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【小児科医監修】乳児の頭の形が気になる?いつまで治るかと矯正可能な時期
原因と矯正するときの注意点
Profile
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
生まれたときは頭の形は通常だったけれど、いつの間にか乳児の頭の形が変形して、いびつになるとこのままにしていて大丈夫か自然と治るのかと心配に思うママもいるでしょう。乳児の頭の形はいつまで矯正が可能かや枕などを使った矯正方法をご紹介します。また、頭の形で病院を受診する目安も併せて解説します。
乳児の頭の形が気になる
乳児の頭の形が、後頭部全体が平らな絶壁や鼻から後頭部までが長いコーンヘッドであったり、左右が非対称だと気になり、このままにしていて治るのかと心配になるママもいるかもしれません。
乳児の頭は柔らかく形が変わりやすいのが特徴です。生まれたときには気にならなかった頭の形も少しの刺激や圧力がかかると頭の形が変形する可能性があります。
頭の形が変形する原因
赤ちゃんの頭の形が変形するのは以下のような原因が考えられます。
先天性要因
ママの子宮が狭いと赤ちゃんがお腹のなかで動ける範囲が制限されて、頭の形がゆがむ場合があります。
双子などの多胎妊娠の場合は、スペースがより狭くなるので頭の形に変化がみられやすくなります。
また、巨大児や出産予定日をすぎてから生まれた赤ちゃんは頭が大きく、産道を通るときに強い圧力がかかって頭の形に変化がでるケースがあります
後天性要因
乳児は1日のほとんどを寝てすごします。
全身の筋肉がまだ未発達なため、自分で寝返りがうてません。
長時間同じ向きで寝かせたままにすると布団と頭が触れている部分に圧力がかかり、頭の形が変わる可能性があります。
長時間仰向けに寝かせると、後頭部が圧迫されて後頭部が絶壁になりやすくなります。
同じ向きばかりで抱っこや授乳をしている場合も、左右の頭の形に変化がでる場合があります。
乳児の頭の形はいつまで治る?
乳児の頭の形はいつまでにケアすると矯正できるのでしょうか。
首がまだ座っていない0から3カ月は頭がまだ柔らかいため、意識をしてケアをすると頭の形を矯正できます。
4から6カ月頃になると、乳児が頭や腰をねじったり動くようになってくるため、ケアするときに工夫が必要になります。
7カ月以降になると乳児の動きがより活発になるため思うようにケアができなくなります。
また、頭がかたくなってくるため、矯正するのが難しくなります。
乳児の頭の形が気になる場合は、早めに対策を取りましょう。
頭の形を矯正する方法
乳児の頭の形が気になったときに家庭でできる対処法をご紹介します。
枕を使う
月齢が低いときは、ドーナツ型の枕やベビー用のビーズ枕を使う方法もあります。市販で向き癖を防止するクッションも売られています。
ドーナツ型の枕は、絶壁が気になる乳児に使うとよいですが、顔の向きが変わると口や鼻をふさぎ、窒息につながる恐れがあるため、乳児の様子をよく見ておくことが大事です。
タオルで身体を斜めにする
頭の形が出っ張っている方を下にして寝かせます。
向き癖がある頭から腰に棒状にしたタオルを挟んで斜めの体勢を作り、いつも向く方向を向かないようにする方法もあります。
乳児の寝る向きを変える
ベビーベッドなどに長時間同じ姿勢で寝かせると頭の位置が固定されます。同じ場所に圧力がかかると頭の形が変形することがあります。
寝ている向きをこまめに変えて、長時間同じ箇所に圧力がかからないように意識することが大切です。
おもちゃを置く位置を変える
乳児期は音に敏感に反応します。
音のなるおもちゃや動きのあるおもちゃを置いている場合は、おもちゃを置く位置を変えていつも同じ向きにならないようにすると乳児が向く方向が偏らなくなります。
矯正するときの注意点
乳児の頭の形が気になり、矯正するときにはいくつかの注意が必要です。
どのようなことに注意したらよいのでしょうか。
乳児から目を離さない
自分で寝返りを打てない場合は、同じ個所に長時間刺激がかからないようにママやパパが身体の向きを変えたり、枕を使ったりすることがあるでしょう。
慣れていない向きになったときやドーナツ枕が原因で呼吸をふさいでしまう可能性があるため、乳児から目を離さず、こまめに確認することが大事です。
矯正可能な時期に行う
乳児の頭は比較的柔らかいため、頭の形が変形しやすいですが、頭の骨が固くなり始めると矯正するのがより難しくなります。
乳児の頭の骨は、生後7カ月から8カ月頃に硬くなり始め、2歳くらいになると固くなります。
頭の形が気になる場合は、なるべく早い時期に対策することが重要です。
病院を受診する目安
年齢が低いときは頭が柔らかいので、外からの刺激によって頭の形が変形することがあるため、過剰に心配しなくても大丈夫ですが、母子手帳の乳児身体発育曲線の標準値より赤ちゃんの頭がだいぶ大きい場合や小さい場合は注意が必要です。
また、標準の数値内の大きさでも2カ月から3カ月の間に頭の大きさが急に大きくなったときには、頭の内部で異常が起こっていたり、病気の可能性もあるため病院で受診することが大切です。
正しい時期と対処法で乳児の頭を矯正しょう
寝ている向きや抱っこ、授乳をするときの体勢がいつも同じだと決まったところに圧力がかかります。
乳児の頭はやわらかいため、長時間同じ場所に刺激が加わると頭の形が変形しやすいです。
変形した頭の形は矯正できるのかや、いつまでに対応したら治るのか不安になる人もいるかもしれませんが、6カ月頃までであれば矯正がしやすいです。
一定方向に力がかからないように、寝ている向きやおもちゃを置く場所を変えたり対策しましょう。ドーナツ型や乳児用の枕を使用するのもよいですが、窒息などを起こさないように乳児から目を離さないことが重要です。
乳児の頭が急激に大きくなったときや標準値を大幅に上回っている・または下回っている、形がいびつなど気になることがあるときは病院を受診しましょう。
監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)
Profile
眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。