うタイプ。父と結婚して仕事を辞めた後、私が高校生になったタイミングで、幼稚園の給食を作るパートを始めました」

両親の夫婦仲は悪くなかった。争いごとが嫌いな本木さんは、3歳差の弟、7歳差の妹と仲が良かった。

本木さんは理系の大学に進学。3年生になると就職活動を開始したが、3社最終面接まで進んだにもかかわらず、全て不採用。本木さんはもう一度自分を見つめ直し、本当にやりたい仕事について考えた。

「幼稚園で出会った同級生に自閉症の友人がいたのですが、砂と水が好きで『こっちの砂を渡してみよう』『色を変えた水はどうかな?』なんてことをして遊んでいました」

彼は小学校に上がっても言葉を話すことができなかった。彼は支援学級に入ったが、その後も本木さんは仲良くし続けた。

小3のある日、彼が書いたノートを彼のお母さんから渡された。そこには

「本木くんは友だち。本木くんだけには嫌われたくない」

と書かれていた。

「びっくりしましたが、彼にとって特別な存在になれたのだと思うとうれしかったです。その時、彼のお母さんから、彼は集中すれば感情をノートに書くことができるということ、5歳の頃、すでに中1の数学の問題を解いていたということを知りました。ただその一方で、当時よく遊んでいた私の友だちが、私の知らないところで彼をいじめていたことも知り、嫌な気持ちになりました。うれしさと嫌な気持ちを持て余した私は、次第に彼にどんな対応すればいいかわからなくなり、遊ばなくなってしまいました。でも、就活に行き詰まり、自分を見つめ直した時、当時の彼と過ごした時間やうれしい気持ちを思い出し、知的障害者支援の仕事を選びました」

本木さんは、卒業と同時に実家を出た。

知的障害者の生活介護施設に就職したところ、実家からだと電車とバスを乗り継いで片道1時間半もかかる上、バスの本数がほとんどなく、夜勤もあるため実家から通勤するのは難しいと判断したためだった。

詳細を見る

この記事を読んだあなたにおすすめ

画像

https://kidsna.com/magazine/article/education-educational-column-240726-85693073

2025.06.01

ニュースカテゴリの記事

「イクメンって言葉が嫌い」は男女の分断を広げる?【てぃ先生×治部れんげ】
子育てや教育のテーマを元に読者から集めた質問にゲストスピーカーと対話する動画記事コンテンツ。