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産後の夫婦関係がうまくいかないときに、知っておきたい解決方法
産前と産後で夫婦関係や夫婦仲が変わったと感じる方も多いのではないでしょうか。なかには夫婦間のコミュニケーションがうまくいかないと悩んでしまう方も少なくないようです。そこで今回は、夫婦関係が変わった原因や解決するための対処法を、経験した方の体験談を交えて紹介します。
産後の夫婦仲はなぜうまくいかない?
産後は夫婦関係にとって大きな転換期であり、さまざまな課題に直面することから、産前と産後で夫婦関係や夫婦仲が変わったと感じる夫婦は多いようです。
産後の夫婦関係がうまくいかないと感じている場合は「産後クライシス」に陥っているかもしれません。これは、もともとは愛情もあり夫婦関係に問題がなかった夫婦が、出産をきっかけに関係が悪化するといった現象をさす言葉のようです。
たとえば、家事育児に対する価値観の違いがお互いの不満として蓄積される、育児が中心になるあまり夫婦間のコミュニケーションが減少して関係性が悪化するなどは、産後クライシスの状況にあると言えるかもしれません。このまま放置しておくと、最悪の場合、離婚につながる可能性もあるでしょう。
そうならないよう、適切な対処法を見つけることで夫婦関係を改善し、夫婦円満に子育てできる状況をつくれるよう、考えてみたいですね。
ここでは、産後の夫婦関係の変化とその対処法について、産後クライシスと呼ばれる状況の原因や、夫婦で実践できることのほか、コミュニケーションの考え方などの対処法について、実際に経験した方の体験談とあわせて見ていきましょう。
産後クライシスのケース別体験談
産後の夫婦関係がうまくいかない産後クライシス。実際にどんなケースがあるのか、体験談を見ていきましょう。
コミュニケーション不足
20代ママ
30代ママ
娘が生まれて半年が経ち、夫婦仲がどんどん悪くなっていくのを感じました。毎日の寝不足と家事育児の疲れで、些細なことで夫婦喧嘩が絶えません。旦那は娘には愛情を感じているようで家事育児も分担すると口では言うのですが、なにをやっても中途半端で私の仕事が増えるだけに感じてしまい、不満が溜まる一方でした。
産後は多くの夫婦にとって大きな変化の時期と言えるかもしれません。赤ちゃんの誕生により、生活リズムやコミュニケーションパターンが大きく変わることもその一つでしょう。これにより、些細なことで口論が絶えなくなり夫婦仲に影響するといった状況に陥る夫婦が多いようです。
育児や家事の負担が妻に偏りがちになったり、家事育児の適切な分担ができなくなったりすることで不均衡が生じやすくなることも原因の一つといえるようです。
不満の気持ちを相手に冷静に相談できず、怒りにまかせて口調がきつくなってしまうという声も聞かれました。このようなケースでは「どうせ話してもわかってもらえない」「話し合っても夫婦喧嘩になるだけ」と、お互いに対してあきらめの感情を抱いてしまうことにもなりがちです。
そうした状況ではますますコミュニケーションがとれなくなり、夫婦仲が悪化することにつながるかもしれません。
価値観の変化
里帰り出産を終えて自宅に戻ったところ、家事育児に関してまったくノータッチの旦那にイライラしてしまうように。結果、関係性が悪くなったことで旦那が家に寄りつかなくなり、離婚の危機を感じています。
20代ママ
同じ趣味のコミュニティで知り合った旦那。産後、娘が大きくなるまで趣味はおあずけと分かってはいましたが、旦那は家事育児の分担もしてくれず、相変わらず週末になると趣味の集まりにでかけてしまうため、なぜ私だけが我慢しなければいけないのかと怒りの感情が沸いてきます。
家事育児に対する価値観の違いがお互いの不満の原因となり、夫婦仲に亀裂をもたらす可能性があります.。産後はこれまでの考え方や生活習慣を変えることができないとクライシスの原因になることもあるでしょう。
また、里帰り出産後に自宅に戻ると、実家での手厚いサポートと比較して、夫のサポートが不十分に感じられたり、夫に対して「なにもしてくれない」と感じてしまう女性もいるようです。
これにより夫婦間のコミュニケーションが減少したり、どちらかに負担が偏りすぎたりすることから夫婦の関係性が悪化し、最悪の場合、お互いに対して愛情が感じられなくなることに。これによって離婚につながるほど修復が不可能になることもあるようです。
ホルモンバランスの変化
20代ママ
産後はホルモンバランスの乱れもあり、突然怒りが込み上げてきたり、涙が止まらなくなったりすることもあり、このままでは離婚してしまうんじゃないかと不安になりました。
産後の妻が精神的に不安定になるのは、ホルモンバランスの急激な変化により、女性の心身の状態が大きく変化することが原因のようです。これは、夫婦関係にも直接的な影響を与えることがあります。
特に、産後うつや強い不安感などの症状が現れる場合、夫婦関係に深刻な影響を及ぼす可能性があります。このような状況では、専門家によるカウンセリングを受けることが有効な対処法となることがあります。
セックスレス
30代ママ
産後、セックスレスの状況が続いたこともあって夫婦の関係性が悪化していきました。カウンセリングを受けてみたり、旦那と話し合ったりしましたが解決の糸口が見つからず、産後クライシスに陥っていることを実感しました。
30代ママ
慣れない育児のせいか体調がすぐれない日が多くなり、生理的に夫に限らず男性に近づくことがダメになってしまいました。この変化に自分自身が一番戸惑っていましたが、どうしたら夫に理解してもらえるか悩むうちに、だんだんと溝が開いていってしまいました。
産後のホルモンバランスの変化や寝不足による体調不良は、夫婦関係に大きな影響を与えることがあります。特に、セックスレスの問題は多くの夫婦が直面する課題です。
女性が自分の変化に戸惑い、うまく伝えられないことで、夫婦間の溝が深まることがあります。また夫が、愛情はあるものの産後に母親になった妻に対して女性らしくなくなってしまった、変わってしまったと感じてしまい、セックスレスの引き金になるといった体験談も聞かれました。
産後クライシスの対処法
産後クライシスとは、出産後に夫婦間で起こる危機的状況のことを指します。女性の身体的・精神的な変化や、家事育児の負担増加などが原因となり、夫婦の価値観の違いが顕在化することで起こるパターンが多いようです。
夫婦会議の実施
20代ママ
産後、夫婦喧嘩が増えて離婚も考えました。寝不足で不満が溜まり、旦那への怒りが抑えられないときもしばしば。そんなとき、旦那が夫婦会議をして話し合おうと提案してくれました。定期的に話し合うことで、お互いの価値観や不満を共有できるようになりました。家事育児の分担も見直すことができ夫婦仲が改善していきました。
産後クライシスを乗り越えるための対処法としては、まず夫婦で話し合う「夫婦会議」の実施が効果的です。お茶の時間や、子どもを預けて外食するなど、普段と少し違う環境を作って、定期的に話し合いの場を設けるようにしてもよいでしょう。
「夫婦会議」というと重く感じるかもしれませんが、コミュニケーションを円滑にしようとお互いが歩み寄ることで、思いや悩みを共有するような場にできるとよいようです。
カウンセリングを受ける
20代ママ
産後、ホルモンバランスの乱れもあってか、旦那との関係性がぎくしゃくし、セックスレスに陥りました。カウンセリングを受けてみると、私たち夫婦の状況を客観的に見ることができ、お互いの愛情を再確認できました。旦那も一緒にカウンセリングに参加してくれたことで、夫婦円満に向けての第一歩を踏み出せました。
産後クライシスの原因の一つとして、ホルモンバランスの変化を挙げた方もいました。ホルモンバランスが産後に不安定になり女性の心身に影響を及ぼすことで、夫婦関係にもかかわることがあるようです。このような場合は、カウンセリングを受けることで生理的な変化と心理的な変化の関連性を理解し、適切な対処法を見つけることができるかもしれません。
また、夫婦で一緒にカウンセリングを受けることで、お互いの気持ちを理解し合い、クライシスを乗り越えるための具体的な解決策を見出すことにもつながりそうです。
夫の育児参加を促す
30代ママ
夫が頼りなく感じて育児は自分でやらなきゃと思い込みすぎていたのか、夫婦関係に溝ができてしまいました。子どものためにも夫婦円満でいたいと思い、子どもの着替え、夜中の抱っこなど、できる範囲で育児に参加してもらうようにしたところ、思った以上に積極的に参加してくれました。育児をきっかけに会話が増え、以前よりも仲がよくなりました。
育児参加は、夫婦のコミュニケーションを活性化させるきっかけとなることもあるでしょう。
夫が育児に参加することで、妻の負担が軽減されるだけでなく、子どもの成長をともに喜び合える機会が増えます。共通の話題や経験が、夫婦関係の改善につながることがあります。
特に、娘の育児に父親が積極的に関わることで、妻との関係性にも良い影響を与える可能性もあるでしょう。 育児の分担を通じて女性の視点や感性についての理解が深まり、お互いの状況や感情に共感できるようになることにもつながりそうです。
結果として、夫婦喧嘩の頻度が減少し、より夫婦円満な関係を築けるようになるかもしれません。
育児支援サービスの活用
20代ママ
仕事と育児の両立に悩んで寝不足になり、夫婦仲が険悪になっていたのを見かねたママ友がベビーシッターさんの利用を勧めてくれました。試してみると、休めたりリフレッシュしたりできるようになったことで、夫婦で会話する時間や気持ちの余裕が生まれました、今では夫婦で協力して問題解決に取り組めるようになりました。
産後の夫婦関係は、社会的な要因によっても影響を受けます。たとえば、仕事と育児の両立の難しさや、経済的な不安などが、夫婦関係にストレスを与えることがあります。
このような社会的な課題に対しては、夫婦で協力して対処法を考えることが大切です。必要に応じて、育児支援サービスの利用や、柔軟な働き方の検討なども有効な解決策となるでしょう。
夫婦関係改善のためのコミュニケーション
産後の夫婦関係がこじれてしまった場合、夫婦円満に向けての対処法となるコミュニケーションについて実践してみましょう。ここでは夫婦関係を改善するために気をつけた体験談を紹介します。
愛情・感謝の気持ちを表現する
30代ママ
産後クライシスで、夫との関係性が悪化していました。そんな時、カウンセリングで愛情表現の大切さを学びました。毎日、夫に感謝の言葉を伝えるようにしたところ、夫も徐々に変化し始めました。家事や育児への協力も増え、夫婦喧嘩も減りました。言葉で愛情を伝え合うことで、夫婦仲が戻ったように感じます。
産後は女性のホルモンバランスの変化や寝不足による不満、怒りが蓄積しやすい状況です。また、慣れない子育てに忙しいと夫婦の会話が少なくなることもあるでしょう。「このくらいのことは話さなくても察してくれるはず」と独りよがりになりがちという声もありました。
このような時こそ、夫婦間で愛情や感謝の気持ちを言葉で表現することが重要です。たとえ小さなことでも、相手の行動を認め、感謝の言葉を伝えることで、夫婦関係の改善につながる可能性があります。
特に、家事育児の分担や協力に対する感謝を伝えることで、お互いの価値観を尊重し合える関係性を築くことができるでしょう。
困っていることや、やってほしいことは、小さなことでも口にして伝えるようにしましょう。お願いごとだけでなく今日の子どもの様子などをきっかけに会話してみるのもよいでしょう。
指示やクレームではなく「相談」
40代ママ
産後、夫に対する不満が溜まり、つい命令口調になってしまっていたので、仕事で後輩を指導する際に心がけていた「相談口調」を実践してみました。たとえば『こうしてほしい』ではなく『こうしてみない?』と提案するようにしたことで、夫も前向きに考えてくれるように。このおかげで些細な夫婦喧嘩が減ったように感じます。
30代ママ
旦那との関係性が悪化して一時は離婚も考えましたが、これではいけないと思い、伝え方を変えるようにしました。『娘がまた熱出しちゃったみたい、どうしたらいいと思う?』と聞くと、夫も育児を自分ごととして捉えてくれるように変化してきた気がします。お互いの価値観を尊重しながら、夫婦円満に向けた解決策を考えられるようになりました。
コミュニケーションの際は、口調や言葉選びに注意を払うことが重要です。無意識のうちに命令口調や攻撃的な言い方をしてしまってはいないでしょうか。
語気を強く指示したり、どうしてできないのかと責める口調でコミュニケーションをとるのではなく、「この目的のためにお互い協力し合おう」といった対等なパートナーシップを前提に話しましょう。
このような配慮ある言葉遣いは、同じことを言っていても相手にとって受け止め方が大きく変わるでしょう。結果として、お互いの要望や意見をより効果的に伝え合うことができるかもしれません。
夫婦間のコミュニケーションを改善することで、多くのトラブルが解決するかもしれません。特に、妻が感じている不満や怒りを適切に伝え、夫がそれを理解することで、多くの問題が解決に向かいそうですね。
言葉や態度から攻撃性やあきらめの感情を消し、お互いが対等であることを忘れずに愛情を言葉や行動で表現することで、夫婦円満な関係を維持できる可能性が高まります。
産後の夫婦関係を改善して強い絆を築くために
産後の夫婦関係には、ホルモンバランスの変化や家事育児の分担、価値観の違いなど、さまざまな産後クライシスを引き起こす原因が潜んでいることがあります。
特に、夫婦喧嘩やセックスレスなどの問題が関係性を悪化させ、最悪の場合は離婚につながる可能性も。妻と旦那が愛情を持ってコミュニケーションを取り合うことが重要です。夫婦会議を開き、お互いの不満や怒りを適切に伝え、カウンセリングを受けることも有効な対処法です。
産後の夫婦関係の変化は多くのカップルが経験する共通の課題です。しかし、適切なコミュニケーションとお互いへの理解、そして具体的な対処法を実践することで、多くの問題は解決できるかもしれません。夫婦で協力して新しい家族の形を築いていくことで、より強い絆を育むことができるでしょう。
家事の分担や育児の協力を通じて、夫婦が円満な関係を維持することで、夫婦だけでなく子どもも含めた家族みんなが幸せになれる方向にむかっていけるとよいですね。
同い年の夫とは出産前はよい関係でしたが、夫は残業や出張が多いため、産後の育児はほぼワンオペ状態。育児に必死になっていたらいつの間にか夫婦の会話がほぼゼロになっていました。