【小児科医監修】子どもの鼻血が頻繁。考えられる病気と受診の目安

【小児科医監修】子どもの鼻血が頻繁。考えられる病気と受診の目安

鼻血を止血するときのポイント

2020.02.08

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金髙太一

金髙太一

おひさまクリニック院長/日本小児科学会 小児科専門医/日本小児科医会 地域総合小児医療認定医/日本アレルギー学会/日本感染症学会

おひさまクリニック院長。小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。

子どもの鼻血が頻繁に出るときや、なかなか止まらない場合は、心配になることもありますよね。血の塊が出たり、出血が多かったりすると対応がわからず焦ってしまうママやパパもいるかもしれません。今回の記事は、子どもの鼻血の原因や考えられる病気、止血のポイントや受診目安について解説します。

子どもが鼻血を頻繁に出す

お風呂に入っているときや寝起きなどに、子どもの鼻血が出て慌てた経験はありませんか?鼻血が頻繁に起こるときや、なかなか止まらないときは、病院を受診しようか迷ったり、心配になってしまうこともありますよね。

今回は、子どもの鼻血の原因や考えられる病気、鼻血が止まらないときの止血方法や病院の受診目安について解説します。

子どもの鼻血の原因

鼻を触る子ども
leungchopan- stock.adobe.com

子どもは、大人と比べると鼻血を出しやすいです。鼻の粘膜入口に近い部分には、毛細血管がたくさん集まっているため、鼻の粘膜が傷つくと出血して鼻血になります。鼻血は、のぼせたときや、興奮したとき鼻の打撲鼻いじりによっても起こりやすいです。

鼻の粘膜が傷つくと、かさぶたになって自然と治癒していきますが、治る前に手で触ってしまうと鼻血を頻繁に繰り返してしまう可能性があります。また、鼻血がなかなか止まらないときは、病気が潜んでいる場合もあるため、子どもの症状や様子を注意してみることが必要

です。

鼻血が止まらないときに考えられる病気

子どもの鼻血がなかなか止まらないときは、何かほかの病気になっているかもしれません。鼻血が止まらないときに考えられる病気について解説します。


風邪やアレルギー性鼻炎

風邪や、ハウスダストや花粉によるアレルギー性鼻炎になると、鼻の粘膜が弱って鼻血が出やすくなります。鼻炎の症状は、頻繁なくしゃみと、水溶性の透明な鼻水、鼻づまりが主な特徴です。

また、頻繁に鼻をかむことや、鼻炎薬や鼻炎スプレーを使ったりすると、その影響で鼻血が出やすくなる場合があります。


副鼻腔炎

鼻の奥の副鼻腔が感染を起こすと副鼻腔炎になり、どろどろの黄色い鼻水が多く出やすいです。副鼻腔炎になると、たまにレバー状の血液の塊が出ることがありますが、これは血が固まる機能が正しく働いている証拠なので、特に心配はいらないでしょう。

副鼻腔炎は、目の下や額の内側にある副鼻腔に水や膿がたまる病気です。放っておくと咳が続いたり、頭痛が頻繁に起きたり、味覚を感じなくなる場合があります。


白血病

白血病は、いわゆる血液のがんのことをいいます。初期症状としては、発熱や体のだるさなど風邪に似た症状が出やすいです。鼻血や外傷などで一度出血すると、なかなか血が止まらなかったり、大量に出血する恐れがあるため注意が必要です。

貧血状態になると、めまいや頭痛などが起こりやすくなります。また、血を止める機能が弱まると、歯茎からの出血や身体に青あざなどの症状が見られます。

副鼻腔炎の子ども
iStock.com/RyanKing999

血友病

血友病は、出血したときに、血が止まりにくくなったり、固まりにくくなったりする病気です。鼻血がなかなか止まらない場合は、血友病の可能性も考えられますが、血友病は、体の外への出血よりも、体の内部での出血が多く見られるため可能性は低いかもしれません。血友病になると、内出血が起きやすくなるため、青あざができる場合もあります。

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鼻血を止血するためのポイント

子どもが鼻血を出したときは、速やかに止血する必要があります。間違った対処をしてしまうと、鼻血がなかなか止まらなかったり、長引く場合があるため注意が必要です。鼻血を止血するときのポイントについて解説します。


子どもの姿勢

子どもが鼻血を出したときは、背もたれのある椅子などに座らせましょう。子どもを寝かせてしまうと、血液がのどに回って嘔吐してしまうことがあります。顔は下を向き、前屈みの体勢にします。その際、のどに流れてきた血液は吐き出しましょう。


止血方法

鼻血の約90パーセントは、鼻の手前にあるキーセルバッハ部位の出血です。止血の際は「鼻翼」と呼ばれる小鼻を、親指と人差し指を使ってつまむように押さえましょう。鼻血が片方だけの場合は、人差し指で鼻血が出ている方を押さえてもよいでしょう。

子どもの年齢が小さくじっとしているのが難しい場合は、脱脂綿やティッシュを鼻に詰める方法もありますが圧迫の力が弱いと、かえっていじってしまい出血を繰り返すことがあるので注意が必要です。


止血時間

鼻血の止血では、止血する時間が大切なポイントになります。約5分から10分を目安に止血をしましょう。手を離した際に、血の塊が出る場合がありますが、その後鼻血が止まれば止血できています。

それでも鼻血止まらない場合は、もう1度止血をする必要があります。1回目よりも少し長めに鼻を押さえて止血をしましょう。

鼻血が止まらないときの受診の目安

正しい止血方法を行うと、約5分から10分程度で鼻血は止まります。20分以上鼻血が止まらないときには、専門家の処置が必要な場合や病気の可能性もあるため、受診をする必要があります。

また、出血量が多い場合や、顔色が悪い頻繁に鼻血が出るなど心配なときは、医師に相談すると安心かもしれませんね。

子どもの鼻血は早めに対処をしよう

画像
iStock.com/kokouu

鼻血は、鼻の粘膜が傷ついて出血を起こすのが主な原因ですが、他にも、血圧が上がったり打撲や鼻いじりによっても起こります。子どもは、大人に比べると鼻血が出やすく、なかには病気が潜んでいる場合もあるため注意が必要です。

鼻血を止血する際は、姿勢や押さえる場所、時間などに気をつけながら対処しましょう。正しい止血方法をとると、約5分から10分程度で止まる場合がほとんどです。

なかなか鼻血が止まらない場合や、頻繁に出るなど心配なときは、早めに受診をしましょう。子どもが鼻血を出したときは、様子をしっかり観察しながら、落ち着いて対処することが大切です。


監修:金髙太一(おひさまクリニック 院長)

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金髙太一

金髙太一

おひさまクリニック院長。小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。

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