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【小児科医監修】喘息の予防について。薬や運動、食べ物での喘息症状コントロール法
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上高田ちば整形外科・小児科 副院長/日本小児科学会 小児科専門医/日本小児科医会 こどもの心相談医
上高田ちば整形外科・小児科 副院長/日本小児科学会 小児科専門医/日本小児科医会 こどもの心相談医
上高田ちば整形外科・小児科 副院長。小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。
子どもが喘息っぽいと心配になりますよね。ダニやハウスダスト、ペットなどのアレルゲンや食べ物、たばこの煙など、喘息につながる原因はさまざまです。喘息のような症状があるときには、運動は控えた方がよいのか、日常生活でできる喘息の予防をご紹介します。また、吸入器や薬の治療法についてもあわせて解説します。
喘息の診断
喘息は、呼吸をするときに、ゼーゼー、ヒューヒュー音がする喘鳴が特徴の呼吸器の病気です。慢性化してしまうことが多く、悪化したり、発作時には呼吸困難になることもあるため、子どもに喘息っぽい症状がみられたり、喘息かもしれないと感じると心配になりますよね。
子どもは、気管支自体も細いため、かぜや気管支炎にかかると痰などの分泌物が増えると、ゼーゼーとした呼吸になりやすい傾向にあります。乳幼児の低年齢での、風邪などをきっかけにした咳や喘鳴では、ただちに「気管支喘息」とは診断されません。ただし、喘鳴や咳込む頻度が高かったり、運動などで咳が誘発されたりする場合には、「気管支喘息」の診断がおります。
喘息の予防には、「普段の生活で喘息の症状がでないように予防すること」と「発作が出ないように予防すること」があり、喘息の症状を抑える予防法と喘息の発作を抑える予防法、それぞれで気をつけることは変わってきます。
日常の生活上でできる喘息症状の予防法
日常の生活で子どもの喘息の症状が出ないようにするために、できる予防法にはどのようなことがあるでしょうか。
乾燥対策をする
乾燥した空気のなかに長時間いると、口内や気道が乾燥して咳が出やすくなります。マスクを着用させたり、加湿器を使用して、のどを乾燥させないようにすることが大切です。
部屋を清潔に保つ
ホコリやダニ、カビ、ペットの毛、花粉などが喘息のアレルギー源になる場合があります。
部屋の掃除や換気をこまめに行い、清潔に保つことで喘息の原因となるアレルゲンを防ぐことが必要です。特にダニやホコリは布団や毛布などに発生しやすいでしょう。子どもが寝ているときにダニやホコリを吸わないよう、寝具の掃除は特に意識をしてきれいにするようにしましょう。天日干しだけではダニやホコリはとりきれませんので、ゆっくり掃除機などで吸引するのがよいでしょう。
煙を避ける
ホコリやダニ、カビなどのアレルゲン以外にも、たばこや花火の煙なども気道を刺激して喘息の症状を悪化させる原因となります。
専門家も、
“
生活環境は清潔に保ち、受動喫煙の影響を受けないなどの配慮は必要だと思います。
出典: AskDoctors
と述べているように、子どもの前ではなるべくたばこを吸わないようにすることや、子どもと外出したときのレストランの席は禁煙スペースを選んで、たばこの煙を避けることが重要です。
睡眠を十分にとる
規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠をとることも喘息の症状を予防することにつながります。
睡眠が十分にとれていないと、疲れがたまり、風邪を引きやすかったり、アレルゲンに反応しやすくなります。子どもの間は体力や免疫力も十分ではないため、保護者が睡眠や休息をしっかりとれるよう配慮しましょう。
食べ物に気をつける
冷たい食べ物や飲み物、香辛料は気道を刺激し、喘息の発作症状につながる可能性があります。子どもが好きなアイスクリームや冷たい麺類、カレーライスなどは、寒いときや乾燥しているとき、体調不良のときにはなるべく与えないようにしましょう。
天気や気圧、温度の変化に注意
喘息の発作は、天気や気温の変化によって起こる場合があります。
雨の日や季節の変わり目など気温や気圧が変動するときには、ママやパパが意識して症状が出ていないか、よくみてあげましょう。
喘息発作の予防法
喘息は、アレルゲンや煙に反応したり、天気や気圧の変化、運動をしたあとなどに、気道が赤くはれて炎症を起こすと、気道が狭まって発作が起こります。
喘息の発作が出ないようにどのようなことに気をつけたらよいでしょうか。
薬での治療
喘息の治療には、気管支を拡張する薬や吸入器、漢方薬、貼り薬などさまざまな処方薬があります。医師は症状や患者さんの年齢などを考えて薬の種類や治療法を使い分けています。
喘息の発作予防に、ステロイド薬の入った吸入を使用して治療する場合があります。ステロイドは強い薬というイメージがあり、子どもに使用するのを心配するママやパパもいるかもしれません。ステロイド薬の吸入は、気道の炎症を抑えるため、喘息の症状を楽にしたり、発作を鎮めることができます。子どもに処方された場合には、使用回数や方法をきちんと守って医師の指示通りに使いましょう。
適度な運動をしよう
喘息の発作が起こらないように運動をなるべく控えた方がよいと思っているママやパパもなかにはいるかもしれません。しかし、多くの小児喘息の専門家が症状が安定しているときには、適度な運動をすることは必要だと考えているようです。
体操や水泳などの適度な運動を続けることは、心肺機能を高めて、子どもの成長とともに発作が起こりにくくなります。冷たい空気のなか運動をすると、気道が刺激されて発作が出る原因になりかねません。気温が低い日や朝方は避け、なによりも楽しめる運動を取り入れましょう。
喘息は長期的な予防が重要
子どもに喘息の症状がみられると心配になりますよね。
咳やゼーゼーの症状が出ないようにマスクや加湿器などの乾燥対策や規則正しい生活を心がけること食べ物や掃除などで生活環境を整えること、簡単な体操など適度な運動を継続的に行うことが大切です。
気管支喘息の診断を受けたら、発作予防のために医師に指示通りに薬物治療を行うことと、できる範囲内で予防策をおこなっていくとよいでしょう。
監修:千葉智子(上高田ちば整形外科・小児科)
Profile
千葉智子
上高田ちば整形外科・小児科 副院長。小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。
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