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【小児科医監修】幼児や子どもの誤飲を防ぐ薬の保管方法
薬の使用期限や保存方法など
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クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
子どもの処方薬や飲み残しの薬の扱いに迷ったことはありませんか。また幼児が薬を誤飲しないように、どのように薬を保管したらよいのかママやパパは気になりますよね。さまざまな薬の保存方法や使用期限などを説明します。古い薬の扱い方などもご紹介します。
幼児や子どもの処方薬の保管と保存
幼児や子どもの病気やケガなどで使う薬はママやパパが管理することが多いでしょう。
病院で医師から処方してもらう幼児や子どもの薬はシロップ、粉薬、錠剤などさまざまなタイプの薬がありますが、それぞれ保存方法や使用期限は異なります。幼児や子どもが薬を誤飲しないように保管場所も考えなくてはなりません。
ママやパパはどのようなことに気をつけて、幼児や子どもの薬を保管するとよいのでしょうか。
薬の誤飲を防ぐための保管方法
幼児や子どもが薬を誤飲しないようにするための基本的な保管方法をご説明します。
薬と別のものを分けて保管する
薬を保管している場所に、お菓子などの食べ物やジュースなどの飲み物などを一緒にしておくと、幼児や子どもが薬を誤飲してしまう危険があります。薬だけがまとめてある保管場所を作ったほうがよいでしょう。
また、誰が使う薬なのか、ネームプレートや仕切りなどで薬を分けておくと家族の誤飲の防止にも繋がります。
薬の容器を入れ替えない
液状シロップなどの薬を容器に入れ替えて使用している人もいるかもしれません。薬の入っていた容器を他のものに移し替えたりすると、幼児や子どもが薬と分からずに誤飲してしまう危険があります。
薬の種類や使い方なども混乱してしまうかもしれませんので、薬容器のはそのままにして保管しましょう。
幼児や子どもの周囲に薬を置かない
好奇心旺盛な幼児や子どもは、ものを触ったり口に入れたりすることがあります。ママやパパがふと目を離したときに、近くにあった薬を幼児や子どもが薬を口の中へ入れてしまったりしたら大変です。
薬は幼児や子どもの目につかないところに保管しておき、使用するタイミングのときに出すのがよいでしょう。また、幼児や子どもが薬を見つけても手が届かない場所に保管するのもよいかもしれません。
薬に関する保存方法の注意点
薬によって保存方法に注意が必要なものがあります。薬は保存方法を間違えると効能や成分が変化してしまう恐れもあります。処方を受ける際は冷蔵保存か、室温保存かなどについて必ず確認しましょう。
薬は湿気や温度、光などで効能などが変化してしまうこともあります。冷蔵保存などの指示がない場合や室温保存と指示された場合は、湿気の多い場所や直射日光や高温となる場所を避けて保存するとよいでしょう。
湿気が入らないように薬の容器のふたをしっかり閉め、日中の車内や暖房器具の近くに置かないなどを意識して保管するとよいかもしれません。
処方薬は保存できる?
病院から処方してもらった処方薬の保存期限はどのように決まっているのでしょうか。処方薬の保存期限が過ぎてしまった場合の扱い方について説明します。
古くなった薬はどうすればいい?
古くなった薬は、効き目が落ちている場合や成分が変化してしまっている場合があります。使用せずに処分しましょう。薬ごとに処分の方法も異なりますので、薬局などで説明を受けるとよいかもしれません。
処方期間が終わったら捨てる
処方薬は診断時に患者の症状や体質などに合わせて、治療に必要な期間と薬の量を、医師が考えて処方しています。
薬が余ってしまったときは保管せずに、医師や薬剤師に相談の上、処分するのがよいでしょう。処方を受ける際に、医師や薬剤師に処分方法について確認しておくとよいかもしれません。
また、頓服薬など医師から「痛みが出たときに飲んでください」や「発作がでたときに飲んでください」など事前に指示を受けている場合は、薬の保存方法を守って保管してください。
薬のタイプ別。使用期限と保存のポイント
幼児用の薬にはさまざまな形や種類があり、使用期限や保存方法に悩むこともありますよね。薬のタイプごとにどのような使用期限や保存方法がポイントとなるのか見ていきましょう。
液薬の保管は冷暗所で1週間が期限
シロップなどの液体の薬は、雑菌の繁殖などに気をつけたい薬です。処方期間が終わったら長くても1週間を目安に破棄するのがよいでしょう。特に液体シロップ薬は、子どもが好んで飲みたがる場合があります。誤飲を防ぐためにも、処方期間が終わったら早めに捨てましょう。
処方期間中も薬のカップや容器の口部分などは、雑菌が繁殖しやすいため、服用後はカップはしっかり洗う、容器の口はしっかりふき取るなどして清潔に保存しましょう。
粉薬の保管は湿気に注意して1カ月まで
粉薬の保存には、湿気に注意して乾燥剤といっしょに保管するのがおすすめです。
粉薬は、ものによっては1カ月くらいは保管することができるようですが、あらかじめ薬の使用期限を確認しておくとよいでしょう。
また幼児の処方薬として一番多いのが粉薬です。ほかの薬と間違えたり、紛らわしくなることも考えられますので、薬の名前をしっかりパッケージに記したり、使用期限が過ぎたら破棄してしまうのがよいかもしれません。
メーカーで個別包装された薬
個別包装されている処方薬は、お薬手帳や処方を受けたときに医師や薬剤師に処方期間を確認しておくとよいかもしれません。
座薬は常温と冷蔵保存の両方があるので要確認
座薬は種類によって保存方法が異なります。
「温度の変化によって溶けるものは冷蔵保存」
「水分によって溶けるものは常温保存」
と区別されています。冷蔵保存の座薬は冷蔵庫に保管、常温保存の座薬は湿気に注意して保管しましょう。
処方された座薬がどちらの種類かをきちんと確認することが重要です。座薬は保管方法をしっかり守っていれば、半年から1年くらいの期間が保存の目安になります。
錠剤は種類にあった保管方法を
年長児くらいになると医師によっては錠剤を処方することもあるでしょう。大人用の錠剤と保存方法に大きな違いはないのですが、特に高温多湿の場所や直射日光の当たる場所を避けて保存しましょう。
ひとくちに錠剤といっても種類はさまざまです。使用期限や保存方法は医師や薬剤師に相談しましょう。
薬の保管方法を工夫し、医師や薬剤師の指示を守って薬を使う
薬にはさまざま種類があり、保存方法も使用期限も異なります。冷蔵庫で保存する薬もありますので、幼児や子どもがジュースやお菓子と間違えて薬を誤飲しないような工夫をして保管することも大事です。
特に処方薬は、医師が使用する人の症状や身体に合わせた薬ですので、誰の薬なのかがきちんと分かるようにして保管しておくと安心かもしれません。薬の使い回しや誤飲をしないように注意しましょう。
使用期限の過ぎた薬は成分や効き目が変化している場合もあるので処分しましょう。不安であれば、あらかじめ薬の使用期限や処分方法を、医師や薬剤師に相談しておくとよいかもしれませんね。
監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)
Profile
眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。