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命に関わることも…。お医者さん夫婦が実践する、子どもの誤飲防止策とは
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内科医
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内科医として約10年間地方の病院・診療所に勤務した後、現在は総合診療医として非常勤勤務しながら、二人の子どもの育児中。
いつも注意していても、ほんの少しだけ目を離した隙に、思わぬことをしているのが子どもです。中でも、誤飲(ごいん)は、物によっては命に関わるので、誤飲しやすい物は子どもの手が届かない場所に配置を変える、といった配慮が大切です。さて、夫婦でお医者さんの著者の家で、特に気をつけて配置を変えたアイテムは何だったのでしょうか?誤飲してしまった時の対処法とあわせてお読みください。
著者:箕島みな
内科医として約10年間地方の病院・診療所に勤務した後、現在は総合診療医として非常勤勤務しながら、二人の子どもの育児中
お医者さん夫婦が「これは飲んだら絶対危険!」と考えたアイテムは?
誤飲は危険ですが、その危険さにはアイテムによって違いがあります。
例えば、ティッシュペーパーをちょっと食べた、シールを食べた、石ころを食べた、という程度では「命に別状はない」と動じませんが(もちろん、食べないほうがいいので気をつけてはいますが……)、小さくても「それは危険!」なアイテムがあります。
電池
そのひとつが、よく知られていますが、電池(特に、ボタン型電池)です。電池を誤飲すると、消化管の壁に穴が空いて、緊急手術が必要な状態になることもあります。わが家では、子どもの手が届かない場所に移動させました。
マグネット
こちらは電池ほど有名ではありませんが、2つ飲み込んだ場合は消化管の壁を挟み込むようにくっついてしまうので、やはり消化管に穴を開け、緊急手術が必要になることがあります。
わが家では冷蔵庫などにくっつけていたマグネットを、子どもの手が届かない場所に移しました。
ピーナッツ
これは、耳鼻科医からの強いアドバイスなのですが、ピーナッツは気道に入りこんで死亡する事故につながったり、鼻や耳の穴に入れて処置になるケースもあるので、「子どものいる家はピーナッツ禁止!」と、家からピーナッツが消えました。
クリップ、針、画鋲、化粧品、マニキュア、コイン、洗剤、殺虫剤……
その他にも、子どもが口に入れて危険だったり、窒息のおそれがあるものは、子どもがさわれない場所に置くようにしました。
タバコ、ライター、灰皿
わが家には喫煙者はいませんが、もしもタバコがある場合は、これも手が届かない場所に置かなければなりません。タバコの誤飲は大変危険で、誤飲の頻度も高いことが知られています。
もし誤飲したら……?
子どもの具合が悪ければ、迷わず救急車を!
子どもの呼吸の様子がおかしい、ぐったりしている、ひどく痛がっている、などの症状があれば、迷わず救急車で病院を受診しましょう。
受診するべきか、受診する前の処置が必要か、迷ったら
誤飲した物の種類によって、対応が違います。吐かせた方がよいもの、吐かせてはいけないもの、牛乳を飲んだ方が良いもの、飲まない方が良いものなど、さまざまです。
【困ったときの検索キーワード】誤飲
「誤飲」と検索すると、日本小児科学会の「こどもの救急」というページが表示されます。
ここには、
■救急車で病院に行くべき
(ネズミ駆除薬、トイレ用洗剤、苛性ソーダ、ウジ駆除用殺虫剤、業務用漂白剤、花火、防虫剤、除草剤、抗うつ剤、脱毛剤、除毛剤、タバコの浸った灰皿の水)
■自家用車やタクシーで病院にいくべき
(灯油、ライター燃料、家庭用漂白剤、マニキュア除光液、香水、日焼け止め、アルカリ電池、タバコ、絵の具、ヘアトニック、ヘアリンスなど)
■家で様子をみてよい
(蚊取り線香、靴クリーナー、口紅、クレンザー、シリカゲル、チョーク、入浴剤、粘土など)
と、受診の目安と、受診までの対応(吐かせたらダメなものは赤字)が書かれています。
電話サービス
【困ったときの検索キーワード】誤飲 電話
「中毒110番」というサービスでは、24時間、電話にて誤飲に関する情報を提供しています。(実際に起きている事故についてのみの対応。無料)
また、休日・夜間には、「小児救急電話相談事業」(#8000)でも、対処法を聞くことができます。
迷った時には電話で相談できることを覚えておきましょう。
「誤飲した子どもの様子がおかしければ、救急車を!」
「迷ったら、電話で相談できる!」
ということを、覚えておきましょう。
病院を受診する時には
病院を受診する際は、「何をどのくらい飲んだか」という情報がとても大切です。飲んだものと同じものや残りがあれば持参していただくといいと思います。
命に関わるケースもあるから……
子どもの誤飲は、命に関わるケースがあります。誤飲を防止するため、危ないものは子どもの手の届かない場所に保管することが大切です。
もしも誤飲した時には電話相談ができること、子どもの様子によっては救急車で受診するべきことを覚えておくといいですね。
参考
著者:箕島みな
内科医として約10年間地方の病院・診療所に勤務した後、現在は総合診療医として非常勤勤務しながら、二人の子どもの育児中