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病院を受診する目安について
Profile
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
子どものおねしょが続いたり、今までおねしょをしていなかったのに急におねしょをするようになると病気かもしれないと不安になるでしょう。おねしょの原因と対処法についてご紹介します。また、おねしょで病院の受診する目安も併せて解説します。
子どものおねしょ
子どものおねしょが続くと何か病気ではないかと心配になるママやパパがいるかもしれません。
子どもがおねしょをするのはいくつかの原因が考えられます。
周りの友だちや兄弟がしていないと悩んだり、焦って子どもを怒ってしまうことがあるかもしれませんがおねしょの原因を知って対応することが重要です。
おねしょの原因
子どもがおねしょををするには以下のような原因が考えられます。
夜のおしっこの量が多い
夕方以降に水分をたくさん摂ると夜のおしっこの量が増える傾向があります。
夜間のおしっこの量をコントロールするために必要な抗利尿ホルモンは、昼間に少なく、夜に多く分泌されます。
抗利尿ホルモンの分泌のリズムは、成長とともに整ってきます。
年齢が低く、ホルモン分泌のリズムが整っていない状態だと抗利尿ホルモンの量が少ないため、夜間のおしっこの量が増えておねしょをすることがあります。
膀胱が小さい
膀胱機能は子どもの成長とともに発達していきます。
4~5歳くらいになると、夜中に1度もトイレに行かなくてもおしっこを溜められるようになる子がほとんどですが、年齢が低く、膀胱がまだ十分に発達していない場合は、膀胱も小さいため、おしっこを溜められずにおねしょの原因になることがあります。
睡眠問題
朝方になって睡眠が深くなり、目が覚めず朝方におねしょをしたり、睡眠の質が悪いことが原因でおねしょをしてしまうことがあります。
ストレス
6カ月から1年以上おねしょをすることがなかったのに、突然おねしょが始まった場合はストレスが原因かもしれません。
強いストレスがかかると、自律神経の働きが崩れておねしょにつながる場合があります。
おねしょで病院を受診する目安
2~5歳くらいのときのおねしょは、膀胱の未発達などが原因で成長するにつれて治っていくケースがほとんどです。過剰に気にせず様子を見てよいでしょう。
幼児期の夜尿をおねしょと言いますが、小学校の入学前後の夜尿になると「夜尿症」といいます。
以下のような症状が見られたら病院で1度受診してみることをおすすめします。
おねしょの回数が多い
月に数回、または毎晩おねしょをし、生活を改善しても続く場合は病院で相談してみるとよいでしょう。
突然おねしょが始まって続く
ずっとおねしょをしていなかったのに突然おねしょが始まり、おねしょが続くときは子どもにストレスが溜まっているかもしれません。
入園や進級、引っ越し、兄弟が産まれるなどの環境が変わるときに起こりやすくなりますが、何日もおねしょが続く場合は病院で1度受診してみましょう。
6歳以上
おねしょが月に1度程度で、その日限りであれば疲れが原因かもしれないので様子をみてもよいですが、6歳をすぎても週に1回以上おねしょをする場合は夜尿症の可能性があります。
病院で受診し、治療することが大切です。
幼児期のおねしょの対策法
おねしょが続いたときの対処法をご紹介します。
起こさない
おねしょをしないように夜中にトイレに起こそうとする人がいるかもしれません。
夜間のおしっこの量をコントロールする抗利尿ホルモンは、眠ってから出始めますが、寝ている途中で起こしてしまうと増加していた抗利尿ホルモンが減少してしまいます。
おねしょをしないようにと夜中に子どもを起こすのはやめましょう。
水分の摂りすぎに注意する
夕食後以降の水分、塩分の摂取が多いとおねしょの原因につながります。
昼間に多めに水分を取り、夕方以降の水分量は控えめにしましょう。
夏場の水分不足は脱水症状につながるため、子どもの様子を見て水分量を調整することが重要です。
規則正しい生活をする
眠りが浅かったり、寝不足など睡眠の質が悪いとおねしょを悪化させる場合があります。
リラックスした空間で、睡眠時間をしっかりとれるように規則正しい生活を心がけましょう。
寝る前にトイレに行く習慣をつける
膀胱にためられるおしっこの量は限られています。
寝る前に膀胱の尿量を空にするとおねしょをせずに済むかもしれません。
トイレに行く習慣が身につくように寝る前に声をかけ、子どもが自らトイレに行けたら褒めて就寝前のトイレの習慣をつけることが大事です。
冷え対策
身体が冷えるとおねしょの原因につながります。
夏場はおねしょをしなくても冬場になるとおねしょをすることが増えたというケースもあります。
お風呂で身体を温めて、暖かい恰好で冷え対策をすることが大事です。
オムツを使う
子どもがおねしょをしてしまって不安に思っているのであれば、夜中だけオムツを使用してもよいでしょう。
4~5歳になってもオムツを履かせるのに抵抗がある人もいるかもしれませんが、おねしょをしたことで子どもがさらにストレスを感じるのであれば、夜はオムツを履かせて子どもが安心感を持てることが大事です。
おねしょの回数が減ったり、安定してきたらパンツに切り替えるとよいでしょう。
子どもの様子をよく見ておねしょに対応しよう
周りの子どもはおねしょをしていないのに子どもが頻繁におねしょをしたり、週に何度もおねしょが続くと病気かもしれないと心配になるかもしれません。
水分を摂りすぎていたり、膀胱がまだ発達しきっていなくておしっこを溜められる量に限りがあったり、睡眠の質の影響などさまざまな理由がおねしょの原因になります。
夕方以降の水分量に気をつけて、寝る前にトイレに行く習慣づけや規則正しい生活を心がけるとおねしょが治るかもしれません。
年齢が低いうちは様子を見てもよいですが、6歳をすぎても週に1回以上のおねしょが続く場合は夜尿症かもしれないため、病院で診てもらうことをおすすめします。
監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)
Profile
眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。