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【小児科医監修】新生児の赤ちゃんも便秘をするの?マッサージや綿棒でのホームケア
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クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
赤ちゃんも便秘をするのでしょうか。何日出ていなければ便秘の診断がつくのか、判断基準や原因、受診の目安、処方薬について、新生児期から成長に応じてクローバーこどもクリニック院長、眞々田容子先生監修のもと解説します。また、マッサージや体操、綿棒で刺激するやり方などホームケア方法もご紹介します。
赤ちゃんの便秘とは
赤ちゃんは母乳やミルクが足りていないと、腸に長い間便がたまり、水分が吸収されて便がかたくなり、便秘になります。
しかし、お通じには個人差があり、毎日便が出ないと便秘、何日間便が出ていないと便秘というのは言い切れません。2~3日便がでなくても、赤ちゃんに食欲があり、排便がスムーズなら便秘ではありません。
専門家も次のように赤ちゃんの便秘について話しています。
“
気張ってもなかなか出ないとき、ウンチが硬くてでにくいときは便秘と考えます。数日でなくても、無理なくやわらかいウンチが出れば便秘ではありません。 何日以上という基準は特にありませんが、5日から1週間程度でないと便秘を疑います。
出典: AskDoctors
赤ちゃんの便秘は、1週間程度、便が出ていないとき以外は、何日うんちが出ていないということを判断基準にするのではなく、赤ちゃんの機嫌や食欲、排便のときの様子が大事です。
便秘の赤ちゃんの様子
便秘の赤ちゃんに見られる様子をご紹介します。
・機嫌が悪い
・食欲がない
・母乳やミルクを飲みたがらず、飲んでもすぐに吐き出す
・嘔吐がある
・いつもよりうんちをする回数が減っている
・下腹部が普段より張っている、かたい
・うんちをするときに痛がったり、泣く
・頻繁に力んでいる
赤ちゃんに以上のような症状がみられるときには便秘かもしれません。
便秘になりやすい赤ちゃん
赤ちゃんは、どのようなことが原因で便秘になるでしょうか。
食事
赤ちゃんが便秘になる大きな要因のひとつに授乳や食事があげられます。授乳や食事が赤ちゃんの便秘の原因となる背景には、離乳食の進み具合によって、さまざまな理由が考えられます。
新生児期は、授乳の量が規則的ではないため、便秘にも下痢にもなりやすい傾向があります。
生後6ヶ月頃の赤ちゃんは、離乳食初期に入り、授乳回数が急に減り水分不足になると、排便の回数が減って便秘になる子もいます。腸内環境も変化するため便秘になる子も多いようです。
離乳食後期は、子どもの好き嫌いが出てくる時期で、なかには栄養の偏りが原因で便秘になる子もいます。
運動
特に新生児期は、まだ筋力が十分に発達していないため、赤ちゃんが自分で意識して身体を動かすことはできません。
自分で積極的に運動ができないため、排便に必要な筋力も十分ではなく便秘になりがちです。また身体を動かしていないと腸の動きも活発ではありません。
生活リズム
赤ちゃんは生活リズムに影響を受けやすいものです。食事のほかにも睡眠など生活リズムが崩れると、便秘や下痢を招くことがあります。
赤ちゃんがうんちをしたときに「うんちがでて気持ちいいね」「うんち頑張ったね」などうんちが出るのは気持ちがよいことと赤ちゃんが思えるように声かけをしましょう。
赤ちゃんの排便のタイミングを親がコントロールしようとしたり、うんちをした時にオムツを取り換えるのをめんどうくさがったりすると、赤ちゃんがうんちを我慢したり、排便を悪いことと捉えてしまう可能性があります。
赤ちゃんの便秘で受診する目安と処方薬
赤ちゃんの便秘で病院を受診する目安と、赤ちゃんが便秘のときはどのような処方薬がだされるのか紹介します。
受診の目安
・排便時、力んでもうんちが出づらい
・理由不明で泣く
・お腹が張っている
・うんちがかたくて肛門が切れる
・ミルクや母乳の飲みが悪くなった
赤ちゃんに以上のような姿が見られるときには便秘になっている可能性があるため、病院での受診が必要かもしれません。
受診するときには、「うんちの回数とかたさ」「赤ちゃんの食欲や機嫌」を把握し、赤ちゃんのうんちの状態や子どもの様子を伝えられるようにします。できれば、うんちのついたおむつ、写真などを病院に持って行くと受診がスムーズにいくでしょう。
便秘の処方薬
便秘になると、赤ちゃんも服用できる便秘薬を処方されることが多いでしょう。便を柔らかくして出やすくしたり、腸内の水分量を増やす、大腸を刺激する薬など、さまざまな薬があり、赤ちゃんの便秘の症状に応じて処方されます。
赤ちゃんの便秘のホームケア
赤ちゃんの便が出ていないときや便秘かもしれないときに家庭でできるケアをご紹介します。
お腹のマッサージ
新生児の便秘にもおすすめなのが、おへそを中心に「の」の字を描くように、優しくなでるマッサージです。力を入れず、そっと行うように注意しましょう。お腹の外から腸に刺激を与えるとうんちが出やすくなります。
体操
赤ちゃんの便秘対策や便秘予防として赤ちゃんを仰向けに寝かせ、両足を持ち上げて、左右の足を交互に動かすなどの体操もよいでしょう。赤ちゃんの負担にならない程度のスピードや体操の仕方、体操の時間の長さなどに配慮して行うとよいでしょう。
ただし便秘であっても新生児期に体操を無理に行うのは、おすすめできません。
綿棒で刺激する
マッサージや体操をしても、便がでないときには、綿棒で刺激を与えるやり方もあります。
赤ちゃん用の綿棒にワセリンやベビーオイルを塗って、綿棒の先端が隠れる程度にまでお尻の穴に入れ、円を描くように刺激を与えます。
綿棒が奥まで入り過ぎないように注意し、赤ちゃんが嫌がるときは無理にやらないことがポイントです。初めて綿棒で刺激を与えるときは医師にやり方を聞くのがよいでしょう。医師が、やらなくていい、というときはやめておきましょう。
便秘によい食事
食物繊維が多く含まれる、いも類や、かぼちゃ、りんご、バナナなどの野菜や果物は便秘の予防や解消に効果的な食材です。離乳食期の赤ちゃんには積極的に与えましょう。ほかにも、乳酸菌類など便秘によい食べ物を選ぶとよいでしょう。
オリゴ糖を与える
オリゴ糖は、腸内のよい菌を増やして、腸を活発にする作用があります。離乳食が始まったり、母乳以外のものを飲む時期になったら、粉末状のオリゴ糖を粉ミルクや白湯に混ぜて飲ませるのも効果的です。
生活リズムを整える
授乳の時間や寝る時間を大体決めるなど、規則正しい生活を心がけることも赤ちゃんの便秘解消や便秘予防のために大切です。
赤ちゃんが便秘にならない生活習慣を
赤ちゃんが何日もうんちが出ないと便秘かもしれないと心配になるママもいるでしょう。赤ちゃんの排便のペースには個人差があるので、排便が何日ないから便秘という定義はありませんが、1週間程度うんちが出ないときは便秘を疑いましょう。
もし定期的に排便できていても、うんちが固い、おなかが張っている、などのときは便秘の可能性があります。赤ちゃんの機嫌など様子をしっかりみることが大事です。
赤ちゃんは、母乳やミルク、食事や生活リズムなど、さまざまなことが原因で下痢や便秘になります。うんちが出ていないだけでなく、食欲がなかったり、機嫌が悪いときには病院を受診をした方がよいでしょう。
食事内容や体操などを意識してとり入れて、赤ちゃんが便秘かもしれないと思ったらお腹のマッサージなどを行い、赤ちゃんが便秘で苦しまないように生活習慣を整えることが大切です。
監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)
Profile
眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
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