家庭科室でほぼ毎月「誕生日パーティー」を開く…自由すぎる難関校・渋幕が高偏差値をキープできる理由

家庭科室でほぼ毎月「誕生日パーティー」を開く…自由すぎる難関校・渋幕が高偏差値をキープできる理由

生徒が合言葉にする「渋幕的自由」とは何か

千葉県にある進学校の渋谷教育学園幕張中学校・高等学校には「渋幕的自由」と呼ばれる言葉がある。これは何か。教育ライターの佐藤智さんは「取材すると、短期的には失敗に見えることも、長い目で見て『自分で正解にしていく力をつける』という思いが込められていると感じる」という――。 ※本稿は、佐藤智『渋幕だけが知っている「勉強しなさい!」と言わなくても自分から学ぶ子どもになる3つの秘密』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

「渋幕的自由」とは何なのか?

自由は個人の尊厳や権利を尊重するところに生まれる

生徒や卒業生からしばしば飛び出すのが「渋幕的自由」というキーワード。

2022年度入学式で、新校長に就任された田村聡明先生が式辞で、「渋幕的自由という言葉が生まれたように、本校は自由な学校です。自由は個人の尊厳や権利を尊重するところに生まれます」と述べられました。

では、渋幕的自由とは何なのでしょう?

卒業生へのアンケートで、「『これは“渋幕的自由”だった』と思い出すことがあれば、教えてください」と尋ねたところ、左記下記のような回答がありました。

学習を怠けてついていけなくなってしまっても自己責任

・(研修旅行の)現地集合・現地解散

・部活動ばかりしていて、高校3年生の夏の模試で偏差値が40台だったこと。「部活動を頑張っていた子は頑張る力がついているから大丈夫」と先生方にいわれて半信半疑だったが、たしかに現役合格できた

・校則がほとんどなかったこと

・「友達の誕生日会をしたい」という理由で家庭科室を借りたこと。しかも、ほぼ毎月

・学習を怠けてついていけなくなってしまっても自己責任

・進学の選択肢が多様であること

・マラソン大会前日に友達と大量の「雨フレフレ坊主」を作って吊るした。担任から呆れられた

・生徒が「やりたい」といったことは、筋が通っていてスケジュールが許せば、できる限り実行させてくれた

・部活動でそれまで行われてなかった合宿を「やりたい」といったときに、企画書を渡して説明したら承認してくださった。でも、合宿にかかる10万円程度の金銭を一人で払いに行ったときは「自由には責任が伴うとはこういうことか」と思った(大金なので顧問が引率、ないし支払いに行くべきでは? と少し思った)

・高校3年生のとき、文化祭で出し物を出すか出さないかもクラスごとに任せてもらっていた。「勉強に集中したいクラスは出し物はしない」といったことも自由。他の高校でも、そういった選択肢があるものだと思っていたけれど、卒業してそれが普通ではなかったと気づいた


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2025.06.07

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