老後を楽しみにしていたのに…59歳で他界した父の葬儀後、娘が始めた「やりたことを全部やる」タスク管理
このまま働き詰めの毎日では後悔する
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日々仕事のタスクをこなす中で、プライベートの「自分や家族のためにやりたいこと・やらなくてはいけないこと」を後回しにしていませんか。 2021年に独自のタスク管理術を紹介した『あなたの24時間はどこへ消えるのか』を出版し、現在1歳の子どもを育てながら働くスワンさんに「仕事もプライベートも大切にするためのタスク管理術」について伺いました。 ※本記事の初出はこちら『はたらく気分を転換させる深呼吸マガジン りっすん』です。
お話を伺った方:スワンさん
Designship Do 代表、株式会社操電 デザイナー。自身の体験談をベースに、生活や仕事を通して気づいた考察をブログやYouTubeで発信している。1歳児の母。著書に『あなたの24時間はどこへ消えるのか』(SBクリエイティブ)(撮影:小野奈那子)
X/YouTube
「休む」ことをタスク化したら罪悪感が減った
――ついつい「プライベート」よりも「仕事」を優先してしまうという方は多いと思います。スワンさんも著書で、「無意識に仕事中毒になっていた時期があった」と語っていました。
スワンさん(以下、スワン):会社員だったときは、毎日深夜に仕事を終えタクシーで家に帰り、翌朝は定時に出社するような生活でした。上司に残業を言い渡されたわけでも、誰かの行動をマネしたわけでもなく「そうした方が評価されるだろう」みたいな意識があったんです。
――そんなスワンさんの意識に変化が訪れたきっかけは何だったのでしょう。
スワン:20代後半でフリーランスとして独立したばかりの頃です。一層働きづめになりメンタルのバランスも崩してしまう中で、父が「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」という難病が原因で59歳で亡くなったんです。
母と一緒に老後の計画も立てていたのに、ふたを開けてみれば父の老後は実質ゼロだった。それで「もし明日から自分の体が動かなくなったら、私は何を後悔するだろう」と思って、葬式の後に「今やりたいこと」を洗い出してみたんです。
「やりたいことがたくさんあるのに、仕事ばかりしていたら体が動かなくなる前に頭が動かなくなる」と思って、「仕事」を優先するのではなく、「プライベート」も同等に大切に扱うための「タスク管理術」を実践するようになりました。
――例えばどのようなことを実践しましたか?
スワン:いろいろ試しましたが、効果があったのは「休むこと」をタスク化してカレンダーに入れること。例えばリモートワークの日なら「12時半からベッドで昼寝する」というタスクを作って、それが達成できたらチェックを入れる。「今日のタスクを1つ達成できた!」という捉え方をすることで、少しずつ休むことに罪悪感を抱かなくなりました。