相続した土地の名義変更。費用や相続税など、基本的な内容など

相続した土地の名義変更。費用や相続税など、基本的な内容など

父名義の土地を相続したらどうする?

2019.03.09

相続した土地の名義変更について、基本的な内容を知りたいママやパパもいるのではないでしょうか。名義変更の方法や費用、相続税など、気になることがあっても専門性が高くわかりにくい場合もありますよね。名義変更をするにはまず何を知っておくとよいのか、基本的なポイントについて調査しました。

親から土地を相続したら

祖父母や父親、母親などから土地を相続し、手続きなどをどうしたらよいか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。名義変更や相続税など、専門的な内容でわかりにくいと感じる場合もあるかもしれません。

今回は法務局などの資料を参考に、土地を相続した場合の名義変更に焦点を当て調査しました。相続税などとあわせてご紹介します。

土地の名義変更について

父親や母親などから土地を相続した場合、名義変更をする必要はあるのでしょうか。手続き方法などと合わせてご紹介します。


名義変更する必要性

土地や不動産などを相続した場合、一般的には名義変更をした方がよいと言われています。相続人同士で話し合い全会一致で新しい相続人決めていたとしても、名義変更をしなければ「自分が相続した土地です」と法的に証明できないためです。

自分の子や孫の代になってから、意見が分かれてしまう場合もあるでしょう。遺産での揉めごとはできるだけ避けたいですよね。土地を売却する場合にも名義変更が必要なので、できるだけ早めに手続きできるとよいようです。

2019年現在、所有者不明の土地が増えている現状などを踏まえ、法務省では土地の相続登記の必要性を訴えています。2020年の臨時国会で改定案を提出したい意向を示しているようなので、名義変更は必要な手続きだと認識しておいた方がよさそうですね。

出典:未来につなぐ相続登記/法務省
出典:法務大臣閣議後記者会見の概要 平成31年2月8日(金)/法務省

名義変更の手続き

書類とペン
© tamayura39 - Fotolia

父親などの土地を相続した場合、その経緯によって提出書類は異なるようです。基本的には「登記申請書」と「添付書類」を提出する形になるようですが、相続した経緯によって登記申請書の種類や必要な添付書類は変わります。

登記申請書について、法務局では相続した経緯に応じてホームページで紹介しています。自身で書類を用意する場合は参考にしてみてもよさそうですね。

相続人同士が話し合って新しい相続人を決めた場合、添付書類の一つとして「遺産分割協議書」も必要です。これは話し合いに合意しますという証明書になるようなので、話し合いをした場合は忘れず用意できるとよいでしょう。

添付書類には「亡くなられた人の出生から死亡までの戸籍謄本」「相続人全員の住民票の写し」なども必要になります。家事や育児、仕事をしている中、時間と労力を割いて書類を集めたり役所や法務局などに行くのは難しいかもしれません。

専門性の高い手続きになるため、法務局などでは司法書士の方などへの代理申請を勧めているようです。手続きに追われ疲弊してしまわないよう、早い段階から専門家へ相談してみてはいかがでしょうか。

出典:不動産の所有者が亡くなった/法務局
出典:ご自身で不動産登記申請を検討されている方へ/名古屋法務局

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土地の名義変更にかかる費用

名義変更は人それぞれ手続き方法が異なります。そのためかかる費用もさまざまですが、土地などの名義変更をする場合、基本的に「登録免許税」がかかることは覚えておけるとよいでしょう。税率は相続した土地の価格に対して0.4%となります。

また平成30年の税制改革により、相続した人が名義変更しないまま死亡した場合などは登録免許税が発生しない免税措置も行われるようになりました。免税される期間など法務局で伝えているようなので、確認してみてもよさそうですね。

出典:相続登記の免許税の免税措置について/法務局

土地の名義変更で気になる相続税

書類
© 崇正 魚谷 - Fotolia

相続により土地を名義変更した場合、どれくらい相続税がかかるのでしょう。相続税の基本的な内容や基礎控除などについてご紹介します。


相続税と手続き期限

相続税とは、亡くなられた人(=被相続人)から財産を取得した場合、その財産に対して課せられる税金のことです。

相続税を納める必要があるかは「相続税が課せられる財産の合計額」から「控除できる債務と葬式費用の合計額」を引いたとき、「遺産に係る基礎控除額」を超えるかどうかで決まります。

相続税を納める必要がある場合、被相続人がなくなった日の翌日から10カ月以内に申告と納税をしなければなりません。期限を過ぎて申告や納税した場合は税金が加算されたり延滞税がかかるようなので、忘れず手続きするとよいでしょう。

出典:相続税のあらまし/国税庁

相続税がかかるかどうか

相続税がかかるかどうかを知るには、「相続税が課せられる財産の合計額」「控除できる債務と葬式費用の合計額」「遺産に係る基礎控除額」の把握が必要です。

「控除できる債務と葬式費用の合計額」には被相続人の借入金、お寺や葬式社への支払金などが含まれます。「遺産に係る基礎控除額」は被相続人がいつ亡くなったかによって計算が異なるようです。


・平成26年12月31日以前の相続又は遺贈の開始(死亡の日)の場合

5,000万円+1,000万円×法定相続人数

・平成27年1月1日以後の相続又は遺贈の開始(死亡の日)の場合

3,000万円+600万円×法定相続人数


法定相続人とは土地などを相続できる人を意味します。被相続人の配偶者は常に法定相続人となり、それ以外の人は(1)被相続人の子ども(2)被相続人の父母や祖父母(3)被相続人の兄弟姉妹の順番で法定相続人となり、相続放棄した場合でも数に加え計算します。

例えば平成27年以降に5000万円する土地の相続開始し、債務や葬式費用に200万円、法定相続人は配偶者と子ども一人だけの場合を見てみましょう。基礎控除額は【3000万円+600万円×2人】で【4200万円】となります。

相続税は【5000万円-200万円-4200万円=600万円】となり、この600万円に対し相続税が課せられるようです。ただし、生前贈与や被相続人の死亡による生命保険金や退職金があった場合、相続税の対象となる可能性もあります。

国税庁では相続税の申告が必要かどうかを簡易的に確認できるシートを用意しています。目安としての利用に限りますが、一度自分で確認してみるのもよいかもしれませんね。

出典:相続税の申告要否の簡易判定シート/国税庁
出典:相続税がかかる場合/国税庁
出典:相続税のあらまし/国税庁
出典:相続人の範囲と法定相続分/国税庁

土地の相続で悩まないために

パパとママと赤ちゃん
iStock.com/itakayuki

父親や母親などから土地を相続した場合、名義変更に関する手続きや費用は人によって異なるようです。全部ひとりでこなそうとすると時間もかかり、専門性も高いため難しいと感じる場合もあるかもしれません。

親せきの人を交えて土地相続について話し合ったり、専門家の人に手続きをお願いしたりなど、自分たちにたった相続の仕方を見つけられるとよいですね。


※記事内で使用している参照内容は、2019年3月4日時点で作成した記事になります。

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